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【pickupニュース】東京23区の大規模オフィスビル供給、21~22年が大幅減

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森トラストが最新のオフィスビル供給量調査結果を公開
森トラスト株式会社は18日、2020年版の「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査」資料をとりまとめ、公開を開始しました。

同社は1986年から、オフィス延床面積1万平米以上の大規模オフィスビルについて、また2013年からは、オフィス延床面積5,000平米以上1万平米未満の中規模オフィスビルも対象に加え、供給動向の調査を行ってきています。なお、最新版として公開された今回の調査は、2019年12月を調査時点とするものになります。

・大規模オフィスビル供給量の推移
2019年:87万平方メートル(23件)
2020年:193万平方メートル(24件)
2021年:52万平方メートル(11件)
2022年:41万平方メートル(13件)
2023年:132万平方メートル(17件)
2024年:36万平方メートル(5件)

・2020年~2024年の平均供給量
年あたり91万平方メートル

まず、東京23区の大規模オフィスビル供給量の推移をみていくと、2019年は23件、87万平方メートルの供給量でした。前年が147万平方メートルと、まとまった供給があったこともあり、過去20年の平均値である、年あたり111万平方メートルを24万平方メートル下回る値になっています。

2020年には大幅に供給量がアップ、24件、193万平方メートルの大量供給になる見通しとされました。過去20年を振り返っても、2003年の221万平方メートルに次ぐ多さです。

しかし2021年になると一転して大幅に減少、反動もあり11件、52万平方メートルに、2022年も続落し、件数は13件に増えるものの、41万平方メートルと、限られた供給になるとみられています。

2023年にはいったん反発し、17件、132万平方メートルまで増加しますが、2024年には再び大きく落ち込み、わずか5件、36万平方メートルの供給にとどまると予測されました。

このように、今後5年の供給量は乱高下する見通しで、平均供給量は年あたり91万平方メートルと、過去20年平均より20万平方メートルダウン、約2割の減少になるとみられています。

・2020年~2024年の大規模ビル規模別供給量と割合
10万平米以上のビル:64%(58万平方メートル)(前5年比+15ポイント)
5万平米以上のビル:16%(15万平方メートル)(前5年比-7ポイント)
5万平米未満のビル:20%(18万平方メートル)(前5年比-8ポイント)

2020年~2024年における供給見込みをビルの規模別で分析すると、10万平米以上のビルが全体の64%を占め、年あたり58万平方メートルの供給になっていました。2015年~2019年の5年と比較すると、割合が15ポイントも増加しています。ビルの大型化が進んでいると考えられます。

5万平米以上のビルは16%で、年あたり15万平方メートルの供給見通しです。5万平米未満は20%、年あたり18万平方メートルとなりました。いずれも前5年間の供給実績に比べ、割合を7~8ポイント減らしています。

2020年~2024年の供給平均面積は、1件あたり6.2万平方メートルとみられていますが、過去20年の平均は1件あたり4.4万平方メートルであり、1件あたり1.8万平方メートルの拡大になっていました。ここからも供給ビルの大型化がみてとれます。

都心3区供給率が増大、中でも港区は顕著
・区別の大規模オフィス供給量
千代田区:21%(97万平方メートル)(前5年比-11ポイント)
中央区:7%(34万平方メートル)(前5年比-9ポイント)
港区:47%(212万平方メートル)(前5年比+26ポイント)
新宿区:4%(19万平方メートル)(前5年比-1ポイント)
渋谷区:5%(23万平方メートル)(前5年比-7ポイント)
品川区:3%(12万平方メートル)(前5年比-5ポイント)
江東区:7%(31万平方メートル)
他16区:6%(26万平方メートル)(前5年比+1ポイント)

2020年~2024年の大規模オフィス供給エリア傾向を分析すると、千代田区、中央区、港区を合計した都心3区が全体の約4分の3、8割弱を占めています。とくに港区は大幅に割合を伸ばしており、2015年~2019年の供給実績に比べると、供給割合は26ポイントも増加していました。

