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【pickupニュース】20年10月の都心5区ビル、空室率が8カ月連続の上昇に

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三鬼商事が最新のオフィスマーケットレポートを公開
三鬼商事株式会社(以下、三鬼商事)は12日、2020年10月の全国主要都市におけるオフィスビルの最新市況調査結果をまとめた「オフィスマーケットレポート」の公開を開始しました。東京ビジネス地区のほか、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡の各エリアにおける市況データをみることができます。

この調査が対象とする東京ビジネス地区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区からなる都心5区を指します。対象ビルは、同エリア内に存在する基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルで、該当物件のテナント入居状況や募集条件動向がまとめられています。

なお、その他調査用語の定義は下記のようになっています。

・調査用語定義
新築ビル:調査月を含め過去12カ月間に竣工したビル
既存ビル:調査月の12カ月前までに竣工したビル

今回の調査における東京ビジネス地区新築ビルの対象数は26棟、既存ビルは2,580棟で、全体合計は2,606棟でした。

・東京ビジネス地区の空室率動向
全体平均:3.93%(前月比+0.50ポイント、前年同月比+2.30ポイント)
新築ビル:2.13%(前月比-0.18ポイント、前年同月比-4.23ポイント)
既存ビル:3.99%(前月比+0.52ポイント、前年同月比+2.44ポイント)

東京ビジネス地区における2020年10月時点のオフィスビル平均空室率は3.93%でした。前月より0.50ポイント、前年同月より2.30ポイント悪化しています。2020年2月に記録した1.49%というごく低い空室率を底に上昇傾向が続いており、今回で8カ月連続の上昇になりました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響が発現して以降、企業の収益悪化やテレワーク導入によるオフィス戦略の見直しなどが進み、ニーズに明らかな変化がみられています。

10月は館内縮小などに伴う解約が相次いだほか、成約の動きが限定的であったため、東京ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間で約39,000坪増加、空室率の上昇を招きました。

新築ビルの空室率は2.13%で、前月より0.18ポイント、前年同月より4.23ポイント低下しました。まとまった低下傾向はストップし、小幅な上下変動を繰り返している状況ですが、10月は竣工1年未満のビルに成約があり、2カ月連続の改善で7月の水準にまで戻しています。

一方、既存ビルの空室率は3.99%となりました。4%が目前に迫り、前月より0.52ポイント、前年同月より2.44ポイント上昇しています。昨年末から今年初めにかけては1.5%未満の低水準で品薄感が強い状況でしたが、直近では空室率の上昇が続いています。今回はオフィスの集約や縮小の動きによる解約がみられ、空室率を押し上げたと報告されました。

高騰した賃料も3カ月連続の低下に
・東京ビジネス地区の賃料動向
全体平均:月額坪あたり22,434円(前月比-299円、前年同月比+424円)
新築ビル:月額坪あたり32,735円(前月比-188円、前年同月比+3,865円)
既存ビル:月額坪あたり22,230円(前月比-285円、前年同月比+398円)

2020年10月における東京ビジネス地区オフィスビルの募集賃料は、全体平均、共益費・消費税を除いた額で、月額坪あたり22,434円となりました。前月より299円、率にして1.32%下落しています。前年同月比では424円、率にして1.93%の上昇を保っていますが、前月比では3カ月連続の低下になりました。

緩やかな上昇傾向を維持し、2020年7月には23,000円を突破した平均賃料ですが、空室率の上昇も背景に緩やかな低下傾向がみられます。

新築ビルの募集賃料も、月額坪あたり32,735円となり、前月より188円下落しました。前年同月に比べると3,865円の上昇と、なお大幅アップの水準にありますが、高騰傾向に変化が生じてきているとみられます。

既存ビルは月額坪あたり22,230円で、こちらも前月比で285円の下落、前年同月比では398円の上昇でした。大幅な低下にはいたっていないものの、緩やかに低下し、年初の水準に近づいています。

・地区別の動向
【平均空室率】
千代田区:2.67%(前月比+0.29ポイント、前年同月比+1.32ポイント)
中央区:3.73%(前月比+0.62ポイント、前年同月比+2.45ポイント)
港区:4.84%(前月比+0.51ポイント、前年同月比+2.87ポイント)
新宿区:4.12%(前月比+0.71ポイント、前年同月比+2.27ポイント)
渋谷区:5.14%(前月比+0.66ポイント、前年同月比+3.26ポイント)

【平均賃料】
千代田区:月額坪あたり23,892円(前月比-321円、前年同月比-210円)
中央区:月額坪あたり20,184円(前月比-76円、前年同月比-14円)
港区:月額坪あたり22,806円(前月比-426円、前年同月比+889円)
新宿区:月額坪あたり20,151円(前月比-300円、前年同月比+522円)
渋谷区:月額坪あたり24,635円(前月比-178円、前年同月比-195円)

東京ビジネス地区の動向を地区ごとに分析すると、空室率では全ての区が前月比、前年同月比とも上昇していました。最も低いのは千代田区の2.67%、最も高いのが渋谷区の5.14%です。前月からの悪化幅では、新宿区が最も大きく、0.71ポイントとややまとまった上昇でした。全体に空室率の上昇傾向が顕著になってきています。

平均賃料については、やはり全ての区で前月比が下落となっていました。前年同月比では港区と新宿区が上昇を維持、残る3区の千代田区、中央区、渋谷区は下落になっています。最も高水準なのは渋谷区で、月額坪あたり24,635円でした。

中央区は新宿区に次ぐ安さですが、前月からの下落幅は最も小さく、前年同月比でもマイナス幅はごくわずかで、他のエリアに比べ変動が少ない傾向となっています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は三鬼商事「オフィスマーケットレポート 東京ビジネス地区 2020年10月」公開資料より)


▼外部リンク

三鬼商事株式会社 「オフィスマーケットレポート」データ提供ページ 東京ビジネス地区
https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html

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