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【pickupニュース】19年Q2の東京オフィスビル市場、品薄感がさらに強まる結果に

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オフィスビル総研が市場概況データを発表
三幸エステートグループの株式会社オフィスビル総合研究所は14日、2019年第2四半期(4~6月)の東京圏におけるオフィスビル市場の概況と今後の見通しについてまとめた「東京オフィスビル市場の分析と展望」と題する最新レポートの公開を開始しました。賃貸オフィスビル市場の最新動向をみることができます。

・テナント募集面積前期比較
【全規模】
東京23区:-28,000坪(-4.4%)
都心3区:-36,000坪(-10.2%)
中心6区:+5,000坪(+2.9%)
周辺14区:+3,000坪(+2.9%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:+6,000坪(+2.0%)

【大規模ビル】
東京23区:-18,000坪(-4.7%)
都心3区:-28,000坪(-11.9%)
中心6区:+5,000坪(+7.3%)
周辺14区:+5,000坪(+7.8%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:+9,000坪(+6.6%)

【既存ビル】
東京23区:-2,000坪(-0.3%)
都心3区:-18,000坪(-7.7%)
中心6区:+15,000坪(+11.9%)
周辺14区:+1,000坪(+1.0%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:-10,000坪(-3.4%)

【建築中ビル】
東京23区:-26,000坪(-16.7%)
都心3区:-18,000坪(-15.2%)
中心6区:-10,000坪(-28.3%)
周辺14区:+2,000坪(+91.3%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:+16,000坪(+1,087.2%)

テナント募集面積について、今期末の2019年6月時点と、前期末の2019年3月時点を比較すると、東京23区では28,000坪、率にして4.4%の減少となっていました。残る募集面積は60.0万坪で、5期連続の減少です。市場における品薄感は、さらに高まっているといえます。

千代田区、中央区、港区の都心3区に限定すると、さらに減少幅は大きく、36,000坪、10.2%のマイナスになっていました。一方、新宿区、渋谷区、品川区、文京区、豊島区、台東区を指す中心6区は5,000坪の増加、残る周辺14区も3,000坪の増加になっています。多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県でも6,000坪の増加がみられ、これら周辺エリアでは、前期比2~3%程度の増加傾向となりました。

大規模ビルに限定すると、東京23区では18,000坪、率にして4.7%、前期より募集面積が少なくなっています。とくに都心3区で28,000坪、11.9%と大幅に減少していました。中心6区と周辺14区では、それぞれ5,000坪の増加となっており、中心部に人気が集中していることが分かります。多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県では9,000坪、6.6%の増加でした。

竣工時期別では、既存ビルが東京23区全体で2,000坪、前期より0.3%の減少となっています。減少幅は小さいものの、マイナスはこれで13期連続の傾向になりました。ここでも都心3区の成約が進んでおり、前期より18,000坪、7.7%の減少となっています。

これに対し中心6区は15,000坪、率にして11.9%の増加になっていました。周辺14区は1,000坪、1.0%の微増です。多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県は10,000坪の減少で、前期比3.4%のマイナスになりました。既存ビルの場合、都心部でなければ、よりリーズナブルな周辺域へニーズが流れているようです。

建築中ビルについては、東京23区全体で26,000坪、16.7%の減少になっていました。まとまった面積の条件が良い物件を求め、新規供給へもニーズがしみ出していることが分かります。都心3区の建築中ビルは18,000坪、15.2%の減少、中心6区でも10,000坪、前期比28.3%の減少となりました。周辺14区のみ、2,000坪、率にして91.3%の増加になっています。なお、多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県では、16,000坪とまとまった増加が記録されています。

・新規着工建築中ビルテナント募集開始面積
全規模合計:12棟/9,000坪(前期比+5棟/+4,000坪)
大規模ビル(200坪以上):2棟/4,000坪(前期比+1棟/+2,000坪)
大型ビル(100~200坪):2棟/2,000坪(前期比-1棟/-1,000坪)
中型ビル(50~100坪):2棟/1,000坪(前期比横ばい)
小型ビル(20~50坪):5棟/1,000坪(前期比+5棟/+1,000坪)
小規模ビル(20坪以下):1棟(前期比横ばい)

2019年第2四半期における、新規着工建築中ビルのテナント募集開始面積は、合計で12棟、9,000坪となり、前期より棟数にして5棟、坪数で4,000坪の増加となっていました。規模別でみると、大規模ビルで1棟、2,000坪、小型ビルで5棟、1,000坪の増加になっています。

