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【pickupニュース】首都圏中古M成約の中心は築10年超20年以下物件、今後はさらに経年化か

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都市未来総合研究所が最新のマーケットレポートを公開
みずほフィナンシャルグループの不動産専門シンクタンクである株式会社都市未来総合研究所は3月27日、2020年4月号となる「不動産マーケットレポート」の公開を開始しました。首都圏中古マンション流通市場での、築年数区分による物件構成変化など、注目すべき最新トレンドがまとめられています。

・首都圏中古マンションの流通動向
【新規登録件数】
2008年:約2.8万件
2010年:約2.3万件
2012年:約3.0万件
2014年:約2.7万件
2016年:約3.15万件
2017年:約3.2万件
2018年:約3.4万件
2019年:約3.3万件

【平均築年数】
2008年:約16.5年
2010年:約17.5年
2012年:約18.7年
2014年:約19.2年
2016年:約20.1年
2017年:約20.4年
2018年:約20.8年
2019年:約21.4年

【成約件数】
2008年:約2.9万件
2010年:約3.1万件
2012年:約3.1万件
2014年:約3.4万件
2016年:約3.75万件
2017年:約3.75万件
2018年:約3.76万件
2019年:約3.77万件

首都圏における中古マンションの流通市場を、東日本レインズのデータでみると、新規登録件数は、2008年から2014年頃までは上下に変動し、中央値で2.8万件程度でしたが、それ以降はおよそ緩やかな増加傾向にあります。

またその平均築年数は、一貫して上昇傾向にあり、2008年には約16.5年でしたが、2016年には20年の大台を突破し、最新の2019年値では21年を上回りました。

成約件数については、2008年時点で3万件を下回る程度でしたが、2009年から2011年にかけての減少を経験したのち、2013年にかけて大きく上昇、2014年にはいったん3.4万件程度にダウンしましたが、再び上昇傾向となり、直近の数年間はほぼ横ばいながら、ごく緩やかに増加を続けています。これにより、2019年の成約件数は過去最高を更新するものとなりました。

中古マンションの流通市場は拡大傾向で、成約件数が増加してきているといえます。

・築年区別新規登録件数
【2008年】
築10年以下:約5.8万件
築10年超築20年以下:約4.5万件
築20年超築30年以下:約4.3万件
築30年超:約2.4万件

【2019年】
築10年以下:約3.2万件
築10年超築20年以下:約4.7万件
築20年超築30年以下:約4.4万件
築30年超:約8.1万件

・築年区別成約件数
【2008年】
築10年以下:約1.12万件
築10年超築20年以下:約0.76万件
築20年超築30年以下:約0.63万件
築30年超:約0.39万件

【2019年】
築10年以下:約0.81万件
築10年超築20年以下:約1.21万件
築20年超築30年以下:約0.71万件
築30年超:約1.02万件

新規登録件数と成約件数について、4つの築年区分で分析すると、新規登録では、2008年時に最も多かった「築10年以下」が減少傾向で、2019年には最も少ない帯域となっていました。逆に「築30年超」はわずかに減少した年もあるものの、急増傾向で2019年には圧倒的トップの帯域に。築10年以下と比較すると約2.5倍の登録件数がみられました。

成約件数では、やはり2008年時には「築10年以下」がトップであったところ、その割合は減少傾向で、2019年には「築20年超築30年以下」に次いで少ない成約件数となっていました。この「築20年超築30年以下」の帯域は、これまでほぼ横ばい傾向で推移してきています。

増加傾向が目立つのは「築10年超築20年以下」と「築30年超」で、「築30年超」の経年化が進んだ物件は、2008年には最も少ない帯域で限られた成約件数になっていましたが、2019年には2番目に多い帯域まで上昇、件数も2008年時の約2.5倍に増加しています。

また「築10年超築20年以下」物件では、成約増加傾向が続いており、2014年以降トップ帯域を維持、2019年も1.2万件を超える成約がありました。市場を支える人気の帯域となっています。

今後の成約では築20年超物件が増加の見通し
・築年区別ストック戸数
築10年以下:約60万戸
築10年超築20年以下:約104万戸
築20年超築30年以下:約79万戸
築30年超:約133万戸

2019年12月末時点の築年数別ストック戸数を、同じく4つの区分でみると、「築10年以下」が最も少ない約60万戸、「築30年超」が最多の約133万戸でした。築30年以下では「築10年超築20年以下」が約104万戸と多くなっています。それぞれの帯域におけるストック戸数には、比較的大きなばらつきがみられた点がポイントとして挙げられます。

・ストック戸数と成約件数の変動率(2009年~2019年)
【築10年以下】
ストック戸数変動率:約-43%
成約件数変動率:約-23%

【築10年超築20年以下】
ストック戸数変動率:約+33%
成約件数変動率:約+48%

【築20年超築30年以下】
ストック戸数変動率:約+8%
成約件数変動率:約+3%

中古マンションのストック戸数の多寡は、新規登録件数に影響を与え、成約件数にも反映されていきますが、その基礎資料としてストック戸数と成約件数の関係をみると、2009年~2019年の変動率は、ストック戸数と成約件数に類似性がみられ、それぞれの増減に相関関係があることが考えられました。

・築年区別ストック戸数予測推計
【2019年】
築10年以下:約60万戸
築10年超築20年以下:約104万戸
築20年超築30年以下:約79万戸
築30年超:約133万戸

【2029年予想】(変動率)
築10年以下:(今後竣工分)
築10年超築20年以下:約60万戸(-43%)
築20年超築30年以下:約104万戸(+33%)
築30年超:約212万戸(+59%)

減失戸数を考慮しない条件で、2019年データをもとに、10年後の2029年におけるストック戸数を推計すると、「築10年超築20年以下」の物件は43%の減少になり、「築20年超築30年以下」が33%増加、「築30年超」で59%増加する見通しになりました。

先のストック戸数と成約件数の変動率における相関関係から考えると、10年後には、成約件数の中心が、現在の「築10年超築20年以下」物件から、築20年超物件へと移行、これら経年化の進んだ帯域で増加してくると見込まれています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像は都市未来総合研究所「不動産マーケットレポート 2020年4月号」公開資料より)


▼外部リンク

株式会社都市未来総合研究所 「不動産マーケットレポート」資料提供ページ
http://www.tmri.co.jp/report_market/

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