収益物件
2018/08/30
【pickupニュース】不動産流通業の業況、やや改善傾向も10期連続マイナス水準に
日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!
調査は三大都市圏および地方主要都市で、不動産関連事業を営む企業を対象にアンケートを実施、その結果をもとに分析しており、現在の経営状況と3カ月後の経営見通しについて、「住宅・宅地分譲業」、「不動産流通業(住宅地)」、「ビル賃貸業」の3業種で指数算定を行っています。調査対象となった企業は146社、指数は-100~+100で示され、0が判断の分かれ目となります。
・不動産業業況指数
【現在の経営状況】
住宅・宅地分譲業:17.1(前回比-3.2ポイント)
不動産流通業(住宅地):-1.6(前回比+1.5ポイント)
ビル賃貸業:19.0(前回比-3.0ポイント)
【3カ月後見通し】
住宅・宅地分譲業:5.7(前回比-0.6ポイント)
不動産流通業(住宅地):-7.3(前回比+0.5ポイント)
ビル賃貸業:-9.1(前回比-5.1ポイント)
住宅・宅地分譲業の7月1日現在における経営状況は、前回より3.2ポイント悪化して17.1ポイントとなりました。やや悪化したものの、22期連続でプラス水準を保っています。一方、不動産流通業は前回調査に比較すると1.5ポイント改善しましたが、依然マイナス水準にあり、-1.6ポイントとなっています。これで10期連続のマイナスになりました。ビル賃貸業は19.0と堅調な数値ですが、前回調査時に比べると3.0ポイント悪化しています。
3カ月後の経営見通しを尋ねると、住宅・宅地分譲業は5.7ポイントで、前回調査の見通しより0.6ポイント低下しています。不動産流通業は-7.3ポイントとなり、前回の見通しより0.5ポイント改善したものの、依然低い予想となりました。ビル賃貸業も-9.1ポイントで、厳しい見方が広がっています。
・住宅・宅地分譲業の詳細動向指数
用地取得件数:-19.4(前回比-16.1ポイント)
モデルルーム来場者数:-18.2(前回比-2.1ポイント)
成約件数:-2.5(前回比-8.8ポイント)
在庫戸数:24.4(前回比+5.6ポイント)
販売価格動向:34.3(前回比+13.1ポイント)
住宅・宅地分譲業業者の詳細な調査指数をみると、用地取得件数については、前回より16.1ポイント下落、-19.4ポイントと低い値になりました。11期連続の低下傾向です。モデルルーム来場者数も減少が続いており、今回は-18.2ポイントに。前回調査と比べてもさらに2.1ポイント下落しました。
成約件数は、前回より8.8ポイントの下落で-2.5ポイントとなり、プラス基調からマイナスに転じています。在庫戸数は前回より5.6ポイント上昇、24.4ポイントとなりました。販売価格の動向では、前回調査より13.1ポイントの上昇と大きく伸び、34.3ポイントにまで到達しています。2012年7月調査から25期連続で上昇回答が下落回答を上回っており、価格の上昇傾向が続いていることがうかがわれました。

【既存マンションなど】
売却依頼件数:-28.1(前回比-4.8ポイント)
購入依頼件数:-31.6(前回比-34.9ポイント)
成約件数:-34.5(前回比-26.0ポイント)
取引価格:6.0(前回比-0.8ポイント)
【既存戸建住宅など】
売却依頼件数:-11.3(前回比+16.4ポイント)
購入依頼件数:-19.4(前回比-13.2ポイント)
成約件数:-22.6(前回比-2.3ポイント)
取引価格:5.8(前回比-0.5ポイント)
【土地】
売却依頼件数:0.0(前回比+20.0ポイント)
購入依頼件数:21.3(前回比+7.5ポイント)
成約件数:-3.3(前回比+4.4ポイント)
取引価格:15.8(前回比+2.0ポイント)
不動産流通業(住宅地)で、各調査詳細項目の動向を指数でみると、既存マンションなどでは、売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数、取引価格のいずれも前回調査時より下落、とくに購入依頼件数は34.9ポイントもの悪化で、マイナスに転じた上、-31.6ポイントという低い値になっています。売却依頼件数、成約件数も-30前後と低く、それぞれ19期連続、17期連続の減少傾向とする見方が多い状況でした。こうした取引流通が低調となる中、価格は22期連続で上昇傾向との見方が強く、6.0ポイントとプラス水準をキープしています。
