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【pickupニュース】20年度の建設投資、1.8%の微増見通し

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RICEらによる最新の建設投資予測データが公開に
一般財団法人建設経済研究所(RICE)と、一般財団法人経済調査会経済調査研究所は1月30日、2019年度と2020年度の市況予測をまとめた「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を発表しました。

この調査レポートは、建設投資活動を需要動向や金利などと関連づけた方程式体系で示し、マクロな景気の動きと整合させるかたちで市場の推移予測を出していくことを目的に開発されたマクロ計量経済モデルである「建設経済モデル」を用い、四半期別GDP速報のデータから、2019年度、2020年度の建設経済予測を行ったものです。

主な金融財政政策や海外景気変動などを踏まえ、建設・不動産市場にどのような影響が及ぶかを考えたり、建設投資によって景気がどう変化するかをつかんだりする際に役立つ資料となっています。

・予測ベース条件
【対ドル円レート】
2020年1~3月期:1ドル108.3円
2020年4~6月期:1ドル108.1円
2020年7~9月期:1ドル107.5円
2020年10~12月期~2021年1~3月期:1ドル107.2円

【無担保コール翌日物金利】
2020年1~3月期:-0.05%
2020年4~6月期~2021年1~3月期:-0.04%

なお、予測を実施するにあたっての前提条件として、対ドル円レートや無担保コール翌日物金利については、上記のような予測結果を用いることとしています。

・2019年度名目建設投資
名目建設投資総額:62兆1,400億円(前年度比+2.1%)
政府建設投資:21兆5,800億円(前年度比+4.2%)
民間住宅投資:17兆2,200億円(前年度比+1.8%)
民間非住宅建設投資:17兆1,000億円(前年度比+0.1%)
民間建築物RR投資:6兆2,400億円(前年度比+1.0%)

2019年度の名目建設投資総額は、前年度より2.1%多い62兆1,400億円と見込まれました。緩やかな上昇基調を続け、微増になるとみられます。このうち、政府建設投資は、東日本大震災復興特別会計にかかる政府建設投資や地方単独事業費についてもそれぞれ事業費推計し、各年度補正予算の該当部分について、一部出来高として実現するものと想定したところ、前年度より4.2%増となる21兆5,800億円と予想されています。

民間住宅投資は、分譲戸建について着工の増加が見込まれますが、持家や貸家、分譲マンションで着工の減少予想となっています。よって着工数が減少しますが、投資額としては微増になる予測で、前年度より1.8%多い17兆2,200億円とされました。

民間非住宅建設投資は、ほぼ前年並みで0.1%増の17兆1,000億円、民間建築物RR(リフォーム・リニューアル)投資は、前年度より1.0%多い6兆2,400億円が見込まれています。なお、実質建設投資の総額は55兆600億円と予想され、前年度比で0.8%のアップとなりました。

・2020年度の名目建設投資
名目建設投資総額:63兆2,700億円(前年度比+1.8%)
政府建設投資:22兆3,200億円(前年度比+3.5%)
民間住宅投資:17兆200億円(前年度比-1.2%)
民間非住宅建設投資:17兆6,200億円(前年度比+3.0%)
民間建築物RR投資:6兆3,100億円(前年度比+1.0%)

2020年度の名目建設投資として予測された総額は、63兆2,700億円で、前年度より1.8%の微増となりました。2019年度に続き、2%前後での伸びを見込んでいます。内訳では、政府建設投資が公表された2020年度予算の各府省概算要求内容などを踏まえ、前年度比3.5%増の22兆3,200億円と予測されました。

一方、民間住宅投資については、持家、貸家、分譲マンションの着工数減少が続き、前年度比でマイナスに転落、1.2%少ない17兆200億円の予想になっています。これに対し、民間非住宅建設投資は、前年度より3.0%増加し、17兆6,200億円と予測されました。減少予測の民間住宅投資を上回る水準で、非住宅対象の投資が住宅投資を超える逆転が発生するとみられています。

民間建築物RR投資は、2019年度に続く1.0%の増加幅で、6兆3,100億円に拡大する予想です。2020年度の実質建設投資は、55兆3,800億円と推計され、こちらは前年度比で0.6%の微増予測となりました。

2020年度の民間住宅投資は微減予想に
・政府建設投資予測内訳
【2019年度】
名目政府建築投資:5兆8,700億円(前年度比+4.4%)
名目政府RR投資:1兆3,700億円(前年度比+2.0%)
名目政府土木投資:15兆7,100億円(前年度比+4.2%)

【2020年度】
名目政府建築投資:6兆400億円(前年度比+3.2%)
名目政府RR投資:1兆3,900億円(前年度比+2.0%)
名目政府土木投資:16兆2,800億円(前年度比+3.6%)

名目政府建設投資について内訳をみていくと、2019年度では、建築投資が前年度より4.4%多い5兆8,700億円、リフォーム・リニューアル投資が2.0%多い1兆3,700億円となり、多くを占める土木投資は4.2%増の15兆7,100億円が見込まれていました。

