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【pickupニュース】20年Q1日本の投資額は1兆円、海外投資家取得額が大幅に増加

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CBREが最新の投資市場動向を発表
不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーとして事業を展開する、CBREグループの日本法人、シービーアールイー株式会社は14日、2020年第1四半期における投資市場動向と、第67回「不動産投資に関するアンケート(期待利回り)」の結果をまとめた資料を公開しました。

・世界の投資市場動向概況
世界事業用不動産投資額:2,350億ドル(前年同期比+15%)
【地域別】
米州:1,210億ドル(前年同期比+8%)
EMEA:920億ドル(前年同期比+46%)
APAC:230億ドル(前年同期比-22%)

2020年第1四半期における世界の事業用不動産投資額は、前年同期より15%増加して2,350億ドル、日本円で約26兆円となりました。前年下期から増加していた企業買収の動きが、今期に入り多く成約となったことが背景にあります。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、3月より投資活動に停滞傾向がみられてきています。

地域別では、米州が前年同期より8%増加し、1,210億ドル、約13兆円となりました。前年に株価が好調だったREITによる旺盛な投資が伸長を支え、好調な推移となっています。欧州・中東・アフリカ地域のEMEAは、第1四半期の投資額としては過去最高にあたる920億ドル、日本円で約10兆円を記録しました。前年同期比では46%もの増加になっています。5,000億ドルを超える大型の企業買収があり、これが全投資額の25%を占めたと報告されています。

一方、好調を続けてきたアジア太平洋地域のAPACは、今期230億ドルで、前年同期より22%の減少となりました。中国や香港、オーストラリアといった成長牽引役地域の投資額減少が響いています。

3月から影響がみられ始めた新型コロナウイルス関連の動きは、今後本格的に打撃となって表面化するとみられ、次回の第2四半期における投資額は、全地域で抑制的となる可能性が高いとされました。

ただし、中国など流行が先行した地域、アジアの一部の国では、すでに企業活動が正常化・活発化する動きもみられつつあるため、APACで他地域に先んじた投資意欲と投資額の回復がみられる可能性もあります。いずれにしても、市場動向には十分注視していく必要があるでしょう。

・日本の投資市場動向概況
事業用不動産投資額:1兆円(前年同期比+41%)
投資主体別投資額割合トップ:J-REIT(42%)
【投資額内訳】
J-REIT:4,460億円(前年同期比横ばい)
J-REIT以外の国内投資家:3,350億円(前年同期比+32%)
海外投資家:2,940億円(前年同期比約4倍)

10億円以上の取引を対象とし、土地取引やJ-REITのIPO時における取得物件は除いて算定した2020年第1四半期の、日本における事業用不動産投資額は、合計で1兆円となり、前年同期より41%増加していました。主に、海外投資家による取得額の増加がプラス要因となっています。

投資主体別の投資額割合で最も大きかったのはJ-REITで、全体の42%を占めていました。投資額としてみると、J-REITは前年同期から横ばいの4,460億円、J-REIT以外の国内投資家は、前年同期より32%増加し、3,350億円となっていました。また、海外投資家は2,940億円で、前年同期に比べると4倍近い値になっています。

今後は一時的な投資額減、収益安定性重視の投資家も増加か
・東京投資家期待利回り(平均値)
オフィス(大手町):3.20~3.50%(3.35%)
賃貸マンション(都心5区/ワンルーム):4.00~4.30%(4.15%)
賃貸マンション(東京城南・城西/ファミリー):4.00~4.50%(4.25%)
商業施設(銀座中央通り):3.20~3.60%(3.40%)
ホテル(都心5区):4.50~4.90%(4.70%)
物流施設(首都圏湾岸部/MT型):4.10~4.50%(4.30%)

CBREが四半期ごとに実施している「不動産投資に関するアンケート(期待利回り)」は、今回、2020年3月10日~3月31日の期間、電子メール送付により行われ、151人(148社)を対象として依頼、122人(120社)から有効回答を得ました。