既存戸建住宅などでは、やはり売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数ともマイナス水準になったものの、前回調査との比較では、売却依頼件数が16.4ポイントアップしました。購入依頼件数、成約件数は前回よりそれぞれ13.2ポイント、2.3ポイント低下し、-20ポイント前後となっています。やはり取引はあまり活発でない状況が続いていますが、価格はマンションと同様に22期連続でプラス水準となり、上昇傾向にあるとの見方が多くなっていました。
土地に関しては、今回売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数、取引価格のすべてで前回調査よりも指数が改善、成約件数のみマイナス水準でしたが、そのほかは売却依頼件数が0.0ポイントとなったのを除き、プラスとなっています。成約はやや改善するも、依然減少傾向との回答が多くなっていますが、購入依頼件数は3期連続で増加傾向との見方が広がるなど、回復の兆しもうかがわれました。取引価格はこちらも22期連続で上昇傾向との見方が多く、今回は15.8ポイントにまでアップしています。
・ビル賃貸業の詳細動向指数
空室状況:3.1(前回比-36.3ポイント)
成約賃料動向:30.0(前回比+11.8ポイント)
ビル賃貸業では、空室状況の指数が前回に比べると36.3ポイント下落し、大幅に低下しましたが、なおプラス水準の3.1ポイントを維持、20期連続で空室は減っているとする見方が多い結果でした。また成約賃料動向は、前回より11.8ポイント上昇、30.0ポイントと高い水準になっています。18期連続の上昇傾向多数ともなっており、引き続き賃料の高さが広く実感されています。
ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!
(画像は土地総合研究所「不動産業業況等調査結果 2018年7月分」公開資料より)
▼外部リンク
一般財団法人土地総合研究所 「不動産業業況等調査結果 2018年7月分」公開資料
http://www.lij.jp/search/gyoukyou/g30-07.pdf
一般財団法人土地総合研究所 ホームページ
http://www.lij.jp/
今回ピックアップするニュースはこちら!
土地総合研究所が最新の不動産関連業業況調査結果を公開
一般財団法人土地総合研究所は28日、四半期ごとに実施している「不動産業業況等調査」の2018年7月1日時点における結果をとりまとめ、公開を開始しました。調査は三大都市圏および地方主要都市で、不動産関連事業を営む企業を対象にアンケートを実施、その結果をもとに分析しており、現在の経営状況と3カ月後の経営見通しについて、「住宅・宅地分譲業」、「不動産流通業(住宅地)」、「ビル賃貸業」の3業種で指数算定を行っています。調査対象となった企業は146社、指数は-100~+100で示され、0が判断の分かれ目となります。
・不動産業業況指数
【現在の経営状況】
住宅・宅地分譲業:17.1(前回比-3.2ポイント)
不動産流通業(住宅地):-1.6(前回比+1.5ポイント)
ビル賃貸業:19.0(前回比-3.0ポイント)
【3カ月後見通し】
住宅・宅地分譲業:5.7(前回比-0.6ポイント)
不動産流通業(住宅地):-7.3(前回比+0.5ポイント)
ビル賃貸業:-9.1(前回比-5.1ポイント)
住宅・宅地分譲業の7月1日現在における経営状況は、前回より3.2ポイント悪化して17.1ポイントとなりました。やや悪化したものの、22期連続でプラス水準を保っています。一方、不動産流通業は前回調査に比較すると1.5ポイント改善しましたが、依然マイナス水準にあり、-1.6ポイントとなっています。これで10期連続のマイナスになりました。ビル賃貸業は19.0と堅調な数値ですが、前回調査時に比べると3.0ポイント悪化しています。
3カ月後の経営見通しを尋ねると、住宅・宅地分譲業は5.7ポイントで、前回調査の見通しより0.6ポイント低下しています。不動産流通業は-7.3ポイントとなり、前回の見通しより0.5ポイント改善したものの、依然低い予想となりました。ビル賃貸業も-9.1ポイントで、厳しい見方が広がっています。
・住宅・宅地分譲業の詳細動向指数
用地取得件数:-19.4(前回比-16.1ポイント)
モデルルーム来場者数:-18.2(前回比-2.1ポイント)
成約件数:-2.5(前回比-8.8ポイント)
在庫戸数:24.4(前回比+5.6ポイント)
販売価格動向:34.3(前回比+13.1ポイント)
