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【pickupニュース】コロナ禍における建設業、ICT化で変わる?期待と不安の現場

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アーキ・ジャパンが建設業界における新型コロナの影響を調査
株式会社アーキ・ジャパンは7月30日、建設業界における施工管理職、および設計職を対象としたコロナ禍での働き方に関する実態調査を行い、その結果をとりまとめて公開しました。

さまざまな業界に影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症は、建設・不動産業界にも影や変化をもたらしています。建設業界では、とくに工期の遅れや延期などが問題となりました。調査では、そうした現場への影響や今後のテレワーク、ICT化について、動向を調べています。

調査は、ゼネラルリサーチ協力のもと、2020年7月7日~7月8日の期間、施工管理職と設計職の人を対象に、インターネット・アンケート方式で実施、1,104人から有効回答を得ました。

・新型コロナで発生した業務上の変化
工事の中止・工期の延期:48.2%
打ち合わせや会議の中止・延期:37.0%
資材の納期遅延:35.8%
工事のキャンセル:33.7%
作業員の不足:12.1%
その他:2.9%

まず新型コロナウイルス感染症の拡大によって発生した業務上の変化について、複数回答可で調べると、「工事の中止・工期の延期」が48.2%と最も多く、約半数にのぼっていました。次いで多いのは「打ち合わせや会議の中止・延期」で37.0%、3位が当初より話題となった「資材の納期遅延」で35.8%です。

「工事のキャンセル」も33.7%に発生していました。「作業員の不足」は、新型コロナ以前からの問題というケースも多かったかもしれません。いずれにしろ、現場作業でのこれまでにない遅れが生じているとみられます。

・新型コロナにより現場で取るようになった感染対策
マスク着用:67.1%
手洗い・うがいの徹底:55.4%
手などアルコール消毒の徹底:47.0%
3蜜を避けた人員配置:39.5%
フェイスシールドの着用:30.2%
毎日の検温:27.5%
必要最低人数での工事:20.1%
その他:0.8%

新型コロナウイルス感染症の拡大から、現場で新たに取るようになった感染対策を、こちらも複数回答可で尋ねると、「マスクの着用」が67.1%で最も多く、次いで「手洗い・うがいの徹底」の55.4%がランクインしました。3位には「手などアルコール消毒の徹底」が47.0%で入っています。

日常生活でも、基本ながら効果が高いとされた感染対策が、建設現場でもしっかりと導入されています。また、今回の感染で1つのキーワードともなっている、密閉・密集・密接の3密に関し、「3蜜を避けた人員配置」も39.5%で実践されていました。

フェイスシールドの着用や、日々の検温のほか、人数も必要最低に絞り込むなど、対策実施がそもそも難しい事情にあると考えられる現場でも、多くの工夫がなされていると分かります。

現場作業はテレワーク化が困難、可能な業務では残業が6割超で減少
・テレワーク化について
【テレワーク化された業務】
・施工計画や取引先との情報共有
・予算作成や工程表管理
・工期管理の打ち合わせ
・現場における監督業務
・打ち合わせや事務処理

【テレワークされていない業務】
・会社にある資料確認や経費精算
・現場作業や監督巡回
・現場の立ち会いなど
・現場管理や安全管理など
・秘密保持が求められる書類作成など

コロナ禍では、テレワーク化が急速に進みました。建設業界の施工管理職や設計職ではどうだったか、テレワークの浸透度合いを調査したところ、施工計画や工程表管理、打ち合わせなど机上作業や事務処理関連で、テレワーク化が進んでいました。

一方、テレワーク化できていない業務として、現場での作業が多く挙がり、具体的には、立ち会いや現場管理、安全管理などとなっています。ほかに、社内の資料確認や経費精算を挙げる声や、秘密保持が高レベルに求められる書類作成という声もありました。これらは工夫次第でテレワークも可能な業務ですが、切り替えになお不安やリソース不足があるのかもしれません。

現場作業に関しても、監督業務については、テレワーク化したケースも報告されており、やり方によっては対応させられる部分、導入可能な部分も残されている可能性はあるでしょう。

・テレワーク化による残業時間
減った:62.6%
減っていない:37.4%

・テレワークによる働き方での改善点
移動負担の減少:44.1%
残業時間の減少:24.3%
事務作業の効率アップ:16.3%
打ち合わせの効率化:8.2%
ワークライフバランスの改善:5.4%
その他:1.7%

テレワーク化により、残業時間がどうなったかという問いでは「減った」という人が62.6%にのぼり、働き方改革として一定の効果がみられている結果となりました。建設業界では残業時間の長さもたびたび問題となってきたことから、これまでの大きな課題が解決されるきっかけになるかもしれません。

働き方で改善された部分としては、「移動負担の減少」が44.1%で最も多く、2位が「残業時間の減少」の24.3%、3位に「事務作業の効率アップ」の16.3%がランクインしました。

・今後予測される現場の変化
現場管理のリモート化:30.7%
人員配置の見直し:27.1%
デジタルツールの導入:25.0%
人手が必要な業務の負担軽減:14.4%
その他:2.8%

今後、現場にどのような変化が起きると思うか尋ねた結果では、「現場管理のリモート化」が進むと考える人が30.7%と最も多く、次いで「人員配置の見直し」が行われるという人が27.1%で多くなっていました。

「デジタルツールの導入」も25.0%と、4人に1人が進むと考えています。コロナ禍を経たことで、テレワーク化やデジタル化は困難と考えられてきたシーンにおいても、リモート管理など、現代に合った変化が生じていくとみている人が多いようです。

・今後のICT化について
進めてほしい:52.3%
進めなくてもいい:24.7%
よく分からない:23.0%

・ICT化に期待すること
業務プロセスの効率化:32.8%
業務の省力化:29.5%
人材不足の解決:24.8%
コストの削減:11.4%
その他:1.5%

IT技術の中でも、情報共有技術を中心に指す「ICT」に注目が集まってきていますが、こうした建設業界でのICT化について、どう感じるか考えを問うたところ、「進めてほしい」人は52.3%でした。過半にのぼりましたが、「進めなくてもいい」という消極派も24.7%と少なくありません。また「よく分からない」という回答も23.0%にみられました。

メリット・デメリットを踏まえ、現場の理解・啓発を進めながら、丁寧に導入していくことが求められそうです。ICT化に期待することとしては、「業務プロセスの効率化」が32.8%と、全体の約3分の1で最も多く、2位は「業務の省力化」の29.5%でした。3位に「人材不足の解決」が24.8%で入っています。

これまで手間のかかっていた業務における効率改善を中心に、業界の課題解決へ道を拓くものとなることが期待されていると分かりました。

新型コロナウイルス感染症は、工事の中止や工期延期、打ち合わせの中止・延期などによる作業遅延、キャンセルの増加と、さまざまな負の影響を、建設業界にももたらしていました。

一方で、テレワーク化、ICT化が推し進められるきっかけともなり、今後の現場業務における変化が見込まれる状況も生み出しています。長年の課題解決、業務負担の軽減につながっていくのか、サービスに変化は生じるのか、今後の動向が注視されるでしょう。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

株式会社アーキ・ジャパンによるプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000036400.html

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