クラスコの資産運用

収益物件

【pickupニュース】徐々に回復する不動産投資意欲、COVID-19下の戦略とは

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!

CBREが2回の投資家アンケートから最新の不動産投資戦略を考察
米・ロサンゼルスを本拠地とする事業用不動産サービスおよび投資顧問会社大手・CBREグループの日本法人であるシービーアールイー株式会社(以下、CBRE)は15日、「COVID-19下の不動産投資戦略」レポートを公開しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が不動産投資市場に及ぼした影響について、2回にわたり実施した投資家アンケート結果をまとめ、現状や今後について考察した資料となっています。

調査は、第1回が2020年3月10日~3月31日の期間で行われ、有効回答数95社、第2回が2020年6月9日~6月30日の有効回答数97社でした。対象となった不動産投資家の属性は、アレンジャー、各レンダー(シニアを主とする/メザニンを主とする)、デベロッパー、不動産賃貸、各アセットマネージャー(J-REITを主とする/それ以外を主とする)、エクイティ投資家、その他です。

・市場動向概要
3月以降売買市場で延期またはキャンセルの取引が増加
6月に入り投資活動が徐々に再開
投資家意欲:6月調査で3月調査より改善
投資対象:キャッシュフロー安定性重視、景気変動の影響を受けにくいアセットタイプを選好
2020年第2四半期事業用不動産投資額:7,530億円(前年同期比-22%)
J-REIT・他の国内投資家による投資額が大幅減

COVID-19の感染拡大が意識され始めて以降の主な市場動向としては、まず3月以降に売買市場で延期、またはキャンセルとなる取引が増加し、大きく停滞傾向が現れました。しかし、5月25日に緊急事態宣言が全国で解除されると、6月に入って投資活動が徐々に再開されていきます。

投資家意欲をみても、CBREの6月調査で、3月調査に比べて改善傾向が確認されました。一方、投資対象については、なお先行き不透明な状況もあるため、キャッシュフローの安定性が重視され、景気変動の影響を受けにくいアセットタイプを選好する傾向が続いています。

緊急事態宣言下における取引市場への影響は大きく、2020年第2四半期(4~6月期)の事業用不動産投資額は7,530億円にとどまり、前年同期に比べ22%もの減少となっていました。J-REITやその他国内投資家による投資の額が、前年同期を大きく下回っています。

・感染拡大による取引への影響
【3月調査】
ほとんど影響はない:約58%
影響があった(中止・延期):約23%
影響があった(その他):約19%

【6月調査】
ほとんど影響はない:約47%
影響があった(中止・延期):約37%
影響があった(その他):約16%

感染拡大による取引への影響があったかどうかを尋ねた結果では、3月調査の場合、「ほとんど影響はない」が6割弱で、「影響があった」を上回っていました。また「影響があった」と回答した投資家のうち、「中止・延期」したケースは約23%、「その他」が約19%でした。

ところが6月調査になると、「ほとんど影響はない」が半数を割り込み、「影響があった」が合計で53%となって過半に達します。「影響があった」の内訳における「中止・延期」が約37%で、3月時より14ポイント増加したことが特筆されるでしょう。

緊急事態宣言中の外出自粛要請で思うように取引が進められない状況に追い込まれ、4月から5月に中止や延期を決めた事例が増加した結果と考えられました。

投資方針に変化なしとする投資家が増加、企業では不動産活用の資金調達も増加中
・感染拡大による投資方針への影響
【3月調査】
投資方針は変わらない:約62%
取得額を減額した:約17%
分からない:約21%

【6月調査】
投資方針は変わらない:約75%
取得額を減額した:約13%
分からない:約12%

COVID-19の感染拡大に伴う不動産投資戦略、投資方針への影響を尋ねたところ、3月調査では、感染拡大前に比べ「投資方針は変わらない」とする投資家が約62%と、6割を超えてはいたものの、「取得額を減額した」という回答が約17%、「分からない」も約21%あり、経済活動の停滞と急速に広まる市場不安で、影響を受けたケースが少なからず認められました。

しかし6月調査になると、投資方針は感染拡大前と「変わらない」とする回答が3月より13ポイント増加、全体の約4分の3を占めるまでになっています。これに対し、「取得額を減額した」投資家や、「分からない」とした投資家の割合は、それぞれ約4ポイント、約9ポイント低下しました。

緊急事態宣言の解除などから、市場に落ち着きが戻り始め、これまでの方針による投資活動が再開されていったと考えられます。

・売買市場の最新動向
売り手と買い手の価格目線:これまで以上に乖離が拡大
成約件数:当面限定的な見通し
収益不動産募集価格:高止まり予想

売買市場の動向としては、これまでのCOVID-19の影響を経て、売り手と買い手の価格目線における乖離がさらに広がりました。価格を下げてまで売り急ぐ状況にある売主が少ないことが主な要因とみられ、価格面での合意に至りにくい状況が進行していることから、成約件数は当面少なく抑えられ、低迷すると予想されています。

金融危機の発生とは異なり、ディストレス案件が少なく、やはり価格を下げてでも早期売却をと望む売り手は多くないことから、収益不動産の募集価格も高止まり傾向が続く見通しとなりました。

・投資対象として魅力的なアセットタイプ(6月調査)
物流施設:33%
マンション:32%
オフィス:27%
オルタナティブ:4%
ホテル:3%
商業施設:2%

6月調査で、不動産投資の対象として魅力的なアセットタイプ3つを問うたところ、「物流施設」が最多の33%でトップ、次いで「マンション」が32%、「オフィス」が3位の27%でした。

巣ごもり消費によるECの拡大傾向加速によっても、物流施設ニーズは従前以上に高まっており、投資家の注目も集まっています。

一方、オフィスについては、一時的な停滞がみられても、なお強い引きがあるとみるケースと、テレワークの導入や経営状況から縮小に踏み切る企業が増加するとみるケースが混在するなど、中長期的な需要の見方に違いが出てきており、順位の低下につながったと考えられました。

今回の6月調査で、投資家意欲にはかなりの回復がみられましたが、7月に入っての感染再拡大や、現在もなお収束時期はみえず予断を許さない状況にあることなどから、注目されているアセットについても、市場全体の動向についても、引き続き慎重にみていく必要があるとされています。

また、業績が振るわない中、資金繰り支援を受けるため、不動産を活用した資金調達を検討する企業も増加しているといい、そうした動きを受けての市場動向も、今後注視されるでしょう。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

シービーアールイー株式会社 プレスリリース
https://www.cbre.co.jp/

PAGE TOP