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【pickupニュース】未来のオフィス、都心集約とテレワークがさらに進行か

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不動産協会がオフィスの未来に関する調査を実施
一般社団法人不動産協会は22日、不動産業界が応えていくべきニーズを把握すべく「オフィスの未来に関する調査」を実施、その結果をとりまとめて公開しました。グローバル化やAI、IoTなどテクノロジーやデバイス、インフラの進化、生産年齢人口の減少による人手不足など、さまざまな社会状況を踏まえた調査研究になっています。

・集まって働くことの価値
【イノベーション創造・事業開発が注力テーマ】
重視する:32.4%(注力しない企業・26.4%)
どちらかといえば重視する:32.4%(同・26.8%)
どちらともいえない:28.7%(同・38.2%)
どちらかといえば重視しない:4.6%(同・5.5%)
重視しない:1.8%(同・3.2%)

・集まって働くことを重視する割合
グローバル企業:58.5%
IT系企業:69.8%
最先端技術企業:69.2%

調査によると、近年は働き方改革による生産性向上のほか、コスト削減や採用力・雇用の維持が重視ポイントになっているものの、より今後必要とされるのは、単なる生産性向上ではなく、創発・イノベーションだという傾向も、大手企業や先進企業を中心に強まっていることが報告されました。

そうしたイノベーションを促すオフィスづくりとして、集まって働くことを重視するかどうか問うと、「イノベーション創造・事業開発」を注力テーマにする企業では、「重視する」と「どちらかといえば重視する」が同率の32.4%になり、合計した64.8%が重視する傾向にあることが分かりました。

一方、これらイノベーションを注力テーマにしていない企業では、重視する傾向が低く、「重視する」、「どちらかといえば重視する」がいずれも全体の4分の1程度、合計で53.2%となり、注力している企業と比べると、10ポイント以上の開きがありました。

会社の特性別では、グローバル企業の場合、やや重視しない傾向が強く、「重視する」と「どちらかといえば重視する」の合計は58.5%でしたが、IT系企業では69.8%、AIやIoT、ゲノム技術などを扱う最先端技術系の企業でも69.2%と、集まって働くことがイノベーションの生まれやすさにつながると、重視する傾向がありました。

・本社オフィスを現在地に構えた理由
昔からの所縁:38.4%
従業員の通勤利便性:33.8%
取引先などへの交通アクセスの良さ:25.0%
賃料が比較的安い:19.5%
ブランド力が高い:12.8%
採用に有利:9.5%
新幹線停車駅へのアクセスの良さ:8.8%
同業他社が集積している:7.9%
イメージが洗練されている:7.0%
防災に優れている:5.5%

本社オフィスを現在の場所にした理由では、創業の地であるなど「昔からの所縁」によるとした回答がトップで38.4%になり、2位は「従業員の通勤利便性が高い」という33.8%、3位が「取引先などへの交通アクセスの良さ」の25.8%でした。

以下、賃料やブランド力などが続きますが、とくに最先端技術を扱う企業や金融・保険業種では、「同業他社が集積しているから」という回答が約23%と高い傾向にあります。また、最先端技術系の企業は、「大学に近いから」という回答も多くみられました。

・欲しい施設や設備(イノベーション注力企業/非注力企業)
【本社入居ビル】
リフレッシュスペース:56.4%(64.8%/52.3%)
オープンなミーティングスペース:55.8%(71.3%/48.2%)
コンビニ:43.6%(51.9%/39.5%)
食堂:40.2%(44.4%/38.2%)
駐車場:39.3%(41.7%/38.2%)
ロッカー:35.1%(41.7%/31.8%)
銀行/ATM:34.1%(37.0%/32.7%)
更衣室:32.6%(35.2%/31.4%)
保育施設・託児施設:29.3%(39.8%/24.1%)
カフェ:29.0%(40.7%/23.2%)
貸し会議室:24.7%(28.7%/22.7%)
郵便局:24.4%(25.0%/24.1%)
飲食店:24.4%(32.4%/20.5%)
仮眠室:23.5%(32.4%/20.5%)
医療機関:22.6%(31.5%/18.2%)

【自社オフィス】
リフレッシュスペース:38.7%(50.9%/32.7%)
オープンなミーティングスペース:46.3%(62.0%/38.6%)
コンビニ:11.6%(12.0%/11.4%)
食堂:19.8%(24.1%/17.7%)
駐車場:15.2%(11.1%/17.3%)
ロッカー:24.1%(25.0%/23.6%)
銀行/ATM:7.9%(12.0%/5.9%)
更衣室:22.9%(24.1%/22.3%)
保育施設・託児施設:9.5%(13.9%/7.3%)
カフェ:8.2%(13.0%/5.9%)
仮眠室:14.9%(20.4%/12.3%)
観葉植物:12.8%(20.4%/9.1%)
スタンディングデスク:13.7%(24.1%/8.6%)

