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不動産総合情報サイト「LIFULL HOME'S」の運営などを手がける株式会社LIFULLは4日、2020年版の「LIFULL HOME'S 住みたい街ランキング」を作成、発表しました。首都圏、近畿圏、中部圏、九州圏といった地域別でみることができますが、今回は首都圏版の結果をご紹介します。

このランキングは、2019年1月1日～2019年12月31日の期間、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の「LIFULL HOME'S」ユーザーが、同サイトに掲載された賃貸物件・購入物件について、検索や問い合わせなどアクションを起こすことが多かった駅名や行政区について集計して作成されており、調査後の分析はLIFULL HOME'S総研によって行われました。

・首都圏版買って住みたい街（駅）ランキング
1位：勝どき（都営大江戸線）（前回比＋15ランク）
2位：恵比寿（JR山手線ほか）（前回比＋1ランク）
3位：三鷹（JR中央線ほか）（前回比＋27ランク）
4位：北浦和（JR京浜東北・根岸線）（前回比＋3ランク）
5位：東京（JR山手線ほか）（前回比＋133ランク）
6位：八王子（JR中央線ほか）（前回比－4ランク）
7位：浦和（JR京浜東北・根岸線ほか）（前回比－1ランク）
8位：町田（小田急小田原線ほか）（前回比＋12ランク）
9位：二子玉川（東急田園都市線ほか）（前回比＋24ランク）
10位：大井町（JR京浜東北・根岸線ほか）（前回比－5ランク）

まず、買って住みたい街ランキングでは、1位が「勝どき」となりました。2019年版の16位から大幅ジャンプアップで、初の栄冠に輝いています。都心回帰の動きが継続的にみられる中、都心周辺エリアが上位にランクインし、人気を高めていることがあらためて確認される結果でもあります。

「勝どき」エリアは、銀座や日本橋に近く、情緒ある街並みと最新トレンドを吸収して再開発により進化する環境の両方を身近に感じることができ、新宿などの都心主要エリアにアクセスしやすい交通利便性の良さも享受できることから人気があります。東京五輪開催に伴う都市インフラの整備が積極的に進むベイエリアでもあり、高い注目を集めたことがランクアップの一因でもあるでしょう。

五輪開催による街の注目度アップが影響したとみられるものでは、前回の138位から133ものランクアップとなった5位の「東京」や、前回154位から今回16位になった「渋谷」も挙げられます。これら、本来住宅地とはいえないエリアが、比較的上位にみられたのは、2020年の大きな特徴です。

一方で、前回3位の「恵比寿」が2位に、前回7位の「北浦和」が4位、前回2位の「八王子」が6位にとどまり、それぞれトップ10入りを維持するなど、首都圏において拠点性が高く、優れた生活利便性のある人気エリアは、引き続き上位ともなっています。物件価格と生活のしやすさでバランスの取れている人気の街は、現実的な選択肢の結果として、安定的な支持を得ているようです。

また、都市と郊外感のバランスの良さ、ショッピング施設の充実と交通アクセスの良さといったスペックを備える都心周辺エリアとして、3位の「三鷹」や9位の「二子玉川」も、大きく順位を上げてのトップ10入りとなりました。これら注目を集める街の特徴として、再開発が進展しているエリアや、今後予定されているエリアが多いこともポイントでしょう。

・首都圏借りて住みたい街ランキング
1位：池袋（JR山手線ほか）（前回同位）
2位：葛西（東京メトロ東西線）（前回比＋3ランク）
3位：川崎（JR京浜東北・根岸線ほか）（前回比－1ランク）
4位：本厚木（小田急小田原線）（前回比＋7ランク）
5位：大宮（JR京浜東北・根岸線ほか）（前回比＋2ランク）
6位：三軒茶屋（東急田園都市線ほか）（前回比＋3ランク）
7位：八王子（JR中央線ほか）（前回比＋3ランク）
8位：荻窪（JR中央線ほか）（前回比－2ランク）
9位：吉祥寺（JR中央線ほか）（前回比－1ランク）
10位：北千住（東京メトロ千代田線ほか）（前回比＋2ランク）

借りて住みたい街のランキングでは、「池袋」が4年連続のトップとなりました。合計8路線が乗り入れるビッグターミナル駅で、新しく生まれ変わった印象の街としても高い人気があります。多様なライフスタイル、ライフステージにあるそれぞれの人々にとって、みなが自分に合った生活利便性を確保しやすく、高い交通利便性があることは、池袋人気の原動力でしょう。とくに賃貸物件では、現状よりも便利なところに住みたいという生活者の意向が強く出るため、池袋が継続して1位を獲得する結果になっているのではとも分析されました。

