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【pickupニュース】不動産業への融資、額は増加も姿勢は慎重化

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CBREが日本国内初のレンダーアンケートを実施
世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社として活動するCBREグループの日本法人、シービーアールイー株式会社は4日、日本では初となる「CBREレンダーアンケート2018」を実施、その結果をとりまとめて公開しました。国内不動産投資に融資する事業者を対象とした市場見通しや融資方針に関するアンケートで、今後毎年行われる予定となっています。

今回の調査は、2018年7月10日~8月3日の期間、調査票をメール送付する方法とWebサイトを通じた方法で、不動産ノンリコースローン従事者を対象として実施されました。対象企業数は42社、うち回答企業数が26社で回収率は62%でした。

・調査用語定義
シニアローン:裏付け不動産の第1順位の担保権等が設定された返済順位の高いタイプの貸付
メザニンローン:裏付け不動産に設定される担保権等が第2位以下でシニアローンより返済順位が劣後するタイプの貸付
LTV:貸付金額を不動産評価額で除したもの
スプレッド:貸付人設定による基準金利への上乗せ利率

・2018年度の新規融資額
【変わらない/増加する】
シニアローン:78%
メザニンローン:92%

2018年度における新規融資は、2017年度に比較してどうかという問いでは、「変わらない」または「増加する」と回答したレンダーが「シニアローン」で78%、「メザニンローン」では92%にのぼり、全体として増加見込みであることが分かりました。

・融資判断における重視項目
LTV:27%で最多

次に不動産ノンリコースローンの融資可否を判断する際に、最も重視する項目は何か尋ねたところ、最も多かったのは「LTV」で、資産評価額に対する融資金額の割合でした。27%のレンダーがこれを選択しています。

・融資対象について
【魅力あるアセット】
オフィス:50%
物流施設/ホテル:開発案件に取り組むレンダーが多数

【エリア】
1位:東京・首都圏
2位:大阪
3位:横浜
4位:福岡

融資対象については、アセットタイプとして「オフィス」を最も魅力的とするレンダーが半数にのぼりました。市場規模や情報量の多さ、流動性の高さが評価されたようです。物流施設とホテルについては、開発案件に取り組むケースが他のアセットに比較して多い傾向がみられ、既存ストックの量に対し開発案件が多い現況が反映されたと考えられています。

オフィスビルへの融資対象エリアでは、やはり東京・首都圏が最も魅力的とされ、次いで大阪、横浜となりましたが、4位には福岡がランクインしています。地方都市のオフィス市況は、引き続き需給の引き締まった状態で推移するとみられ、賃料がさらに上昇する期待感が高まって、レンダー評価も上がってきているようです。

融資基準LTVは低下、スプレッドは拡大傾向
・東京プライムアセット融資基準
【スプレッド】
シニアローン:80~90bps
メザニンローン:250~340bps

【LTV】
シニアローン:50~70%
メザニンローン:70~80%

オフィス、商業施設、物流施設、賃貸マンション、ホテルを対象アセットタイプとし、東京のプライムアセットと位置づけられる優良物件を融資対象とした場合で、融資基準について調査し分析したところ、スプレッドはシニアローンが80~90bps、メザニンローンが250~340bpsで、LTVはシニアローンが50~70%、メザニンローンは70~80%となっていました。

LTVの水準でみると、リーマンショック前ではこれを大きく上回る案件が多かったため、昨今のレンダーにおける融資姿勢は、より慎重になっているとも考えられます。

・デットマーケット最大の脅威
国内外の経済ショック:38%
予想を上回る急速な金利上昇:19%

デットマーケットにおける最大の脅威は何かという問いでは、「国内外の経済ショック」が最多回答で38%でした。具体的には、災害や国際政治情勢、米国発の貿易摩擦などが懸念されています。次いで多かったのは「予想を上回る急速な金利上昇」の19%で、長く続く低金利状態からの今後における動向が注視されていることがうかがわれました。

・今後1年間の見通し
不動産価格:上昇
融資基準LTV:低下
融資基準スプレッド:拡大

今後1年間の見通しについては、多くのレンダーが不動産価格が上昇するとみる中、融資基準のLTVは低下し、スプレッドは拡大すると予想しています。投資家の旺盛な不動産取得意欲は引き続き発揮される見込みですが、レンダーは個別物件の収益安定性やロケーション、LTV水準を厳しく見極め、スポンサー選別も行う慎重姿勢をとっていくようです。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

シービーアールイー株式会社 ニュースリリース(プレスリリース)
https://www.cbre.co.jp/

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