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【pickupニュース】耐震補強工事、課題はコストで100万円台が鍵か

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木耐協が最新の耐震診断に関する調査結果を公開
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は18日、最新の調査データとして、耐震診断に関する基本データと診断実施者を対象とするアンケートの結果をとりまとめた資料の公開を開始しました。

調査は、1950~2000年5月までに着工した木造在来工法2階建て以下の住宅における耐震診断で、診断期間は2006年4月1日~2019年7月31日、その結果詳細を把握することができた27,235件を対象としています。

・耐震診断結果
倒壊しない:366件(1.34%)
一応倒壊しない:1,981件(7.27%)
倒壊する可能性がある:4,657件(17.10%)
倒壊する可能性が高い:20,231件(74.28%)

まず、一般社団法人日本建築防災協会の一般診断法に基づいて行った耐震診断の結果では、診断結果評点で4段階集計を行うと、「倒壊しない」という最も高い評定を受けた住宅は366件で、全体のわずか1.34%でした。「一応倒壊しない」は1,981件で、7.27%、ここまでが現行の耐震性を満たすとされる住宅ですが、合計しても1割に達していません。

最もリスクのある「倒壊する可能性が高い」とされたのが20,231件で、全体の74.28%をも占める結果となっていました。

・耐震補強工事について
平均施工金額:167万6,637円
施工金額中央値:140万0,000円
平均築年数:37.09年

耐震補強工事の施工金額は、平均値で167万6637円、中央値はそれよりやや低い140万円、平均築年数は37.09年でした。

・耐震補強工事を考えにくい理由
耐震性は十分:15.99%
補強費用が高い:43.90%
建て替えを検討:13.08%
地震が来たら仕方がない:27.03%

耐震診断依頼者のうち、今後の耐震補強工事は考えていないとした人を対象として、なぜ考えないかその理由を尋ねたところ、「補強費用が高い」が最多回答の43.90%で、やはり費用面がネックであることが示されました。また「地震が来たら仕方がない」という人も27.03%と次いで多く、耐震性の低さを重大なリスクととらえられていない傾向もうかがわれます。

・年代別の考えにくい理由傾向
【耐震性は十分】
50歳未満:20.8%
50代:21.2%
60代:16.5%
70代:14.3%
80歳以上:12.5%

【補強費用が高い】
50歳未満:54.2%
50代:51.5%
60代:46.5%
70代:37.5%
80歳以上:41.7%

【建て替えを検討】
50歳未満:25.0%
50代:15.2%
60代:11.0%
70代:12.5%
80歳以上:12.5%

【地震が来たら仕方がない】
50歳未満:0.0%
50代:12.1%
60代:26.0%
70代:35.7%
80歳以上:33.3%

耐震工事を考えにくい理由を、回答者の年代別で分析すると、いずれの年代でも「補強費用が高い」が最多であることに違いはありませんでしたが、年齢が若いほど価格にシビアで、50歳未満が54.2%と最も高く、70代とは15ポイント以上の差がありました。80歳以上になると、再びやや増加し、41.7%となっています。

50歳未満の世代では、「建て替えを検討」しているからという回答率が25.0%と、他の年代に比べて大幅に高い特徴がありました。一方、70代、80歳以上といった高齢層では、「地震が来たら仕方がない」と考える人が多く、それぞれ35%前後にもなり、3人に1人超はこうした“諦め”の傾向をもっていることが分かりました。

実際の工事費額と検討予算には開き
・補強工事検討者の予算感
50万円未満:19.33%
50~100万円未満:33.19%
100~200万円未満:26.47%
200~300万円未満:14.71%
300万円以上:6.30%

続いて、今後耐震補強工事の実施を考えているという人に、いくらくらいかけられるか予算を尋ねると、最多は「50~100万円未満」の33.19%で、「100~200万円未満」が26.47%、「50万円未満」が19.33%などと続きました。

この3つから、200万円未満を予算と考える人が約8割に及ぶことが分かります。100万円未満も約53%で過半になるため、可能ならば100万円アンダー、多くても100万円台で提案できるかどうかが、工事の決断を促すポイントになりそうです。

・年代別の予算感
【50歳未満】
50万円未満:42%
50~100万円未満:45%
100~200万円未満:6%
200~300万円未満:3%
300万円以上:3%

【50代】
50万円未満:37%
50~100万円未満:35%
100~200万円未満:19%
200~300万円未満:7%
300万円以上:2%

【60代】
50万円未満:23%
50~100万円未満:35%
100~200万円未満:23%
200~300万円未満:12%
300万円以上:6%

【70代】
50万円未満:13%
50~100万円未満:27%
100~200万円未満:34%
200~300万円未満:19%
300万円以上:8%

【80歳以上】
50万円未満:23%
50~100万円未満:33%
100~200万円未満:31%
200~300万円未満:10%
300万円以上:10%

補強工事の予算感をさらに年代別で分析すると、住宅の築年数の問題もありますが、年齢が若いほど予算として考えている額は低くなる傾向がみられ、50歳未満では100万円未満で考える人が87%にものぼっていました。これが50代になると7割強に、60代で6割弱に減少し、70代では4割にまで低下していました。

70代では、最多回答が「100~200万円未満」で34%となっていたほか、200万円以上で考えている人も27%と他の年代に比べて多くなっています。80歳以上では、再び100万円未満を望む人が増加しますが、200万円以上を見込む人も2割と、より若い年代に比べて高く、70代に次いで多い結果となっていました。

・補強工事実施者の工事金額
50万円未満:10.9%(予算感-8.4ポイント)
50~100万円未満:17.4%(同-15.8ポイント)
100~200万円未満:39.3%(同+12.8ポイント)
200~300万円未満:20.7%(同+6.0ポイント)
300万円以上:11.7%(同+5.4ポイント)

実際に耐震補強工事を行った人の工事金額データをみると、最も多いのは「100~200万円未満」の39.3%で、次いで多いのが「200~300万円未満」の20.7%でした。先述した工事検討者の予算感と比較すると、安価な金額ではなかなか収まらない状況がみてとれます。

とくに100万円未満では、約24ポイントの差がありました。200万円未満とすると12ポイント程度に縮まるものの、予算感と実際の工事金額には、かなり開きがあると分かります。丁寧な資金計画でより現実的かつ有効な耐震補強工事を目指したり、同年代の施工事例を参考に正しい相場感で予算を立てたりしていく必要があるでしょう。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 プレスリリース(調査資料)提供ページ
http://www.mokutaikyo.com/data.html

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