テナント成約面積は全体に減少、空室率は底か
・テナント成約面積前年同期比較
【全規模】
東京23区:-39,000坪(-13.4%)
都心3区:-20,000坪(-10.8%)
中心6区:-5,000坪(-6.4%)
周辺14区:-15,000坪(-37.8%)

【大規模ビル】
東京23区:-24,000坪(-14.2%)
都心3区:-16,000坪(-13.4%)
中心6区:+1,000坪(+2.7%)
周辺14区:-8,000坪(-40.5%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:+18,000坪(+68.2%)

【既存ビル】
東京23区:-16,000坪(-7.3%)
都心3区:+4,000坪(+3.3%)
中心6区:-15,000坪(-22.6%)
周辺14区:-5,000坪(-16.1%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:-22,000坪(-31.1%)

【建築中ビル】
東京23区:-24,000坪(-30.3%)
都心3区:-24,000坪(-38.6%)
中心6区:+11,000坪(+202.5%)
周辺14区:-11,000坪(-93.5%)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:+22,000坪(+6,036.6%)

テナントの成約面積動向を、2019年第2四半期と2018年第2四半期で比較したところ、東京23区全体では全規模合計で39,000坪、率にして13.4%の2桁減になっていました。25.5万坪と少なめの成約にとどまっています。地域別でも、全エリアがマイナスになり、中でも周辺14区は15,000坪、前年同期比37.8%の減少となっています。

大規模ビルでは、東京23区全体で24,000坪、14.2%の減少となり、中心6区で1,000坪、率にして2.7%の増加がみられたものの、都心3区と周辺14区が、それぞれ13.4%、40.5%の大幅減になりました。これに対し、多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県は18,000坪、68.2%と大きく増加しています。

竣工時期別では、既存ビルが東京23区全体で16,000坪、7.3%の減少で、前期に続き前年同期比でマイナスとなりました。都心3区は4,000坪、3.3%の増加でしたが、中心6区と周辺14区で2桁減になっています。多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県でも22,000坪、率にして31.1%の大幅減となっていました。

建築中ビルについては、東京23区で24,000坪、30.3%のマイナスで、前期の大幅増から一転、再び減少傾向になりました。品薄感の高まりを背景に、既存ビルから建築中ビルへのニーズシフト傾向が続いていましたが、すでに2020年竣工予定のビルなどでテナント誘致が順調に進み、供給分が減少したことから、市場全体で成約面積が減ったとみられています。

・大規模ビル空室率
首都圏:1.4%(前期比+0.2ポイント)
東京23区:1.0%(前期比+0.2ポイント)
都心3区:0.8%(前期比+0.3ポイント)
 千代田区:0.0%(前期比-0.5ポイント)
 中央区:0.0%(前期比-0.7ポイント)
 港区:0.0%(前期比-0.5ポイント)
中心6区:0.9%(前期比+0.1ポイント)
 新宿区:0.0%(前期比-0.7ポイント)
 渋谷区:0.0%(前期比-0.1ポイント)
 豊島区:0.0%(前期比-3.4ポイント)
 品川区:0.0%(前期比-0.8ポイント)
 文京区:0.0%(前期比-1.8ポイント)
 台東区:0.0%(前期比-0.2ポイント)
周辺14区:2.2%(前期比+0.3ポイント)
多摩地区・千葉県・埼玉県・神奈川県:3.5%(前期比+0.1ポイント)

2019年6月時点の1フロア200坪以上を擁する大規模ビル空室率は、首都圏全体で1.4%、前期より0.2ポイント上昇しました。東京23区も0.2ポイント上昇し、1.0%になっています。都心3区は0.8%で前期比0.3ポイントの上昇、中心6区は0.9%の0.1ポイント上昇、周辺14区は2.2%で0.3ポイントの上昇でした。いずれもごくわずかですが、空室率が上昇しています。

区別では低下し、満室稼働が増加しているものの、エリアごとでみた空室率には、前期までのごく緩やかな低下傾向から横ばい、もしくは上昇に転じる向きが出てきています。きわめて低い水準の空室率で、市場品薄感は強い状況ですが、すでに低下余地を失って底を打ち始めている可能性もあるでしょう。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はオフィスビル総合研究所「東京オフィスビル市場の分析と展望(2019年4~6月)」公開資料より)


▼外部リンク

株式会社オフィスビル総合研究所 ホームページ(資料提供ページ)
http://www.officesoken.jp/

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