クラスコの資産運用

収益物件

【pickupニュース】19年Q2東京Aオフィス空室率、12年ぶりの1%アンダー

日々のニュースの中で不動産投資や賃貸経営、資産運用など暮らしに関わるニュースをピックアップしてます。
今回ピックアップするニュースはこちら!

JLLが「ジャパン プロパティ ダイジェスト」最新版を公開
総合不動産サービスをグローバルに展開するJLLの日本法人、ジョーンズ ラング ラサール株式会社(JLL日本)は24日、2019年第2四半期分の調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト」の発表を行いました。日本国内のオフィスや店舗、物流、ホテルといったセクターの最新市場動向をみることができます。

・東京Aグレードオフィス
空室率:0.8%(前期比-0.2ポイント、前年同期比-1.2ポイント)
賃料:月額坪あたり39,262円(前期比+1.4%、前年同期比+5.8%)
価格:上昇加速(前期比+5.9%、前年同期比+15.2%)
12カ月見通し:賃料・価格とも上昇減速

2019年第2四半期における東京中心業務地区、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区の東京Aグレードオフィス空室率は、0.8%で前期より0.2ポイント、前年同期より1.2ポイント低下し、2007年以来12年ぶりに1%を下回るまでになりました。新宿、渋谷を含むサブマーケットでの低下が、すでにごく低い水準にあった空室率をさらに引き下げる要因となったようです。

平均賃料は、月額坪あたり共益費込みで39,262円となり、前期より1.4%、前年同期より5.8%上昇しました。今回で29四半期連続での上昇となっています。大手町・丸の内を含むサブマーケットでの上昇が全体を牽引するかたちで、前四半期並みの堅調な上昇ペースが記録されました。ごく低水準の空室率を背景に、4万円台も目前とする賃料の高騰傾向がみられます。

価格は4四半期連続で上昇、前期より5.9%、前年同期に比べると15.2%もの上昇になりました。上昇ペースは加速しており、賃料上昇と投資利回りの低下が、こちらにも反映されています。

今後について12カ月見通しとしては、賃料・価格とも上昇基調を維持する一方、そのペースは減速すると見込まれました。既存ビルの供給はきわめて限定的で、市場には品薄感が広がり、旺盛な需要は供給予定分を吸収、2019年、2020年に供給が予定されているビルで予約契約が順調に進んでいます。

空室率は、1%台までは上昇する可能性が高いものの、なお低水準を維持するとみられ、賃料は継続して緩やかな上昇傾向をみせるでしょう。投資市場では、投資利回りの低下余地がすでに相当程度限定的なところまで下がっているため、賃料上昇を受けた価格の上昇もおおむね緩やかになると予測されました。

・大阪Aグレードオフィス
空室率:0.3%(前期比-0.2ポイント、前年同期比-0.5ポイント)
賃料:月額坪あたり21,887円(前期比+2.1%、前年同期比+10.1%)
価格:上昇加速(前期比+7.2%、前年同期比+29.9%)
12カ月見通し:賃料・価格とも上昇減速

大阪中心業務地区とされる中央区、北区のAグレードオフィス空室率は、前期より0.2ポイント、前年同期より0.5ポイント低下し、ついに0.3%となりました。JLLが調査を開始した2004年以降で最も低い値になっています。

ごく低い空室率を背景に、賃料は共益費込みで月額坪あたり21,887円となり、前期より2.1%、前年同期より10.1%上昇しました。20四半期連続で上昇となったほか、ペースこそ前四半期より緩やかになったものの、エリア全体での上昇傾向が確認され、強含みな市場動向となっています。

価格は前期より7.2%、前年同期より29.9%上昇しました。価格高騰を受け、投資利回りは2003年末の調査開始以来、過去最低値を更新するにいたっています。

今後の12カ月見通しでは、引き続き旺盛な需要が存在するものの、供給がきわめて限定的で、新規で賃貸借された床面積から退去床面積を控除したネット床面積の増減を示すネットアブゾープションも抑制されると予想されました。ごく低水準な空室率での推移から、賃料上昇傾向は下支えされ、上昇ペースは緩やかとなりますが、堅調に伸びると見込まれています。

投資市場では、投資利回りが、低水準ながら今年末まで安定的に推移すると予測され、賃料上昇を反映した価格上昇が急激なものではないながら、観測される状態が続くとみられました。

上昇ペースに鈍化傾向も全体にプラス基調で安定
・東京リテール(店舗)
賃料:月額坪あたり80,956円(前期比+0.1%、前年同期比+1.7%)
価格:前期比-0.1%、前年同期比+4.0%
12カ月見通し:賃料・価格とも安定推移

2019年第2四半期における銀座、表参道の東京プライムリテール市場については、賃料が月額坪あたり80,956円と、前期比で0.1%、前年同期比で1.7%上昇しました。主に銀座の空中階における賃料上昇が、全体を押し上げています。