2020年度になると、RR投資は同じく2.0%の増加ですが、建築投資、土木投資は、それぞれ増加幅がやや縮小され、前年度比で3.2%、3.6%の増加予想になっています。これにより、全体も前年度比で3.5%のプラスに抑えられました。しかし、2018年度のマイナス見込みからプラスに転じ、2019年度、2020年度は政府建設投資としておよそ活発さを取り戻してくる予想です。

・住宅着工戸数予測
【2019年度】
総戸数:89万2,400戸(前年度比-6.4%)
持家:28万4,700戸(前年度比-1.1%)
貸家:33万5,400戸(前年度比-14.0%)
分譲:26万6,100戸(前年度比-0.4%)
 うちマンション・長屋建:11万7,400戸(前年度比-4.0%)
 うち戸建:14万8,700戸(前年度比+2.6%)

【2020年度】
総戸数:85万4,500戸(前年度比-4.2%)
持家:27万3,000戸(前年度比-4.1%)
貸家:31万5,500戸(前年度比-5.9%)
分譲:26万戸(前年度比-2.3%)
 うちマンション・長屋建:10万9,500戸(前年度比-6.7%)
 うち戸建:15万500戸(前年度比+1.2%)

住宅着工戸数の予測では、2019年度が2018年度の前年度比微増から再び減少に転じ、6.4%の減少で89万2,400戸と90万戸を下回る見通しになりました。内訳でも分譲戸建の2.6%増を除き、全項目が前年度比でマイナスとなっていますが、とくに貸家の減少が大きく、前年度より14.0%少ない33万5,400戸の予測です。相続対策などから増加していた貸家の着工が減少に転じ、マイナス傾向が顕著に続いているといえます。

2020年度も総着工戸数が前年度よりさらに減少、4.2%のマイナス予想で85万4,500戸との見通しになりました。2桁減の項目はないものの、全体に減少傾向で、分譲戸建のみが前年度を1.2%上回る予想です。

・民間非住宅建設投資予測内訳
【2019年度】
民間非住宅建築投資:11兆4,900億円(前年度比-2.4%)
民間土木投資:5兆6,100億円(前年度比+5.6%)

【2020年度】
民間非住宅建築投資:11兆6,400億円(前年度比+1.3%)
民間土木投資:5兆9,800億円(前年度比+6.5%)

名目民間非住宅建設投資の予測について、各年度の内訳をみると、2019年度は非住宅建築投資が前年度より2.4%少なく、マイナスに転じて11兆4,900億円の予想となっていますが、土木投資が5.6%の増加となる5兆6,100億円見通しで、プラス要素に働き、全体でおよそ前年並みの微増になっていました。

2020年度は、非住宅建築投資が再び増加傾向となり、1.3%の上昇で11兆6,400億円の見通しになります。土木投資も引き続き伸び、前年度比で6.5%のアップとなる5兆9,800億円が見込まれたことから、全体でも増加幅を拡大するプラス予想となっていました。土木投資に関しては、2027年度開業予定のリニア中央新幹線など、大型プロジェクトへの投資が見込まれることなどが主なプラス要因です。

・民間非住宅建築着工床面積予測
【2019年度】
総着工床面積:4,470万平方メートル(前年度比-2.9%)
事務所:530万平方メートル(前年度比-0.4%)
店舗:440万平方メートル(前年度比-15.0%)
工場:870万平方メートル(前年度比-12.0%)
倉庫:950万平方メートル(前年度比+10.1%)

【2020年度】
総着工床面積:4,490万平方メートル(前年度比+0.4%)
事務所:550万平方メートル(前年度比+3.8%)
店舗:440万平方メートル(前年度比横ばい)
工場:870万平方メートル(前年度比横ばい)
倉庫:950万平方メートル(前年度比横ばい)

民間非住宅建築物の着工床面積予測を各年度でみたところ、2019年度は合計が前年度より2.9%少ない4,470万平方メートルでした。倉庫が前年度より10.1%と2桁増になり、950万平方メートルと拡張されるものの、店舗と工場がそれぞれ15.0%、12.0%の2桁減で全体を押し下げています。

2020年度は合計が4,490万平方メートルで、2019年度を0.4%上回る見通しですが、事務所を除き、大きな変動なく横ばいで推移するとみられました。事務所は、大都市圏を中心とした大型再開発プロジェクトなどの着工から、比較的高水準での推移になる予測です。

店舗は2014年度から続く減少傾向が2019、2020年度も続くとみられ、受注額も減少してきています。工場は老朽化に伴う新設や、スペック増強などの投資における勢いが弱まってきているため、減少傾向の予想になりました。

拡張傾向が続く倉庫は、社会ニーズの高まりから、高機能・マルチテナント型物流施設などの着工が予定されており、引き続き好調となる見通しです。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は建設経済研究所/経済調査会経済調査研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」公開資料より)


▼外部リンク

一般財団法人建設経済研究所 資料提供ページ
http://www.rice.or.jp/regular_report/forecast.html

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