住宅・宅地分譲業業者の詳細な調査指数をみると、用地取得件数については、前回より16.1ポイント下落、-19.4ポイントと低い値になりました。11期連続の低下傾向です。モデルルーム来場者数も減少が続いており、今回は-18.2ポイントに。前回調査と比べてもさらに2.1ポイント下落しました。
成約件数は、前回より8.8ポイントの下落で-2.5ポイントとなり、プラス基調からマイナスに転じています。在庫戸数は前回より5.6ポイント上昇、24.4ポイントとなりました。販売価格の動向では、前回調査より13.1ポイントの上昇と大きく伸び、34.3ポイントにまで到達しています。2012年7月調査から25期連続で上昇回答が下落回答を上回っており、価格の上昇傾向が続いていることがうかがわれました。

価格は上昇も流通は土地以外が停滞気味、賃貸空室はさらに減少
・不動産流通業(住宅地)の詳細動向指数【既存マンションなど】
売却依頼件数:-28.1(前回比-4.8ポイント)
購入依頼件数:-31.6(前回比-34.9ポイント)
成約件数:-34.5(前回比-26.0ポイント)
取引価格:6.0(前回比-0.8ポイント)
【既存戸建住宅など】
売却依頼件数:-11.3(前回比+16.4ポイント)
購入依頼件数:-19.4(前回比-13.2ポイント)
成約件数:-22.6(前回比-2.3ポイント)
取引価格:5.8(前回比-0.5ポイント)
【土地】
売却依頼件数:0.0(前回比+20.0ポイント)
購入依頼件数:21.3(前回比+7.5ポイント)
成約件数:-3.3(前回比+4.4ポイント)
取引価格:15.8(前回比+2.0ポイント)
不動産流通業(住宅地)で、各調査詳細項目の動向を指数でみると、既存マンションなどでは、売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数、取引価格のいずれも前回調査時より下落、とくに購入依頼件数は34.9ポイントもの悪化で、マイナスに転じた上、-31.6ポイントという低い値になっています。売却依頼件数、成約件数も-30前後と低く、それぞれ19期連続、17期連続の減少傾向とする見方が多い状況でした。こうした取引流通が低調となる中、価格は22期連続で上昇傾向との見方が強く、6.0ポイントとプラス水準をキープしています。
既存戸建住宅などでは、やはり売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数ともマイナス水準になったものの、前回調査との比較では、売却依頼件数が16.4ポイントアップしました。購入依頼件数、成約件数は前回よりそれぞれ13.2ポイント、2.3ポイント低下し、-20ポイント前後となっています。やはり取引はあまり活発でない状況が続いていますが、価格はマンションと同様に22期連続でプラス水準となり、上昇傾向にあるとの見方が多くなっていました。
土地に関しては、今回売却依頼件数、購入依頼件数、成約件数、取引価格のすべてで前回調査よりも指数が改善、成約件数のみマイナス水準でしたが、そのほかは売却依頼件数が0.0ポイントとなったのを除き、プラスとなっています。成約はやや改善するも、依然減少傾向との回答が多くなっていますが、購入依頼件数は3期連続で増加傾向との見方が広がるなど、回復の兆しもうかがわれました。取引価格はこちらも22期連続で上昇傾向との見方が多く、今回は15.8ポイントにまでアップしています。
・ビル賃貸業の詳細動向指数
空室状況:3.1(前回比-36.3ポイント)
成約賃料動向:30.0(前回比+11.8ポイント)
ビル賃貸業では、空室状況の指数が前回に比べると36.3ポイント下落し、大幅に低下しましたが、なおプラス水準の3.1ポイントを維持、20期連続で空室は減っているとする見方が多い結果でした。また成約賃料動向は、前回より11.8ポイント上昇、30.0ポイントと高い水準になっています。18期連続の上昇傾向多数ともなっており、引き続き賃料の高さが広く実感されています。
ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!
(画像は土地総合研究所「不動産業業況等調査結果 2018年7月分」公開資料より)
▼外部リンク
一般財団法人土地総合研究所 「不動産業業況等調査結果 2018年7月分」公開資料
http://www.lij.jp/search/gyoukyou/g30-07.pdf
一般財団法人土地総合研究所 ホームページ
http://www.lij.jp/
© crasco