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【pickupニュース】19年6月都心5区ビルの空室率、8カ月ぶりの0.7%台に上昇

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三幸エステートがオフィスマーケットレポートを更新
三幸エステート株式会社は11日、2019年6月分の主要都市におけるオフィス市況を調査した「オフィスマーケットレポート 7月号」の公開を開始しました。東京都心5区大規模ビルをはじめ、大阪市大規模ビル、名古屋市、札幌市、仙台市、福岡市のオフィスビル動向をみることができます。

・調査用語定義
東京都心5区:千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大規模ビル:1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル
現空面積:現在テナント未入居で契約後すぐ入居可能な面積の合計
募集面積:各統計日時点で公開されているテナント募集面積の合計

なお、この調査で用いられている用語の定義は上記のようになっており、統計開始日は1994年1月1日です。

・東京都心5区大規模ビルの空室動向
空室率:0.78%(前月比+0.17ポイント)
現空面積:51,644坪(前月比+9,806坪)

2019年6月における東京都心5区大規模ビルの空室率は0.78%で、前月より0.17ポイントのアップ、2018年10月以来、8カ月ぶりに0.7%台まで上昇しました。今年3月に0.52%の過去最低値を記録した後、4月に0.64%へ上昇、前月には再びマイナスとなり0.61%となっていましたが、今回やや上昇して0.78%になっています。

引き続き、1%台を大きく下回るごく低い空室率で推移している状況に変わりはありませんが、やや下げ止まり感が広がってきているといえるでしょう。2018年6月に1%を割り込んで以降、年間を通じて0.5%を下回ったことはなく、0.5%台についても、今年3月の1度だけでした。三幸エステートでは、0.5%という水準が“空室率におけるボトム”ではないかとみています。

今回の空室率上昇の背景としては、大規模ビル2棟がまとまった面積の空室を抱えたまま竣工したことが挙げられました。しかし同ビル2棟については、それぞれ強い引き合いが集まってきていることから、空室は徐々に消化されるとみられ、この影響による空室率上昇は一時的なものと考えられています。

現空面積が前月より1万坪近く増加し、5万坪台となったことからも、この新規供給による市況変化がうかがわれました。

募集賃料はさらに上昇、貸手優位の動向続く
・東京都心5区大規模ビルの募集動向
募集賃料:月額坪あたり30,257円(前月比+152円)
募集面積:237,869坪(前月比-14,694坪)

東京都心5区大規模ビルの2019年6月時点における平均募集賃料は、共益費込みで月額坪あたり30,257円で、前月よりさらに152円上昇していました。これで3カ月連続の上昇となり、前月に続く3万円台の高水準になっています。

募集面積は237,869坪で、前月より14,694坪減少しました。募集中の物件では、低い空室率と堅調なニーズを背景に、続く品薄感から募集条件を引き上げる動きが広がっており、貸手側優位の強含み傾向が進行しています。

・区別募集賃料推移(1994年1月1日を1とする指数)
千代田区:0.66
中央区:0.63
港区:0.69
新宿区:0.67
渋谷区:0.92

今回、区別のオフィス募集賃料について、1994年1月1日の統計調査開始日を「1」の基準値として指数化した推移も示されています。

国内では、1980年代後半にバブル景気で不動産価格が急上昇し、1990年にピークを迎えてバブルが崩壊、急落が発生しました。その後、1994年からマンションの大量供給時代に入っていきますが、1994年1月1日といえば、まだそのきわめて初期の段階で、都心の不動産価格はかなり高めであったといえるでしょう。

そのことを加味してグラフを見ると、2度の上昇の山がみられる渋谷区を除き、およそ2004年まで全体に低下傾向を続けています。2004年で底を打った賃料は上昇に転じ、2007年~2008年でピークとなりますが、その後は再び低下となり2010年~2013年、2014年頃までは最低水準で推移、近年になってようやく上昇傾向が進行してきていることが分かります。こうした中で渋谷区の上昇傾向は際立って顕著であり、他の4区を引き離す上昇ラインとなっています。

直近の値でも、千代田区が0.66、中央区で0.63、港区が0.69、新宿区が0.67といずれも0.6台であるのに対し、渋谷区は0.92と1に迫る勢いで、マイナス幅がごく小さいものになっていました。

この要因としては、1994年時点で渋谷区が「恵比寿ガーデンプレイスタワー」の竣工などを迎えてはいたものの、オフィス立地としての同区認知度は高くなく、1990年代後半になって「ビットバレー」と呼ばれるIT関連ベンチャーの注目を集めるエリアとして成長を始めたことから、以降オフィスエリアとして高い競争力をもつものとなっていった、渋谷区独特の経緯があると解説されています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は三幸エステート「オフィスマーケットレポート 東京都心5区大規模ビル 2019年7月号」公開資料より)


▼外部リンク

三幸エステート株式会社 オフィスマーケットレポート 2019年7月号 データ提供ページ
https://www.sanko-e.co.jp/data/report/201907

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