本社オフィスが入居するビルや自社オフィスにおいて、欲しい施設や店舗、設備などを尋ねると、本社オフィスの場合、トップは「リフレッシュスペース」の56.4%、2位が「オープンなミーティングスペース」の55.8%となりました。とくにイノベーション注力企業である場合、これらを志向する率は高く、オープンなミーティングスペースは7割を超える企業が必要としています。

保育施設・託児施設や仮眠室、医療機関、ランク外ですがスタンディングデスクやコワーキングスペースなども、イノベーション注力企業が、そうでない企業を大きく上回って求めているものに挙げられ、全体に社内外の交流を促進する施設・環境や、従業員のウェルネスに配慮したオフィス環境へのニーズが高い傾向にありました。

自社オフィスでも同様で、イノベーション注力企業は、全体に充実した施設・設備を求める傾向にあるものの、中でもオープンなミーティングスペースやスタンディングデスク、コワーキングスペースといった交流空間、リフレッシュスペースや仮眠室、観葉植物などの健康向上につながる快適なオフィス環境づくりに熱心となっています。

テレワークが新たな不動産ビジネスを生む見通し
・オフィス戦略の現在と近未来
【サードプレイスオフィス】
現在:3.7%
近未来:15.2%

【在宅勤務】
現在:20.4%
近未来:36.0%

今後のオフィス戦略については、サードプレイスオフィスが現在の3.7%から15.2%に、在宅勤務が20.4%から36.0%にと、いずれも大きく増加する見通しで、テレワークの積極的な導入が進むとみられています。

導入目的では、業務効率化や生産性向上、従業員のワークライフバランスといったポジティブな項目が過半の上位になり、オフィススペースの削減・効率化やオフィスコスト削減などの項目は1~1.5割程度とあまり重きをおいているケースの少ない下位に沈んでいました。

・テレワークの希望
本社から離れた自宅に近い場所で働く:53.6%
在宅勤務:49.0%
サードプレイスオフィスで働く:39.5%

オフィスワーカーに、近未来の理想や希望としてテレワークを望むか尋ねたところ、「本社から離れた自宅に近い場所」を希望する人は53.6%、「在宅勤務」が49.0%、「サードプレイスオフィス」も39.5%となり、いずれも一定以上の高い希望や関心があることが分かりました。

とくに男女20~30代の若年層や、同居する未就学児童がいるケースなどでは、在宅勤務や自宅に近い場所で働くことを望む人が多くなっています。

・オフィス機能について
【本社機能の集約】
現在:66.2%
近未来:63.1%

【本社機能の分散】
現在:8.2%
近未来:17.1%

オフィス戦略における本社機能については、集約がやや近未来予想で減少するものの、依然63.1%と高位を維持する見通しになり、分散は17.1%にとどまりました。先の「サードプレイスオフィス」や「在宅勤務」の伸びとあわせて考えた場合、本社集約とテレワークのハイブリッド化が進展すると予想されます。

・都心オフィスの集約とテレワークスペースの利用増について
そう思う:約25%
ややそう思う:約50%
あまりそう思わない:約20%
そう思わない:約5%

【そう思う合計】
IT系企業:90.7%
最先端技術系企業:84.6%

都心にオフィスが集約すると同時に、多様な場所で柔軟に働けるテレワークの導入でオフィススペースの利用も高まると思う企業は、全体で「そう思う」と「ややそう思う」の合計が75.6%になり、そう思わない企業を大きく上回りました。

この傾向はとくにIT系企業や最先端技術系の企業で強く、それぞれ「そう思う」と「ややそう思う」の合計は9割前後になっています。最先端技術系の企業では「そう思う」が53.8%と過半になりました。

業種別では商社や金融・保険、メーカーが70%程度で平均を下回る一方、IT・情報処理・ソフトウェアの業種は「そう思う」と「ややそう思う」の合計が94.7%と大半を占める値になっています。

・近未来のオフィスニーズ
【本社】
増床:19.4%
維持・保留:73.5%
減床:7.1%

【拠点】
新設・増床:22.2%
維持・保留:68.2%
廃止・減床:9.6%

近未来のオフィスについて、本社と拠点で戦略を尋ねた結果では、いずれも「(廃止・)減床」は1割未満にとどまり、むしろ「(新設・)増床」とした企業が2割前後になっています。残る約7割は「維持・保留」とし、テレワークが進展しても、オフィスニーズに減衰はみられないようです。

このほか今回の調査を通じ、良好なオフィス環境の整備や、エリアの多様性、各種アメニティ・サービスの発展は、働く人々の満足度や生産性を向上させることにつながるのはもちろん、企業のイノベーションを促進させ、ひいては都市の国際競争力を高めることにもなると分析されました。

機能集約とテレワーク環境の並行した整備に、新たなオフィスニーズの拡大可能性が見込まれ、こうしたニーズをとらえた提案が有効になっていくとみられています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は不動産協会ニュースリリース資料より)


▼外部リンク

一般社団法人不動産協会 ニュースリリース「オフィスの未来に関する調査」について
https://www.fdk.or.jp/f_suggestion/office.html

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