価格は前期比で0.1%下落し、わずかに下げましたが、およそ小幅な値動きといえ、前年同期比では4.0%の上昇となっていました。

今後の見通しでは、国内外の顧客による堅調な消費を背景として、出店需要の堅調さが維持されている一方、供給予定は比較的限定されたものとなるため、賃料は高水準で安定的に推移するとみられています。投資市場としては、価格が安定的な推移になると予測されましたが、投資利回りについて、さらに低下する可能性が指摘されています。

・東京ロジスティクス(物流)
【空室率】
東京圏:3.3%(前期比-0.8ポイント、前年同期比-1.1ポイント)
東京ベイエリア:0.0%(前期比横ばい、前年同期比横ばい)
内陸エリア:5.2%(前期比-1.1ポイント、前年同期比-1.7ポイント)

賃料:月額坪あたり4,274円(前期比+0.5%、前年同期比+1.4%)
価格:前期比+3.1%、前年同期比+9.2%
12カ月見通し:賃料が緩やかに上昇、利回りはさらに低下

首都圏1都3県と茨城県の一部を含むエリアの新型物流施設空室率は、3.3%と前期より0.8ポイント、前年同期より1.1ポイント低下し、さらに改善が進みました。東京ベイエリアでは、前期比、前年同期比とも横ばいで0.0%と満室稼働が続いています。内陸エリアでも、前期より1.1ポイント、前年同期より1.7ポイント低下し、5.2%と低水準になりました。

賃料は、エリア全体で月額坪あたり4,274円が平均で、前期より0.5%、前年同期より1.4%上昇しています。とくに東京ベイエリアでの新規供給物件において賃料水準が高めとなり、全体を押し上げる結果になったと報告されています。この東京ベイエリアにおける賃料は、前期比で0.6%、前年同期比で3.0%の上昇でした。内陸エリアについては、前期比で0.1%下落、前年同期比で0.2%の上昇と小幅な変動になっています。

価格は、前期より3.1%上昇、前年同期より9.2%上昇し、高騰傾向がみられました。投資利回りの低下と緩やかな賃料上昇が背景にあります。

今後12カ月の見通しとしては、2019年、2020年と大規模新規供給の予定がありますが、それを吸収するだけの十分な需要があるため、空室率の上昇は限定的になるとみられ、既存・新規とも賃料推移も安定的になると予測されました。投資市場としては、投資家の関心の高さが維持されており、投資利回りにはさらなる低下余地があることから、利回りの低下と価格の上昇が生じるとみられます。

・東京ホテル
都内延べ宿泊者数:2,050万人(前年同期比+15.2%)
 外国人宿泊者比率:39.0%(全国平均:20.9%)
供給:4つ星、5つ星ホテルの新規供給はなし
RevPAR:前年同期比+7.5%
ADR:前年同期比+6.8%
客室稼働率:前年同期比+0.7%
売買:ヒルトン東京お台場(624億円)
12カ月見通し:世界的スポーツイベントでパフォーマンス改善

東京圏のホテル市場としては、国内の訪日外国人客数が、2019年1~5月で前年比4.2%増の1,370万人となり、前年同期の成長率である15.6%と比べると、大幅に鈍化していることが判明しましたが、都内の2019年1~4月における延べ宿泊者数は、前年同期を15.2%上回る2,050万人と好調で、外国人宿泊者比率も39.0%と、全国平均に比べ20ポイント近く高い水準になっています。

都内の外国人宿泊者数は、前年同期比で27.0%の増加になったと報告されており、インバウンド需要の拡大が旺盛な宿泊需要を創出、市場全体の成長を支えたことが明らかとなりました。

供給については、4つ星、5つ星といったラグジュアリーホテルの新規供給がみられず、大きな動きがありません。9月には再開発で新たに開業となった「The Okura Tokyo」があり、注目を集めました。今後数年間では、「フォーシーズンズ東京大手町」や、虎ノ門、銀座で開業する「エディションホテル」、「ブルガリホテル東京」など、複数のラグジュアリーホテル新規供給が予定されており、市場の変化が注視されます。

運営状況としては、5つ星ホテルで1日あたりの販売可能客室数あたり宿泊売上(RevPAR)が2019年初から5月までで累計、前年同期比で7.5%の増加を記録、成長傾向がみられました。客室単価を示すADRが、前年同期比で6.8%の上昇となっているほか、客室稼働率も0.7%アップとわずかながら上昇、改善に寄与したと考えられています。

2019年第2四半期におけるホテル売買取引では、2017年11月にヒューリックが600億円弱で取得していた「ヒルトンお台場ホテル」が、ジャパン・ホテル・リート投資法人に売却されました。価格は624億円で、1室あたり1億3,770万円となっています。

12カ月見通しでは、開催中のラグビーワールドカップに続き、いよいよ2020年のオリンピック・パラリンピック開催を控えるなど、世界的スポーツイベントが続く東京では、ラグジュアリーホテル市場のさらなるパフォーマンス向上が見込まれています。

投資市場としては、2020年以降のRevPAR成長率が鈍化するという見通しから、売却を検討する機関投資家が出現する可能性があり、取引件数が増加するのではないかと予想されました。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はPixabayより)


▼外部リンク

ジョーンズ ラング ラサール株式会社 プレスリリース
https://www.joneslanglasalle.co.jp/

PAGE TOP