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【pickupニュース】20年Q2事業用不動産投資額、前年比で22%の減少に

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CBREが最新のマーケットビューレポートを公開
シービーアールイー株式会社(CBRE)は12日、2020年第2四半期の国内不動産投資市場についてまとめた「ジャパンインベストメントマーケットビュー」の最新版を公開しました。同社が四半期ごとに実施している「不動産投資に関するアンケート 期待利回り」の結果もあわせて紹介されています。

・国内事業用不動産投資額
全投資額:7,530億円(前年同期比-22%)
国内投資家(J-REIT):1,070億円(前年同期比-64%)
国内投資家(その他):2,490億円(前年同期比-40%)
海外投資家:3,970億円(前年同期比+45%)

2020年第2四半期における国内事業用不動産の投資額は、10億円以上の主要取引を対象に、土地取引やJ-REITのIPO時における取得物件は除いて集計した結果、7,530億円となり、前年同期に比べ22%もの減少になっていました。

内訳をみると、J-REITが1,070億円で、前年同期より64%の減少、その他国内投資家によるものも2,490億円で、前年同期に比べ40%減少しています。この国内投資家における大幅な投資額の減少が、全体を押し下げました。

これに対し、海外投資家の投資額は前年同期より45%増加、3,970億円となっています。しかし、こちらは海外投資家が年初に契約した大型取引が今期に引き渡されたことが主因であるため、これを除くと海外投資家による投資額は、今期1,000億円を下回る水準になるといい、全投資家で投資規模が大きく縮小されていました。前年同期比で5割強もの落ち込みになると推計されています。

・期待NOI利回り
東京オフィス(大手町):3.35%(前期比横ばい)
東京マンション(ワンルーム・主要5区):4.15%(前期比横ばい)
東京マンション(ファミリー・城南・城西):4.23%(前期比-2bps)
東京物流施設(マルチテナント・首都圏湾岸部):4.25%(前期比-5bps)
東京商業施設(銀座中央通り):3.35%(前期比-5bps)
東京ホテル(運営委託型、主要5区):4.99%(前期比+29bps)
大阪オフィス:4.65%(前期比+4bps)
名古屋オフィス:5.00%(前期比横ばい)
札幌オフィス:5.15%(前期比横ばい)
仙台オフィス:5.34%(前期比+4bps)
広島オフィス:5.43%(前期比横ばい)
福岡オフィス:4.80%(前期比+5bps)

投資家に対するアンケートに基づいた、2020年6月時点のMOIベースによる期待利回りを上限と下限の平均値で算出すると、東京では「ホテル」が前期に比べ29bpsの大幅アップで、4.99%の高水準になり、3期連続の上昇を記録しました。その一方「商業施設(銀座中央通り)」や「物流施設」、「賃貸マンション(ファミリー)」は前期より2~5bpsの低下になっています。

「オフィス(大手町)」は、前期比横ばいの3.35%、「賃貸マンション(シングルワンルーム)」も横ばいで、4.15%でした。

地方主要都市のオフィスでは、横ばいから上昇傾向で、大阪、仙台、福岡が上昇、福岡は前期より5bpsのアップで4.80%となり、2008年7月以来12年ぶりの2期連続上昇を記録しています。名古屋、札幌、広島は横ばいでした。

市況に悪化傾向、さらにQ3からはコロナ禍の影響が表面化する見通し
・CBRE短観指数(DI)
【都区部Aクラスオフィスビル】
不動産取引量:-46(前期比-19ポイント)
売買取引価格:-22(前期比-19ポイント)
NOI:-23(前期比-26ポイント)
期待利回り:-10(前期比+2ポイント)
金融機関の貸出態度:-3(前期比-16ポイント)
投融資取組スタンス:+12(前期比-2ポイント)

【首都圏マルチテナント型物流施設】
不動産取引量:+1(前期比-2ポイント)
売買取引価格:+20(前期比-1ポイント)
賃料:+21(前期比横ばい)
空室率:+6(前期比-3ポイント)
期待利回り:+13(前期比+7ポイント)
金融機関の貸出態度:+12(前期比-6ポイント)
投融資取組スタンス:+17(前期比-2ポイント)

改善すると回答した人の割合から、悪化すると回答した人の割合を差し引き、指数化したCBRE短観指数(DI)を、東京都区部オフィスのAクラスビルと首都圏マルチテナント型物流施設のそれぞれについて分析すると、2020年6月のオフィスでは、「期待利回り」を除く全項目が前期より悪化傾向となりました。DIの値としても「投融資取組スタンス」が+12でしたが、それ以外の項目はマイナス水準になっています。

「不動産取引量」は-46とごく低位で、前期より19ポイント悪化、不活発な市況となりました。「売買取引価格」も前期比で19ポイント悪化し、-22に落ち込んでいます。「金融機関の貸出態度」DIは-3で、前期より16ポイント悪化、「3カ月前と比較して貸出態度は厳しい」と回答した投資家が全体の17%を占め、2010年7月調査に次ぐ高い水準であったと報告されました。

「期待利回り」は2ポイント上昇したものの、DI値としてはなおマイナス水準で、-10となっています。

物流施設については、調査した7項目中、前期より悪化したものが5つでしたが、悪化幅は小さく、前期より大きく縮小されていました。賃貸需要が引き続き堅調であるため、市場に安心感が広がったものとみられています。DI値でも、7項目全てがプラス水準でした。

「期待利回り」は前期より7ポイントアップし、+13となっています。「不動産取引量」と「売買取引価格」のDIは、いずれも前期比微減で、それぞれ+1と+20でした。「賃料」は前期比横ばいの+21です。

現況と今後の見通しについては、新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になった3月以降、延期もしくはキャンセルとなる取引が増加したことが、まず最大のポイントとして挙げられました。

2020年第2四半期で把握された取引のほとんどは、感染拡大前にマーケティングを開始し、取引条件がほぼ決定されていた案件と考えられ、コロナ禍にあっても取引成立となった理由として、ある程度買主の資金力が高かったこと、安定した収益を見込めるアセットタイプであったこと、希少性が高い物件であったことなどが考えられています。

潤沢な投資資金を背景に、投資家の投資意欲は引き続き総じて高い状態が保たれているものの、第3四半期の投資額はコロナ禍の影響に加え、売り手と買い手における価格目線の乖離が拡大してきていること、さらにレンダーが選別姿勢を強めており、アセットタイプによってはノンリコースローンの調達が難しいとみられ、そうしたケースがすでに散見されてきていることなどから、第2四半期よりさらに減少すると予想されました。

感染拡大前に、最も投資家から選好されていたオフィスセクションについても、ニーズの減少や賃料下落への懸念が高まっており、投資判断が慎重になってきています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はCBRE「ジャパンインベストメントマーケットビュー 2020年Q2」公開資料より)


▼外部リンク

シービーアールイー株式会社 「ジャパンインベストメントマーケットビュー 2020年第2四半期」
https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/20202000

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