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【pickupニュース】21年1月の東京オフィスビル空室率、11カ月連続の上昇に

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三鬼商事が最新のオフィスマーケットデータを公開
三鬼商事株式会社(以下、三鬼商事)は10日、オフィスマーケットデータを更新し、全国主要都市の2021年1月におけるオフィスビル最新市況を発表しました。東京ビジネス地区のほか、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡の各エリアにおける動向をみることができます。

この調査における東京ビジネス地区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心5区を指し、調査対象はこのエリア内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所となっています。その他、調査における各用語の定義は下記の通りです。

・調査用語定義
新築ビル:調査月を含め過去12カ月間に竣工したビル
既存ビル:調査月の12カ月前までに竣工したビル

2021年1月調査における東京ビジネス地区の新築ビルに該当するのは28棟で、既存ビルが2,571棟、よって対象ビルの合計は2,599棟でした。

・東京ビジネス地区オフィスビルの空室率動向
全体平均:4.82%(前月比+0.33ポイント、前年同月比+3.29ポイント)
新築ビル:3.64%(前月比+0.69ポイント、前年同月比+0.27ポイント)
既存ビル:4.85%(前月比+0.31ポイント、前年同月比+3.37ポイント)

2021年1月の東京ビジネス地区オフィスビルにおける平均空室率は4.82%で、前月より0.33ポイント、前年同月より3.29ポイント悪化しました。2020年2月には1.5%を下回るまでに低下していた空室率ですが、11カ月連続の上昇で、ついに4%台の後半へ突入しています。

1月は新築ビルが概ね高稼働で竣工を迎えるものとなった一方、既存ビルで大型空室の募集開始やオフィスの集約などに伴う解約が発生し、東京ビジネス地区全体の空室面積が増加しました。この1カ月で約26,000坪の空室面積が新たに生じています。

新築ビルの空室率は3.64%で、前月より0.69ポイント上昇、前年同月に比べても0.27ポイントの上昇となりました。前月までは2%台を保っていた新築ビルの空室率も3%台になっています。1月に竣工を迎えたビルでは高稼働となったものの、満室稼働の大規模ビル2棟が既存ビル区分へ移行したことなどが影響し、空室率アップとなりました。

既存ビルの空室率は4.85%で、前月より0.31ポイント、前年同月より3.37ポイント上昇しました。2020年の年頭、1~3月には1.4%台と記録的な低さで推移していた空室率ですが、新型コロナの感染拡大を背景に、夏以降上昇傾向が目立つようになり、5%も視野に入る水準へと悪化してきています。

1月は既存ビルでも一部で成約の動きがみられましたが、大型募集の開始やオフィス集約などの解約が続いたことが響き、空室率が上昇しました。

平均賃料も下落傾向を継続
・東京ビジネス地区オフィスビルの平均賃料動向
全体平均:月額坪あたり21,846円(前月比-153円、前年同月比-602円)
新築ビル:月額坪あたり31,266円(前月比-512円、前年同月比+1,891円)
既存ビル:月額坪あたり21,653円(前月比-120円、前年同月比-548円)

2021年1月の東京ビジネス地区オフィスビルにおける平均賃料は、共益費を除いた税別の金額で、月額坪あたり21,846円となりました。前月に比べ153円、率にして0.70%の下落となったほか、前年同月比でも602円、率にして2.68%の下落になっています。平均賃料の下落は、これで6カ月連続となりました。

2020年7月に記録した月額坪あたり23,014円をピークに、緩やかな下落傾向となった平均賃料ですが、12月になって22,000円を割り込み、1月もさらに下げる結果となっています。

新築ビルの平均賃料は、月額坪あたり31,266円で、前月より512円下落しました。ややまとまった下落幅で、新築募集時から賃料が低下してきていることが分かります。ただし前年同月比では、なお1,891円の上昇を維持しました。

既存ビルの平均賃料は、月額坪あたり21,653円で、前月より120円、前年同月より548円の下落となっています。空室率の上昇も背景に、賃料条件を見直す動きも進んでいると推察され、高騰傾向にあった市場に明らかな変化の確認される状態が続いています。

・地区別動向
【空室率】
千代田区:3.52%(前月比+0.29ポイント、前年同月比+2.27ポイント)
中央区:4.10%(前月比-0.03ポイント、前年同月比+2.86ポイント)
港区:6.54%(前月比+0.75ポイント、前年同月比+4.78ポイント)
新宿区:4.34%(前月比+0.17ポイント、前年同月比+2.72ポイント)
渋谷区:5.23%(前月比-0.11ポイント、前年同月比+3.14ポイント)

【平均賃料】
千代田区:月額坪あたり23,485円(前月比-137円、前年同月比-966円)
中央区:月額坪あたり19,554円(前月比-169円、前年同月比-579円)
港区:月額坪あたり22,201円(前月比-115円、前年同月比-434円)
新宿区:月額坪あたり19,719円(前月比-224円、前年同月比-325円)
渋谷区:月額坪あたり23,588円(前月比-228円、前年同月比-1,803円)

地区別に2021年1月のオフィスビル市況をみると、空室率は中央区と渋谷区が前月比で低下となったものの、それ以外の区は上昇し、前年同月比では全ての区が上昇を記録しました。とくに港区の悪化傾向が顕著で、前月より0.75ポイント、前年同月より4.78ポイント上昇し、6.54%にまで上がっています。

最も低い水準にあるのは千代田区で、前月に比べ0.29ポイント上昇したものの、唯一3%台を維持し、3.52%となりました。

平均賃料は、全ての区が前月比、前年同月比ともマイナスになり、下落傾向が顕著となっています。最も下落幅が大きかったのは渋谷区で、前月より228円、前年同月より1,803円下げ、月額坪あたり23,588円となりました。もともと高水準な賃料にあった渋谷区ですが、前年同月と比較した下落幅は群を抜いて大きい状況となっています。

平均賃料が最も安価なのは中央区で、前月より169円、前年同月より579円低下し、月額坪あたり19,554円となりました。都心5区では、中央区と新宿区が2万円アンダーになっています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は三鬼商事「オフィスマーケットレポート 東京ビジネス地区 2021年2月号」公開資料より)


▼外部リンク

三鬼商事株式会社 オフィスマーケット情報 東京ビジネス地区データ提供ページ
https://www.e-miki.com/market/tokyo/index.html

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