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【pickupニュース】21年度の建設投資、60兆円を切る約58.2兆円見通しに

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建設経済モデルによる20年度、21年度の最新建設投資見通しが発表に
一般財団法人建設経済研究所と一般財団法人経済調査会 経済調査研究所は28日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」について、最新データを反映させた予測結果を発表しました。

このデータは、建設投資活動を需要動向や金利などと関連づけた方程式体系で表し、マクロでみた景気の動きと整合するかたちで建設投資の見通しを描くべく開発された「建設経済モデル」を用いて算出されているもので、四半期別の国民所得統計速報を踏まえて予測を行った結果となります。

今回は、2020年4~6月期の国民経済計算(四半期別GDP速報)の2次速報分発表を踏まえ、2020年度、2021年度に関する見通し資料が作成されました。なお、対ドル円レートの予測は、下記のように行われ、これを前提条件として分析がなされています。

・対ドル円レート
2020年度10~12月:105.6円
2020年度1~3月:105.5円
2021年度4~6月:106.7円
2021年度7~9月:107.8円
2021年度10~12月:107.9円
2021年度1~3月:107.9円

また、無担保コール翌日物金利は、2020年10~12月期から2021年1~3月期を-0.05%と予測して計算されました。

・建設投資予測結果概要
【2020年度】
名目建設投資:63兆8,500億円(前年度比-2.3%)
政府建設投資:25兆8,800億円(前年度比+4.1%)
民間住宅投資:15兆1,200億円(前年度比-7.5%)
民間非住宅建設投資:16兆7,900億円(前年度比-4.1%)
民間建築補修(改装・改修)投資:6兆600億円(前年度比-9.0%)

【2021年度】
名目建設投資:58兆1,800億円(前年度比-8.9%)
政府建設投資:21兆2,000億円(前年度比-18.1%)
民間住宅投資:14兆4,600億円(前年度比-4.4%)
民間非住宅建設投資:16兆4,200億円(前年度比-2.2%)
民間建築補修(改装・改修)投資:6兆1,000億円(前年度比+0.7%)

2020年度の建設投資全体は、63兆8,500億円と予測され、前年度に比べると2.3%の減少になりました。2021年度はさらにこれを8.9%と下回る水準で、58兆1,800億円と見込まれています。

上昇傾向を続けていた名目建設投資額が、2020年度で減少に転じるとされたほか、2021年度ではさらに減少傾向が顕著となり、60兆円を割り込んでいます。

2020年度の建設投資見通しを内訳でみていくと、政府建設投資が2018年度第1次補正予算、第2次補正予算、および2019年度補正予算にかかるものの一部と2020年度の予備費にかかるものが出来高として実現すると想定したところ、前年度比4.1%増の25兆8,800億円で、堅調な推移の予測となりました。

しかし民間住宅投資、民間非住宅投資は前年度を下回り、それぞれ7.5%、4.1%の減少になる見込みです。これは新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、民間における活動が低調となるとみられました。民間建築補修投資も前年度より9.0%の減少で、6兆600億円に落ち込んでいます。

2021年度においては、政府建設投資で国の一般会計と地方単独事業費における「臨時・特別の措置」を除いて2020年度とほぼ同額が措置されると想定、東日本大震災復興特別会計について概算要求額を参考に事業費を推計した結果、前年度を18.1%と大幅に下回る予測になり、21兆2,000億円にとどまるとされました。

民間住宅投資、民間非住宅投資もさらに低下傾向を続け、それぞれ前年度比で4.4%、2.2%のマイナスが見込まれ、マイナス幅は縮小されるものの低調な動向が続くとみられました。引き続き感染症の影響が及ぶと懸念されています。なお民間建築補修投資は前年度比で微増し、6兆1,000億円と、6兆円超の水準で横ばいになると予想されました。

住宅着工戸数は80万戸前後に
・住宅着工戸数および民間住宅投資額の推移見通し概要
【住宅着工戸数】
2020年度:79.7万戸(前年度比-9.8%)
2021年度:80.2万戸(前年度比+0.7%)

【民間住宅投資額】
2020年度:15兆1,200億円(前年度比-7.5%)
2021年度:14兆4,600億円(前年度比-4.4%)

住宅着工については、2020年度について、持家が前年度からすでに減少傾向に入っていたところ、新型コロナウイルス感染症の影響からさらに減少、後半で一部回復の動きがみられてきているものの、全体としては減少、貸家は相続税制の改正で大幅減が続いていたところ、やはり感染症影響からさらに減少傾向を継続するものとなる見通しになりました。

分譲住宅も同様に減少していますが、一部に回復の兆しがみられ、中では比較的良い予測となったものの、2020年度の住宅着工戸数全体は前年度比で9.8%の減少となる79.7万戸予想になっています。

