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【pickupニュース】グローバル不動産透明度、日本は16位

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JLLが2年に1度の透明度調査結果を発表
総合不動産サービス大手のJLLおよびラサール インベストメント マネージメントは10日、「2020年版グローバル不動産透明度インデックス」の発表を行いました。JLLの日本法人である、ジョーンズ ラング ラサール株式会社からも発表がなされています。

この「不動産透明度インデックス」は、JLLらが世界99カ国・163都市の不動産市場に関する情報を収集し、各市場の透明度を数値化して示す独自の調査レポートで、2年に1度発行されており、今回が11版目となります。

従来の指標に加え、「サステナビリティ」、「レジリエンス」、「健康とウェルネス」、「不動産テック」、「オルタナティブ不動産」に関する14項目が含まれるものとなり、合計210項目での調査・評価がなされました。

スコアは1~5の範囲で採点され、満点の「1.00」となった国・市場が最も透明度が高く、反対に「5.00」は最も透明度が低い国・市場とされたことになります。なおこの調査では、アラブ首長国連邦・アブダビは、欧州・中東・北アフリカ(EMEA)に含まれています。

・グローバル不動産透明度総合ランキング
1位 英国:1.31(前回1位)
2位 米国:1.35(前回3位)
3位 オーストラリア:1.39(前回2位)
4位 フランス:1.44
5位 カナダ:1.51
6位 ニュージーランド:1.67
7位 オランダ:1.67
8位 アイルランド:1.83
9位 スウェーデン:1.89
10位 ドイツ:1.93
11位 スイス:1.96
12位 フィンランド:1.98
13位 ベルギー:1.99
14位 シンガポール:2.00
15位 香港:2.03
16位 日本:2.03(前回14位)
【ワースト5】
95位 タンザニア:4.54
96位 ドミニカ共和国:4.54
97位 イラク:4.6
98位 エチオピア:4.64
99位 リビア:4.73

2020年版のグローバル不動産透明度、総合ランキングでは、英国が1.31のスコアでトップに輝きました。前回の2018年版に続く1位となります。2位は、前回3位だった米国で1.35、3位が前回2位のオーストラリアで1.39でした。2位と3位に入れ替わりがみられたものの、英語圏で独占されるトップ3の顔ぶれに変化はありません。

一方、続く4位にはフランスがランクイン、9位にスウェーデン、10位にドイツが入るなど、ヨーロッパの非英語圏も透明度「高」の上位に目立ちました。

トップ10にランクインした国々は、不動産テックや新しいデータソース、サステナビリティへの取り組み、反マネーロンダリング規制、オルタナティブセクターといった新しい領域での調査がなされたことにより、透明度評価が向上しています。

日本は16位のスコア2.03で、前回調査における14位、スコア1.98からやや後退しましたが、透明度「中高」の上位に位置し、アジア太平洋地域では、シンガポール、香港とともに高い評価を獲得、牽引役を担うものとされました。

日本は、CASBEEなどのグリーン認証システムや、建築物省エネルギー性能表示制度などにより、サステナビリティでの透明度は高評価となったものの、不動産テックの採用面に遅れが認められ、他の透明度「高」・「中高」評価を受けた国々より低い評価となっています。

透明度「低」とされたランキングの下位には、リビアの4.73、エチオピアの4.64など、アフリカ地域が目立ったほか、中南米、中東諸国が多く見受けられました。

透明度スコアの改善傾向は鈍化も、アジア太平洋地域は改善幅大の市場が多め
・不動産透明度スコアの改善傾向
2004~2006:4.1%
2006~2008:2.2%
2008~2010:0.7%
2010~2012:2.3%
2012~2014:2.2%
2014~2016:2.0%
2016~2018:2.1%
2018~2020:1.1%

2004年以降の不動産透明度スコア変化について、中央値を算出し改善傾向をみていくと、2004年から2006年では4.1%の改善がみられていましたが、以降はおよそ2%強で推移、今回が1.1%となりました。世界金融危機以降の過去10年間で、最も低い改善水準になります。

透明度スコアの改善がみられた地域としては、全体の70%が該当したものの、いくつかの市場が退行したことで改善傾向が前回よりも鈍化したと報告されています。継続的な透明度の向上が難しくなっているとみられますが、投資家や企業、消費者のニーズに応えた不動産透明度の幅広い改善はなお急務でしょう。

・透明度が最も向上した市場
アラブ首長国連邦・アブダビ:3.10(スコア変化・約0.20)
インド:2.69
アイルランド:1.83
ベルギー:1.99
タイ:2.64
ベトナム:3.38
フィリピン:2.91
インドネシア:2.86
中国・上海/北京:2.59
コスタリカ:3.64

2018年から2020年にかけて、透明度が最も向上した市場は、アラブ首長国連邦・アブダビで、約0.20ポイントのスコア改善で3.10となっていました。政府による企業や不動産のサステナビリティ改善に向けた取り組みが、スコアの上昇につながっています。

2位はインド、3位がアイルランド、4位ベルギー、5位タイなどと続きました。トップ10のうち6カ国はアジア太平洋地域に属しており、同地域の透明度改善傾向が目立ちました。インドでは、REITの枠組みや、インド・グリーンビルディング評議会、GRIHAなどでの改善が評価されています。

・日本のサブインデックス別順位
パフォーマンス測定:7位(1.68)
規制と法制度:10位(1.55)
サステナビリティ:9位(2.82)
市場ファンダメンタルズ:20位圏外
上場法人のガバナンス:20位圏外
取引プロセス:20位圏外

日本の評価について、サブインデックス別でみていくと、不動産リターンや鑑定評価などに関する「パフォーマンス測定」が最高位の7位で、スコア1.68と高かったほか、不動産市場の「規制と法制度」が10位、環境不動産などの「サステナビリティ」で9位と、3項目でトップ10入りを果たしていました。

一方、オルタナティブ不動産を含むデータ整備関連の「市場ファンダメンタルズ」、財務情報や個別物件の開示など「上場法人のガバナンス」、実際の不動産取引や商慣習における「取引プロセス」では、これまでと同様に20位圏外となお低く、改善が必要とされています。

・日本の都市別不動産透明度
東京:56位
大阪:63位
福岡:64位
名古屋:66位

都市別の不動産透明度で、対象となった日本の都市の結果をみると、東京が最高位の56位、次ぐ大阪が63位、福岡が64位で名古屋は66位でした。

東京とそれ以外の3都市では、主に市場データへのアクセスにおける差が大きく、東京を対象とした時系列やセクター別のデータは多いものの、それ以外の都市ではデータが限定的で透明度が低いとされました。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はJLL「2020年版グローバル不動産透明度」公開資料より)


▼外部リンク

ジョーンズ ラング ラサール株式会社 プレスリリース
https://www.joneslanglasalle.co.jp/

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