クラスコの資産運用

収益物件

【pickupニュース】高齢者世帯バリアフリー化は約4割、築古空き家がさらに増加中

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!

総務省による住宅の構造などに関する調査結果が判明
総務省は1月31日、「平成30年住宅・土地統計調査」として実施した「住宅の構造等に関する集計」結果を確定値としてとりまとめ、公開を開始しました。

この調査は、住生活に関連する諸政策の基礎資料とすべく、国内一般生活者を取り巻く住環境や、その現住居、住宅など不動産の保有状況と住生活の実態を調べるもので、1948年から5年ごとに実施されており、今回で15回目となっています。

調査時期は2018年10月1日現在、対象を約22万調査区の約370万住戸・世帯とし、すでに住宅数の概数集計結果や住宅・世帯に関する基本集計結果部分の公表がなされています。今回新たに公開となった「住宅の構造等に関する集計」は、持ち家のリフォーム工事など住宅構造に関する項目、住まいから最寄りの生活関連施設までの距離などに関する項目、空き家についてといった項目が含まれ、それぞれについて地域別などでの集計・分析が行われているものです。

・高齢者のいる世帯におけるバリアフリー化について
世帯総数:2,253万4,000世帯
バリアフリー化率:42.4%(2013年比+1.2ポイント)
一定のバリアフリー化:955万6,000世帯
高度のバリアフリー化:198万8,000世帯

65歳以上の高齢者がいる世帯は、調査対象者中2,253万4,000世帯で、このうち2カ所以上の手すりの設置や段差のない屋内があるといった一定のバリアフリー化が図られている住宅は955万6,000世帯、率にして42.4%となっていました。2013年時に比較すると、1.2ポイント上昇しましたが、微増にとどまっています。

このうち、廊下などが車椅子で通行可能な幅になっているといった、より高度なバリアフリー化住宅と認められる住居に住む世帯は、198万8,000世帯で、高齢者のいる世帯総数の8.8%でした。2013年より0.3ポイント増えています。

なお建築時期別では、一定のバリアフリー化がなされた住宅の割合でみると、2000年代以降で7割程度となり、直近の2016年~2018年9月築住宅で、72.0%と最も高くなっていました。逆に1981年~1990年に建築された住宅では、バリアフリー化率が最も低く、33.8%にとどまっています。

・増改築/改修の実施状況
実施した:901万4,000戸(27.5%)
実施していない:2,378万7,000戸(72.5%)

【実施内容】
増築・間取りの変更:94万3,000戸(2.9%)
台所・トイレ・浴室・洗面所の改修工事:492万9,000戸(15.0%)
天井・壁・床など内装の改修工事:237万8,000戸(7.2%)
屋根・外壁などの改修工事:364万7,000戸(11.1%)
壁・柱・基礎などの補強工事:46万5,000戸(1.4%)
窓・壁などの断熱・結露防止工事:71万9,000戸(2.2%)
その他:343万3,000戸(10.5%)

【家計を支える年齢別実施割合】
25歳未満:14.3%
25~34歳:13.3%
35~44歳:14.2%
45~54歳:20.1%
55~64歳:29.6%
65歳以上:34.8%

2014年以降に住宅の増改築・改修工事を行ったかどうか調査した結果では、持ち家世帯のうち、実施したケースが901万4,000戸で、全体の27.5%となっていました。具体的な実施内容では、「台所・トイレ・浴室・洗面所の改修工事」が最多で15.0%となり、やはり劣化が気になりやすい水まわりの改修工事が多くなっていることが分かります。

次いで「屋根・外壁などの改修工事」が11.1%、その他を除くと、「天井・壁・床など内装の改修工事」が7.2%で続きます。

家計を主に支える人の年齢別で、増改築・改修工事の実施割合をみると、44歳以下は、14%前後にとどまり、あまり高くありませんが、45歳以上で2割に増加、55~64歳で約3割となり、65歳以上では34.8%となっていました。

経年化住宅の相続・贈与で多く空き家が発生
・耐震診断の実施状況
耐震診断をした:296万9,000戸(9.1%)
 うち耐震性が確保されていた:262万3,000戸(8.0%)
 うち耐震性が確保されていなかった:34万6,000戸(1.1%)
耐震診断はしていない:2,983万2,000戸(90.9%)

住宅の耐震診断を、2014年以降に行った持ち家は296万9,000戸で、持ち家全体の9.1%でした。なお住宅タイプ別では共同住宅が多く、18.9%となっています。耐震診断をした住宅のうち、耐震性が確保されていたのは262万3,000戸、耐震性が確保されていなかったのは34万6,000戸でした。

