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高く売るために知っておきたい!不動産の価格指標

相場なんてあってないようなもの?
資産の中でもまとまった金額のものとなる不動産ですが、ひとつとして同じものがないのが不動産の特徴でもあり、いざ売却したいと考えても、いくらくらいなら売れるのか、提示された価格は妥当か、判断することは容易ではありません。

立地条件や上物の有無、状態程度、周辺環境、敷地の形状に道路条件、予定されている近隣都市計画・再開発の影響など、不動産価格はさまざまな要素に左右されます。実際の不動産売買では、相場がどうであれ、取引する相手との合意があればよい話ですから、売主にとって理想的なニーズがあり、高い価格で売却できればそれに越したことはないのですが、やはりその評価が高いかどうか分からなければ判断できませんから、それに困らないだけの相場観は、最低限必要です。

信頼できる不動産業者に相談し、プロから見た意見を聞くのも参考になる方法ですが、より納得した結果を得るためにも、自ら調べ、客観的にどのくらいの価値があるとみられるのか、事前に目安をつけておきたいですね。

そこで今回は、一般的な商品とは異なって価格がつかみにくいとされる不動産について、その売買における価格指標をみていくこととしましょう。

主な価格指標について知ろう!
不動産の価値を知るための価格指標には、調査主体や観点・目的の違う4つのものが主なものとして存在します。まず、これらをひとつずつみていきます。

「地価公示価格」というのは、国土交通省が全国約26,000カ所に定めた地点ごとに、不動産鑑定士に価格評価を行わせて、毎年3月頃にデータ公表するものです。その年の1月1日時点における標準地1平米あたりの価格が示されており、最新の取引事情や収益性なども加味されることから、およそ時価に近い値を知ることができます。

売却したい不動産の近隣地点となっている標準値の価格を参考にすることで、市場価値がどの程度かを知ることができるでしょう。

「基準地価格」と呼ばれる指標もあります。これは、都道府県知事名で各自治体が不動産鑑定士に評価を依頼、毎年7月1日時点での、基準地1平米あたりの価格を明らかにするものです。公共用地の適正な取得価額を算定するためにも用いられており、地価公示価格と同様、近隣ポイントをチェックすることで参考価格が分かります。

地価公示価格とは発表時期が半年異なっているほか、調査対象の地点にも違いがみられるため、あわせて参照すれば、より正確な相場をつかむことができやすくなります。

ニュースなどでは「路線価」という言葉もよく耳にされるでしょう。これは「相続税評価額」とも呼ばれ、国税庁から発表される指標です。地価公示価格や実際の売買取引事例、不動産鑑定士による評価などをもとに作成されており、ここから相続税や贈与税、地価税といった税金の算定を行います。

主要道路に面した標準的な宅地、1平米あたりがいくらになるかを評価しており、地価公示価格の8割程度の価額になっていることが一般的で、不動産の個別性は考慮されていない点に注意が必要です。

総務省のもと、市町村長が国の「固定資産評価基準」をもとに算定した指標として発表する「固定資産税評価額」もあります。こちらは地価公示価格の7割程度が一般的で、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税といった税額を決める際に用いられています。

原則3年に1度、1月1日に見直しを行って明らかにするものとなっており、相続税評価額と同様、標準の目安にはなりますが、個別性や実取引は反映されず、その点で乖離が発生することもある点を頭に入れておきましょう。

実際の成約取引状況が分かる方法もチェック!
こうした公的な主要指標に加え、やはり実際に成約となった過去の取引状況も把握しておきたいですね。そうした時には、国土交通省がまとめている「不動産取引価格情報」が役に立ちます。

同省の土地総合情報システム、「不動産取引価格情報検索」ページにアクセスし、取引時期や不動産種別、地域など条件を指定すると、該当する実際の物件取引について、その取引総額や土地面積、坪単価、建物延べ面積、間取り、構造種別、取引時期といった詳細なデータを閲覧することができます。

すべての成約事例ではなく、国土交通省が取引当事者に依頼して行ったアンケート調査の結果をとりまとめたものですが、地図上からの検索や、細かな絞り込みにも対応し、多くの取引事例データを収めていますから、大いに参考となるでしょう。

ほかに、国土交通大臣が指定した全国の不動産流通機構4団体で構成される、全国指定流通機構連絡協議会がまとめ、情報提供を行っている「レインズ・マーケット・インフォメーション」も参考になります。機構が管理する、具体的な不動産取引価格の情報が掲載されており、「不動産取引価格情報」と同様に、信頼の置けるものとして活用できます。

いかがでしたか。それぞれの価格指標がもつ意味や特性を知った上で利用することによって、より実際の取引価格に近い相場観をもつことができるようになります。ぜひ多角的に検証し、適正価格をつかんで、納得のいく高額売却を目指してみてください。

(画像は写真素材足成より)

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