一方、都心3区でも千代田区は、供給割合を11ポイント下げています。都心3区以外では、渋谷区の占有率が減り、1割強から5%にまで低下していました。

・供給量上位10地区
1位 虎ノ門・新橋:26%(119万平方メートル)(前回ランク外)
2位 大手町・丸の内・有楽町:16%(72万平方メートル)(前回1位)
3位 芝浦海岸:7%(33万平方メートル)(前回10位)
4位 豊洲:7%(30万平方メートル)(前回ランク外)
5位 芝・三田:7%(30万平方メートル)(前回ランク外)
6位 八重洲・日本橋・京橋:6%(25万平方メートル)(前回2位)
7位 渋谷:5%(23万平方メートル)(前回4位)
8位 赤坂・六本木:4%(18万平方メートル)(前回5位)
9位 大崎・五反田:3%(12万平方メートル)(前回3位)
10位 四谷・信濃町:2%(11万平方メートル)(前回ランク外)

2020年~2024年の大規模オフィス供給量について、上位10地区をランキング化すると、とくに2023年に大規模な供給が見込まれる「虎ノ門・新橋」が1位で、全体の26%を占めていました。前回の5年間ではトップ10入りしていなかったエリアで、急増していることが分かります。

2位は「大手町・丸の内・有楽町」で、2020年の供給が多く、前回トップから、ワンランクダウンしての2位で16%でした。3位には、やはり2020年の供給量が多い「芝浦海岸」が、前回の109から大きく順位を上げ、7%でトップ3入りを果たしています。

「芝・三田」も5位に入るなど、港区の供給が盛んであることは、このランキングからもうかがわれました。2020年~2024年内における推移では、「大手町・丸の内・有楽町」や「八重洲・日本橋・京橋」といった東京駅周辺エリアの供給は、24年に向けて縮小傾向になっています。

なお、2019年にかけて大きく供給量を伸ばし、存在感を高めてきていた「渋谷」は一段落し、2023年までまとまった供給がみられないため、前回4位から7位の5%にまで順位を下げています。

・開発用地別の供給量
【都心3区】
低・未利用地:50%(172万平方メートル)(前5年比+23ポイント)
建替え:50%(171万平方メートル)(前5年比-23ポイント)

【都心3区以外】
低・未利用地:79%(88万平方メートル)(前5年比+12ポイント)
建替え:21%(23万平方メートル)(前5年比-12ポイント)

開発用地別の大規模オフィス供給動向をみると、都心3区の場合、小規模ビルなどをまとめて開発し高度有効利用を図ったり、駐車場や老朽化した建物などが混在する虫食い状の土地、住宅密集地、工場跡地、鉄道敷地、遊休地など有効活用されていなかった土地を開発したりした「低・未利用地」をもととする供給が増えており、2020年~2024年には50%を占めるまでになるとされています。

2010年~2014年、2015年~2019年と、徐々に「低・未利用地」の占める割合が増加しており、平方メートル数でみた供給量でも堅調に増えてきています。これに対し、オフィスやホテル、住宅など一体利用していた建物を取り壊した「建替え」によるケースは割合を減らしてきています。

都心3区以外の場合では、引き続き「低・未利用地」からの供給が主体で、79%を占める見通しとなりました。2015年~2019年には、いったん67%にまで低下していましたが、再び8割近くを占めるようになっています。

23区のオフィス市場は好調を維持しており、2020年竣工ビルでは9割以上がすでに内定、2021年竣工ビルも過半が消化されるなど、オフィスへの引きは強い状態がキープされています。2022年以降も、供給が集中する2023年を除いて過去平均を下回る限定的供給になることから、新築の大規模オフィス市場は堅調に推移すると予想されました。

既存テナント関連では、新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されますが、現状では入退去とも動きが少なく、様子見の傾向が広がっているようです。一部の大手ゼネコンにみられたような工事中断も一時的なもので、市場への大きな影響はさほどないとみられています。

今後については、感染症対策や働き方の変化に合わせ、柔軟に、時代のニーズに合ったリアル空間の価値をいかに高めていけるかが、運用のポイントになってくると指摘されました。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

森トラスト株式会社 プレスリリース一覧
「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査 2020」
https://www.mori-trust.co.jp/pressrelease/index.html

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