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【pickupニュース】20年Q2、銀座などトッププライムリテールに賃料下落傾向

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C&Wが「マーケットビート」レポートを公開
グローバルに不動産総合サービスを展開するクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield K.K.)の日本法人は20日、2020年第2四半期の不動産市場レポート「日本リテール・マーケットビート」の公開を開始しました。

このレポートは、四半期ごとの市場パターンを分析しつつ、これからの市場パフォーマンスにおける予測情報を提供するものです。

・主な経済状況
春期小売業販売額:前年同期比-10.2%
 各種商品:前年同期比-32.5%
 織物・衣服・身の回り品:前年同期比-37.1%
 医薬品・化粧品:前年同期比+0.5%

【全国百貨店売上高総額】
3月:前年同月比-33.4%
4月:前年同月比-72.8%
5月:前年同月比-65.6%

2020年の3~5月期における小売業販売額は、速報値で前年同期比10.2%の減少と、大きく落ち込みました。外国訪日客数の急激な減少に加え、4月7日~5月25日に発令となった緊急事態宣言の影響など、新型コロナウイルス関連のマイナス要因が強く働いたと考えられます。10%を超える落ち込みを記録するのは、1998年3月の消費増税駆け込み需要後の反動減以来で、近年稀にみる変動となりました。

内訳では、各種商品が前年同期比で32.5%、織物・衣服・身の回り品が37.1%、それぞれ減少するなど、非生活必需品販売がとくに低調になっています。急速な経済の冷え込みは、不動産市場にも強い影響を与える可能性があるでしょう。

全国百貨店売上高総額も、3月が前年同月比で33.4%の減少、4月には72.8%の減少、5月で65.6%の減少と、臨時休業の影響もあり、大きな打撃を被るところとなりました。

分野特性から、販売額成長が安定していた医薬品・化粧品も、今期はあまり伸びず、前年同期比で0.5%の増加と、ほぼ前年並みに戻っています。

5月末に緊急事態宣言が解除されて以降、徐々に経済活動が再開され、店舗営業もリスタート、人の波も戻ってきていますが、第2波到来の懸念も現実的にみえてきた今、大きく落ち込んだ個人消費や経済の回復はまだ遠いものと予想され、市場はさらに先行き不透明な状況となってきています。

新型コロナがインバウンド主導路面店マーケットを直撃、プライム賃料下落傾向へ
・主要エリアの人流(6月28日15時)
銀座:前年比-42%
新宿:前年比-40%
渋谷:前年比-32%
大阪難波:前年比-28%

緊急事態宣言発令下での営業自粛・休業状況から、6月に入って多くの店舗が営業を再開したものの、訪日外国人の存在がほぼないほか、国内での人出回復も鈍い状況が続いています。

主要エリアの人の流れを、NTTドコモのデータからみると、訪日外国人を除き、6月28日15時時点で、銀座が前年より42%の減少、新宿で40%、渋谷が32%、大阪難波も28%の減少となっていました。回復は6~7割にとどまっています。

訪日外国人については、入国制限の影響から4月、5月、6月と前年比99.9%減といった状況が続いており、インバウンド主導の路面店マーケットにおいては、きわめて厳しい環境となりました。

・プライムリテール賃料
銀座:月額坪あたり38万円(前年同期比-5%)
新宿:月額坪あたり32万円(前年同期比横ばい)
表参道:月額坪あたり30万円(前年同期比横ばい)
渋谷:月額坪あたり20万円(前年同期比横ばい)
心斎橋:前年同期比-16.70%
栄、京都四条通、神戸三宮、札幌、仙台:いずれも下落

・今後12カ月の予測
銀座:ほぼ横ばい
新宿:下落
表参道:下落
渋谷:ほぼ横ばい

2020年第2四半期におけるプライムリテールの賃料は、銀座が月額坪あたり38万円で、国内では最も高い水準ながら、前年同期比で5%の下落となりました。今後12カ月の予測では、ほぼこれ以降横ばいとみられていますが、ついに賃料下落となったことで市場の転換点となる可能性が出てきています。

新宿は月額坪あたり32万円で横ばい、表参道が30万円、渋谷が20万円でいずれも横ばいを維持しました。しかし、新宿と表参道では、今後12カ月予測で賃料下落が生じるとみられています。渋谷はほぼ横ばいの予想ですが、池袋などこれ以外の主要マーケットにおける賃料下落も予測されており、注視が必要でしょう。

心斎橋は前期に引き続き下落し、前年同期比で16.7%ものダウンとなりました。名古屋の栄、京都四条通、神戸三宮、札幌、仙台においても、プライム賃料の下落が報告されています。

・主な新施設
ウィズ原宿:約7,600平方メートル(6月・原宿)
新風館:約23,000平方メートル(6月・京都)
有明ガーデン:約33,200平方メートル(6月・有明)
ニュウマン横浜:約13,000平方メートル(6月・横浜)

東京五輪の1年延期が決まった現在ですが、もともとこの一大国際イベントに向けて開業を目指していた施設は、6月に相次いでオープンとなりました。IKEAの都市型店舗が国内初出店した「ウィズ原宿」の約7,600平方メートルや、京都の洋館を活用した「新風館」の約23,000平方メートル、約33,200平方メートルの広さを誇る「有明ガーデン」などが、いずれも6月に開業しています。横浜では「ニュウマン横浜」が誕生しました。

ほかに新駅と直結した「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」も注目を集めた新規施設です。新型コロナウイルスの感染症対策を施した店舗づくりの工夫が始まっており、今後の店舗戦略、テナント戦略、新たな小売形態の開発動向にも関心が高まっているといえるでしょう。

なお全体的な傾向としては、都心で在宅勤務の継続や外出回避で復調の鈍さが目立つ一方、郊外は回復が予想以上に早いとも報告されました。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はC&W「MARKETBEAT 日本リテール Q2 2020」公開資料より)


▼外部リンク

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社 「2020年第2四半期日本リテール マーケットビート」
https://www.cushmanwakefield.com/

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