クラスコの資産運用

収益物件

【pickupニュース】東京オフィスビル空室率、20年12月は小幅ながら上昇続く

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!

三鬼商事が最新のオフィスビル市況データを公開
三鬼商事株式会社(以下、三鬼商事)は14日、オフィスマーケットデータを更新し、2020年12月の全国主要都市におけるオフィスビル最新市況を発表しました。東京ビジネス地区のほか、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡の各市場動向をみることができます。

この調査における東京ビジネス地区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区で、このエリア内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルが調査対象とされています。なお、その他用語の定義は下記のようになっています。

・調査用語定義
新築ビル:調査月を含め過去12カ月間に竣工したビル(竣工済み)
既存ビル:調査月の12カ月前までに竣工したビル

新築ビルに該当するのは29棟、既存ビルに該当するのは2,568棟で、調査対象ビルの合計は2,597棟です。

・東京ビジネス地区のオフィスビル空室率
全体平均:4.49%(前月比+0.16ポイント、前年同月比+2.94ポイント)
新築ビル:2.95%(前月比+0.06ポイント、前年同月比-1.87ポイント)
既存ビル:4.54%(前月比+0.16ポイント、前年同月比+3.05ポイント)

2020年12月における東京ビジネス地区の空室率は、全体平均で4.49%となり、前月よりさらに0.16ポイント悪化しました。これで10カ月連続の空室率上昇となっています。前年同月比では2.94ポイントの上昇でした。

2020年2月には1.5%を下回る水準まで低下し、きわめて低い空室率で推移してきた東京ビジネス地区のオフィスビル市場ですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業の経営状況の悪化やオフィス戦略の見直しなどから動向が変化、空室率の上昇傾向が続いてきています。

12月は解約の影響が比較的少なく、小規模な成約の動きが新たにみられたこともあり、東京ビジネス地区全体の空室面積は約1万2,000坪の増加にとどまり、空室率も悪化傾向は続いたものの、前月比での上昇幅が小幅に抑えられる結果となりました。

新築ビルの空室率は2.95%で、前月より0.06ポイント上昇、前年同月比では1.87ポイントの低下でした。新築ビル1棟が募集面積を残して竣工したことから、わずかながら上昇となっています。

既存ビルの空室率は4.54%で、前月より0.16ポイント、前年同月より3.05ポイント上昇しました。新築ビルや竣工予定ビルへの移転などに伴う解約の影響がみられましたが、小規模な成約もあり、小幅な上昇となっています。

空室率上昇で賃料も5カ月連続の低下に
・東京ビジネス地区のオフィスビル平均賃料
全体平均:月額坪あたり21,999円(前月比-224円、前年同月比-207円)
新築ビル:月額坪あたり31,778円(前月比-525円、前年同月比+2,908円)
既存ビル:月額坪あたり21,773円(前月比-221円、前年同月比-248円)

2020年12月の東京ビジネス地区におけるオフィスビル平均賃料は、全体平均が共益費、消費税ともに抜きの価格で、月額坪あたり21,999円となり、前月より224円、率にして1.01%下落しました。前年同月と比べても207円、0.93%の下落になっています。

空室率の悪化に伴い、平均賃料も緩やかに下落してきており、これで5カ月連続の低下となりました。東京ビジネス地区の平均賃料が22,000円台を割り込むのは15カ月ぶりのことです。

新築ビルの平均賃料は、月額坪あたり31,778円で、前月より525円低下しましたが、前年同月比では2,908円の上昇と、なお高水準を維持していました。しかし2020年8月に33,235円となり、33,000円を突破した平均賃料は、ここをピークに下落を続けており、12月で32,000円を下回りました。

既存ビルの平均賃料は、月額坪あたり21,773円で、前月より221円、前年同月より248円安くなっています。22,000円を割り込んだ前月に続き、さらに低下して、貸し手優位の高騰市場から確かに潮目が変わってきたことをうかがわせました。

・東京ビジネス地区新規供給量の推移
2015年:239,719坪(19棟)
2016年:343,908坪(28棟)
2017年:250,968坪(29棟)
2018年:460,494坪(31棟)
2019年:308,829坪(30棟)
2020年:531,372坪(29棟)
2021年:151,319坪(18棟)(前年比-380,053坪、-11棟)

東京ビジネス地区におけるオフィスビルの新規供給量を、延床面積の年間推移でみると、2018年と2020年は大量供給があり、とくに2020年は50万坪を超える供給がありましたが、2021年は大幅に減少、151,319坪となる見通しです。

棟数も18棟と、2020年比で11棟減少、過去7年で最も少ない竣工棟数予定になっています。このうち延床面積1万坪以上の大規模ビルは4棟で、その延床面積合計が11万7,000坪、2020年に比べ棟数は8棟、供給量では約38万坪減少するとされました。

延床面積1万坪未満の大型ビルは14棟で、延床面積は合計約3万4,000坪、2020年比で横ばいになりますが、棟数では3棟の減少になります。大規模ビルを中心に新規供給が大きく減少する2021年は、新規供給量が20万坪を下回り、2000年に記録した約199,000坪以来の最小供給となります。

・空室面積
全体合計:351,226坪(前年比+232,972坪)
新築ビル:7,663坪(前年比+485坪)
既存ビル:343,563坪(前年比+232,487坪)

2020年12月時点の空室面積は、全体合計で351,226坪となり、前年より232,972坪増加しました。新築ビルは、2019年に比べ新規供給量が約223,000坪増加したものの、成約の動きが順調であったため、空室面積は485坪の増加と、わずかな増加にとどまりました。

一方、既存ビルでは前年より232,487坪増加し、343,563坪の空室面積がみられています。館内縮小などによる解約の動きが相次いだことや、成約に向けての動きが全体に停滞する状況があったため、増加につながったとされています。

コロナ禍で今後のオフィスニーズへの影響はなお未知数な面がありますが、小規模ながら成約の動きが出てきていること、2021年は新規供給量が大幅に減少し、竣工予定ビルの一部ではすでに決定や内定の動きもみられていることから、空室面積の増加幅は縮小となるのではと期待されました。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は三鬼商事「オフィスマーケットレポート 東京ビジネス地区 2021年1月号」公開資料より)


▼外部リンク

三鬼商事株式会社 オフィスマーケットレポート 東京ビジネス地区 データ提供ページ
https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html

PAGE TOP