2021年度には徐々に回復傾向となるとみられますが、感染症の影響が長期化する可能性が高まっていること、雇用情勢の悪化につながるとみられることなどから回復のスピードはごく緩やかになると考えられ、前年度比で0.7%のアップと微増の80.2万戸予測となりました。

民間住宅投資額は、2020年度が前年度を7.5%下回る低調さで、15兆1,200億円と予想されたほか、2021年度も2020年度の着工が減少することが影響するため、さらに4.4%減で14兆4,600億円にまで低下するとみられています。

・着工戸数の住宅タイプ別内訳
【2020年度】
持家:25万4,900戸(前年度比-10.0%)
貸家:29万3,700戸(前年度比-12.2%)
分譲住宅:24万3,200戸(前年度比-6.4%)
 うちマンション・長屋建て:10万9,600戸(前年度比-3.5%)
 うち戸建:13万3,600戸(前年度比-8.6%)

【2021年度】
持家:25万5,500戸(前年度比+0.2%)
貸家:29万5,000戸(前年度比+0.4%)
分譲住宅:24万6,400戸(前年度比+1.3%)
 うちマンション・長屋建て:11万2,000戸(前年度比+2.2%)
 うち戸建:13万4,400戸(前年度比+0.6%)

住宅のタイプ別に着工戸数見通しの内訳をみていくと、持家は政府による住宅取得支援策が順次終了となることから減少傾向にあり、さらに新型コロナ感染拡大の緊急事態宣言などで営業活動が停滞、2020年度後半には着工回復もみられるものの、全体では前年度を1割下回る予測で、2020年度が25万4,900戸となりました。

2021年度は下げ止まりにはいたるものの、雇用情勢の悪化などから大幅回復にはつながらず、0.2%増の25万5,500戸予測とされています。

貸家は相続税制改正に伴う節税対策目的の着工ブームが去った結果、大幅減少となり、さらに感染症影響も重なって減少傾向が顕著に、2020年度後半でやや回復するものの、同年度は全体で12.2%のマイナスとなる29万3,700戸予想となりました。2021年度は下げ止まり、微増の29万5,000戸とされています。

分譲住宅では、マンションが価格高騰で契約率が低下、2020年度当初の発売も抑制的となりましたが、徐々に回復してきています。分譲戸建は割安感から増加が見込まれたものの、再び減少に転じました。

全体では2020年度が前年度比で6.4%の減少となる24万3,200戸、2021年度はマンション・長屋建てを中心に回復傾向がみられる一方、戸建は微増から横ばいにとどまるため、全体で前年度より1.3%増の24万6,400戸見通しとなりました。

・民間非住宅建築着工床面積の見通し
【2020年度】
非住宅着工床面積合計:3,860万平方メートル(前年度比-10.3%)
事務所:488万平方メートル(前年度比-10.3%)
店舗:330万平方メートル(前年度比-19.9%)
工場:575万平方メートル(前年度比-24.7%)
倉庫:1,190万平方メートル(前年度比+20.2%)

【2021年度】
非住宅着工床面積合計:4,060万平方メートル(前年度比+5.2%)
事務所:536万平方メートル(前年度比+9.8%)
店舗:330万平方メートル(前年度比横ばい)
工場:605万平方メートル(前年度比+5.2%)
倉庫:1,310万平方メートル(前年度比+10.1%)

民間非住宅建築着工床面積の見通しでは、2020年度が合計で前年度より10.3%の縮小と、2桁減で3,860万平方メートルの予想になりました。減少傾向が続いていたものの、やはり感染症影響からさらに低下し、4,000万を大きく下回っています。2021年度にはやや回復し、前年度比5.2%増で4,060万平方メートルと予測されました。

内訳では、2020年度は倉庫を除く3項目がいずれも2桁減で、事務所が10.3%、店舗は19.9%、工場では24.7%もの前年度比マイナスでした。倉庫のみ前年度比で20.2%と大幅増になり、全体を押し上げています。

2021年度になると回復基調になり、事務所は前年度比9.8%増で2019年度水準に近づき、536万平方メートルと予想されました。しかし店舗の回復傾向は鈍く、2020年度と同じ330万平方メートルとされています。工場は5.2%増、倉庫はさらに10.1%増加し、1,310万平方メートルと予測されました。

ピックアップニュースは以上になります。
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(画像は「建設投資の見通し」2020年10月発表分公開資料より)


▼外部リンク

一般財団法人建設経済研究所 新着レポート一覧
「建設経済モデルによる建設投資の見通し」2020年10月28日発表
https://www.rice.or.jp/index.html

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