建築時期別で分析すると、1980年以前に建てられた住宅で耐震診断を行い、耐震性が確保されていたのは50.9%でしたが、1981年以降になると95.6%まで上昇しており、1980年頃が耐震性における大きな分かれ目になっている可能性があります。

・耐震改修工事の実施状況
耐震改修工事を実施した:59万5,000戸(1.8%)
【実施内容】
壁の新設・補強:28万1,000戸(0.9%)
筋かいの設置:20万3,000戸(0.6%)
基礎の補強:20万8,000戸(0.6%)
金具による補強:23万9,000戸(0.7%)
その他:12万4,000戸(0.4%)

【住宅タイプ別】
一戸建て:2.1%
長屋建て:2.4%
共同住宅:0.2%
その他:3.2%

2014年以降に、住宅の耐震改修工事を行った持ち家は、合計59万5,000戸となり、持ち家全体の1.8%でした。工事内容としては「壁の新設・補強」が最も多く、次いで「金具による補強」となります。住宅のタイプ別では、一戸建てや長屋建てが2%台であったのに対し、共同住宅は0.2%と低い割合にとどまっていました。

・6歳未満の子がいる世帯における最寄り保育所までの距離
世帯総数:407万2,000世帯
500メートル未満:157万7,000世帯(38.7%・2013年比+7.0ポイント)
500~1,000メートル未満:151万3,000世帯(37.2%・同-2.0ポイント)
1,000メートル以上:98万1,000世帯(24.1%・同-5.0ポイント)

6歳未満の子がいる普通世帯は、調査対象中407万2,000世帯で、この世帯について、最寄りの保育所までどのくらいの距離か尋ねたところ、500メートル未満が全体の38.7%荷あたる157万7,000世帯でした。2013年時より7.0ポイント増加し、より近くで保育所を見つけられるようになっています。

500~1,000メートル未満、1,000メートル以上の回答率はいずれも2013年より減少し、それぞれ2.0ポイント、5.0ポイント少なくなっていました。

・高齢者がいる世帯における最寄り老人デイサービスセンターまでの距離
世帯総数:2,253万4,000世帯
500メートル未満:983万4,000世帯(43.6%・2013年比+5.0ポイント)
500~1,000メートル未満:636万6,000世帯(28.3%・同+0.4ポイント)
1,000メートル以上:633万4,000世帯(28.1%・同-5.3ポイント)

高齢者がいる世帯について、最寄りの老人デイサービスセンターまでの距離がどのくらいか調べた結果では、500メートル未満が983万4,000世帯で、高齢者がいる世帯総数の43.6%となり、2013年時より5.0ポイント増加していました。500~1,000メートル未満の世帯は微増し、0.4ポイント増の28.3%です。

1,000メートル以上とやや距離があるケースは633万4,000世帯、全体の28.1%で、2013年に比べると5.3ポイント低下しました。比較的近隣でサービスを受けやすくなってきたと考えられます。

なお、高齢世帯の型別として、より詳細な内訳をみると、高齢単身世帯で500メートル未満が49.2%と最も高く、高齢者のいる夫婦のみの世帯は43.0%、高齢者のいるその他の世帯が40.4%でした。

・世帯所有空き家の状況
総数:69万9,000戸
【建築時期】
1970年以前:32万4,000戸(46.4%)
1971年~1980年:16万8,000戸(24.0%)
1981年~1990年:8万4,000戸(12.0%)
1991年~2000年:5万8,000戸(8.3%)
2001年~2010年:3万6,000戸(5.2%)
2011年~2018年9月:1万6,000戸(2.3%)

【取得方法】
新築・建替:12万1,000戸(17.3%)
新築住宅購入:3万3,000戸(4.7%)
中古住宅購入:8万9,000戸(12.7%)
相続・贈与:36万5,000戸(52.2%)
その他:3万9,000戸(5.6%)

世帯が現住居以外に所有する住宅で、居住世帯がなく、主な用途が貸家用や売却用、二次的住宅・別荘用などでもないものを「空き家」と定義した場合、その総数は69万9,000戸にのぼりました。

これを建築時期別でみると、1970年以前の物件が際立って多く、46.4%を占める32万4,000戸となっています。次いで1971年~1980年の建築が24.0%になり、こうした1980年以前の住宅が空き家全体の7割以上を占めることが分かりました。

また取得方法としては、「相続・贈与」が36万5,000戸で、全体の過半、52.2%を占め、最も多くなっています。次いで「新築・建替」の17.3%、「中古住宅購入」の12.7%などとなりますが、経年化が進んだ住宅を相続・贈与によって取得した場合に、空き家となっているケースが多いようです。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅の構造等に関する集計結果」公開資料より)


▼外部リンク

総務省 報道発表資料
https://www.soumu.go.jp/

統計局 該当資料提供ページ
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/tyousake.html

PAGE TOP