それによると、東京の投資家期待利回りは、前期に比べ、都心5区のホテル、銀座中央通りの商業施設、都心5区・ワンルームの賃貸マンションが5bps以上の上昇となりました。とくにホテルは20bpsの上昇で、平均値4.70%となり、高い期待利回りになっています。

ホテルはこれで2期連続の上昇となり、この調査で東京主要アセットの期待利回りが2期連続上昇になったのは、2009年以来、およそ10年ぶりのことであるとも報告されています。

なお、その他のオフィス、ファミリー向けの賃貸マンション、物流施設は、前期比横ばいとなりました。

・CBRE短観指数
【オフィス(都区部・Aクラスビル)】
不動産取引量:-27(-12)
売買取引価格:-3(-30)
NOI:3(-30)
期待利回り:-12(-23)
金融機関の貸出態度:13(-20)
投融資取り組みスタンス:14(-15)

【物流施設(首都圏・MT型)】
不動産取引量:3(-11)
売買取引価格:21(-11)
賃料:21(-6)
空室率:9(-1)
期待利回り:6(-14)
金融機関の貸出態度:18(-11)
投融資取り組みスタンス:19(-11)

2020年3月時点のCBRE短観指数(DI)は、東京都区部Aクラスビルのオフィスで、全項目がマイナス、悪化傾向となりました。悪化幅もすべて2桁台になっています。3カ月前と比較した売買取引価格は30ポイント以上、下落との判断が増え、マイナス水準に転落、-3となりました。

取引量の減少もさらに深刻化、-27となったほか、NOIはかろうじて+の3を維持したものの、減少との見方が増え、前期比では30ポイントのマイナスになっています。期待利回りは上昇、金融機関の貸出態度も厳しくなり、投融資の取り組みスタンスは促進から抑制に振れる傾向が進行しました。

首都圏マルチテナント型の物流施設においても、空室率を除く全項目が悪化傾向になり、賃料もわずかながら下落判断が増えました。マイナス水準が目立ったオフィスに比較すると、全項目がなおプラス水準を保っており、市況感に大きな変化はみられませんでしたが、やや停滞・減衰している様相もうかがわれました。

・トレンド状況と今後
渡航規制と自粛で海外投資家の来日困難、取引延期の事例が増加
ホテル/リテールでは中止案件も
4月に財務基盤強化のキャッシュ確保を目的とする売却案件確認
先行き不透明で売主・買主の価格目線は乖離しやすい状況
投資意欲はなお高く、取得額を減らす意向の投資家は3月下旬でも2割弱
感染拡大収束の兆しで再び投資額は増加の見込み

注目されるトレンドとしては、やはり新型コロナウイルス感染拡大による、各方面への影響が目立ちました。まず渡航規制や自粛により、海外投資家が物件視察のために来日するといったことが難しくなり、取引を延期する事例が増加しています。ホテルやリテールの部門では、中止案件も散見されました。

4月には、財務基盤強化のためのキャッシュ確保を目的とした売却案件が一部にみられたことも報告されています。しかし、感染拡大の収束・今後が不透明な状況下では、売主と買主の価格目線が乖離しやすいため、実際の取引成立には時間を要すると考えられています。影響の現れは中長期的にみていく必要があるでしょう。

こうした状況にあるものの、「CBRE投資家意識調査2020」によると、投資家の投資意欲はなお高く、新型コロナウイルスの影響で「取得額を減らす」と回答した投資家は、3月下旬でも2割弱にとどまっていたとされます。

業績の急速な悪化から、ノンコアアセットの売却や、セールス・アンド・リースバックの検討を行う企業が増えることは避けられないと予想されますが、こうしたケースにこそ投資機会を見出す投資家も国内金融機関を中心に存在しており、感染拡大収束の兆しがみえてくれば、再び全体の投資額も増加へ向かうものと考えられています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

シービーアールイー株式会社 プレスリリース
https://www.cbre.co.jp/

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