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【pickupニュース】20年8月の都心5区ビル賃料、80カ月ぶりに上昇ストップ

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三鬼商事が最新のオフィスマーケットデータを公開
三鬼商事株式会社は10日、全国主要都市におけるオフィスビルの最新市況調査結果をまとめた「オフィスレポート」の公開を開始しました。2020年8月分のデータを対象とするもので、東京ビジネス地区のほか、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡の市場動向をみることができます。

ここでいう東京ビジネス地区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区を指し、この地域にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルが調査対象ビルになっています。

・調査用語定義
新築ビル:調査月を含め、過去12カ月間に竣工したビル
既存ビル:調査月の12カ月前までに竣工したビル

新築ビル、既存ビルの別は、上記の定義で行うものとし、今回の対象ビルは、新築ビルに該当するものが28棟、既存ビルが2,578棟で、合計2,606棟でした。

・東京ビジネス地区オフィスビルの空室率動向
平均:3.07%(前月比+0.30ポイント、前年同月比+1.36ポイント)
新築ビル:2.46%(前月比+0.33ポイント、前年同月比-5.18ポイント)
既存ビル:3.09%(前月比+0.30ポイント、前年同月比+1.50ポイント)

2020年8月の東京ビジネス地区における平均空室率は3.07%で、前月より0.30ポイント上昇し、3%台に突入しました。3%台は、実に30カ月ぶりのこととなります。前年同月に比較すると、1.36ポイントの悪化でした。

今年の前半まで、1%台のごく低い空室率を記録していた東京ビジネス地区のオフィスビルは、2020年2月の1.49%を底に上昇傾向となっています。8月は縮小に伴う解約の影響がみられたほか、成約の動きが小規模で、全体の空室面積がこの1カ月間に約24,000坪増加、空室率の上昇となりました。

新築ビルの空室率は2.46%で、前月より0.33ポイント悪化しましたが、前年同月比では5.18ポイントの低下を維持しています。新築ビル2棟がやや募集面積を残して竣工を迎えたため、前月に比べて上昇しました。

既存ビルの空室率は3.09%で、前月より0.30ポイント、前年同月より1.50ポイント悪化しています。大型の解約はみられなかったものの、縮小などに伴う中小規模の解約の動きが相次ぎ、空室率を押し上げる結果となりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響も背景にあるとみられます。

空室率が全区で悪化、1%台エリアはみられず
・東京ビジネス地区オフィスビルの賃料動向
平均:月額坪あたり22,822円(前月比-192円、前年同月比+1,038円)
新築ビル:月額坪あたり33,235円(前月比+281円、前年同月比+3,316円)
既存ビル:月額坪あたり22,588円(前月比-188円、前年同月比+1,055円)

2020年8月の東京ビジネス地区オフィスビルにおける平均賃料は、共益費を含まない値で、月額坪あたり22,822円となり、前月より192円、率にして0.83%の下落になりました。前年同月比では1,038円、率にして4.76%の上昇ですが、前月比がマイナスになり、2014年1月から続いていた賃料上昇傾向が、ついに80カ月ぶりのストップとなっています。

一方、新築ビルに限定すると、月額坪あたり33,235円で、33,000円台に突入し、前月より281円、率にして0.85%上昇、前年同月より3,316円、率にして11.08%上昇しました。こちらの高騰傾向はなお続いており、緩やかな上昇基調を維持しています。

既存ビルは月額坪あたり22,588円で、前月より188円、率にして0.83%下落しました。前年同月比では1,055円、率にして4.90%の上昇となっています。空室率の上昇もあり、長く続いた強気の賃料上昇傾向が頭打ちになってきているとみられました。

・エリア別動向
【平均空室率】
千代田区:2.00%(前月比+0.07ポイント、前年同月比+0.61ポイント)
中央区:2.68%(前月比+0.42ポイント、前年同月比+1.24ポイント)
港区:3.92%(前月比+0.40ポイント、前年同月比+1.75ポイント)
新宿区:3.16%(前月比+0.29ポイント、前年同月比+1.20ポイント)
渋谷区:4.31%(前月比+0.46ポイント、前年同月比+2.95ポイント)

【平均賃料】
千代田区:月額坪あたり24,347円(前月比-250円、前年同月比+515円)
中央区:月額坪あたり20,311円(前月比-208円、前年同月比+405円)
港区:月額坪あたり23,359円(前月比-180円、前年同月比+1,565円)
新宿区:月額坪あたり20,466円(前月比-130円、前年同月比+825円)
渋谷区:月額坪あたり24,904円(前月比-144円、前年同月比+395円)

東京ビジネス地区のオフィス市場動向を区別に分析すると、空室率は5区すべてで前月比・前年同月比とも悪化し、最も低い千代田区でも2.00%と、1%台がみられなくなっていました。

上昇幅が最も大きかったのは渋谷区で、前月比で0.46ポイント、前年同月比で2.95ポイント上昇し、4.31%と唯一4%台になっています。港区や中央区でも、前月比で0.4ポイント台の上昇がみられ、それぞれ3.92%、2.68%となりました。

平均賃料については、5区すべてが前月比で下落、前年同月比では上昇となっています。前月比で最も下げたのは千代田区で、坪あたり250円下落、24,347円となりました。5区中、最も高い水準にあるのは渋谷区で、月額坪あたり24,904円ですが、前月比では144円下落、前年同月比は395円の上昇でした。前年同月比における上昇幅では、最小となっています。

前年同月比の上昇幅で、唯一1,000円超えを維持したのは港区で、前月比で180円の下落、前年同月に比べ1,565円上昇の月額坪あたり23,359円でした。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は三鬼商事株式会社「最新オフィスビル市況 東京ビジネス地区 2020年9月号」公開資料より)


▼外部リンク

三鬼商事株式会社 オフィスマーケットデータ 東京ビジネス地区
https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html

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