2位にはベイエリアの「葛西」が、前回の5位から順位を上げてランクインしています。単身者向けの物件が豊富で、賃料が比較的安価であるほか、周辺の物価水準もリーズナブルとなっているため、お得感が強いことで人気になっているようです。

生活利便性と交通利便性がバランス良く優れているという点、さらに駅周辺の開発が進展していて快適に暮らせるという点で、3位に「川崎」、5位の「大宮」、6位の「三軒茶屋」などが強さをみせました。幅広い世代にとって使い勝手が向上したこれらのエリアは、より安全で便利に買い物などができる街を望む中高年層のニーズも引きつけるようになっています。

買って住みたい街ランキングに比べると、順位や上位の顔ぶれにおける変化は少なく、安定した人気がみられました。なお、買って住みたい1位の「勝どき」は、借りて住みたい街では191位と下位に沈み、大きな違いが表れています。購入するとなると、今後の資産価値上昇や、さらなる利便性の向上が見込めるかがポイントになりますが、賃貸の場合、比較的短期間の居住をイメージし、現在の利便性を重視する、資産価値はあまり重要視しないものとなるため、こうした結果になったと考えられます。

・首都圏買って住みたい行政区ランキング
1位：中央区（前回比＋1ランク）
2位：世田谷区（前回比－1ランク）
3位：港区（前回同位）
4位：船橋市（前回同位）
5位：文京区（前回比＋2ランク）
6位：渋谷区（前回比－1ランク）
7位：江東区（前回比＋5ランク）
8位：練馬区（前回比＋1ランク）
9位：新宿区（前回比－1ランク）
10位：品川区（前回比－4ランク）

買って住みたい行政区ランキングでは、「中央区」が前回より順位を1つ上げてトップに輝きました。2位は入れ替わりで「世田谷区」となっています。3位、4位は2019年と同じで、上位の顔ぶれに大きな変動はありませんでした。

中央区の1位獲得は、東京五輪開催に伴う資産価値や利便性向上を期待する向きが強いことと関係が深いでしょう。またもともと都心に位置していて、タワーマンション人気が高かったことも挙げられます。

行政区の場合、街（駅）に比べ、住み心地や地域特性、交通面の条件などで大きな変化を感じることが少ないためとみられています。

船橋市が東京都以外で引き続き4位と、上位をキープしている点は注目されるところで、都心の物件価格が長く高騰していることが背景にあるでしょう。それを回避して交通利便性の良さとのバランスを考えた現実的選択肢を考えるとき、人気のエリアとして浮上しているとみられます。

・首都圏借りて住みたい行政区ランキング
1位：世田谷区（前回同位）
2位：杉並区（前回同位）
3位：新宿区（前回同位）
4位：大田区（前回同位）
5位：足立区（前回比＋2ランク）
6位：練馬区（前回同位）
7位：品川区（前回比－2ランク）
8位：中野区（前回同位）
9位：豊島区（前回同位）
10位：板橋区（前回比＋1ランク）

借りて住みたい行政区のランキングは、ほぼ2019年と同様の結果になり、5位の「足立区」と7位の「品川区」が、それぞれ入れ替わった点と、「板橋区」が順位を1つ上げて、新たに10位にランクインしたほかは変動がありませんでした。また、トップ10内はすべて東京23区内の行政区で占められています。

しかし東京23区の人気が安定して高いといっても、千代田区は50位とごく低位になりました。賃料水準がきわめて高いことが、賃貸派にとってマイナスに作用していると考えられます。

この賃料水準要素から、都心行政区はやや下位になりやすい傾向があり、一方で都心としては相対的にやや安い賃料のエリアがある新宿区などは、3位となっています。賃料バランスは、やはり行政区人気に大きな影響を与えるといえるでしょう。

交通利便性や生活利便性と賃料のバランスが整えば、東京23区以外の行政区も徐々に注目されてきています。買って住みたい行政区で4位となった船橋市が、こちらでも22位にランクインしたことは、その例として報告されました。

17位の「市川市」、20位の「川口市」、22位の「八王子市」なども、都心部からはやや離れていますが、都心へのダイレクトアクセス可能な鉄道路線を有しており、生活利便性も高く、賃料水準との関係で、今後順位を上げてくる可能性があるとみられています。

ピックアップニュースは以上になります。
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（画像はプレスリリースより）


▼外部リンク

株式会社LIFULLによるプレスリリース（PR TIMES）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000033058.html