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【pickupニュース】首都圏借家60歳以上の単独世帯、2040年には90万世帯超に

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タスが最新の賃貸市場レポートを公開
トヨタグループで不動産評価サービスの「TAS-MAP」を提供する株式会社タスは6月28日、2019年6月版の「賃貸住宅市場レポート 首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版」の公開を開始しました。2019年4月期の賃貸住宅指標など各種データをみることができるほか、今回は居住者の高齢化が進む首都圏の賃貸住宅市場に関する調査レポートがあわせて提供されています。

・東京都の賃貸住宅指標
【東京都全域】
空室率TVI:13.06ポイント(前月比横ばい、前年同月比-0.47ポイント)
募集期間:2.74カ月(前月比-0.01カ月)
更新確率:38.98%
中途解約確率:42.16%

【東京23区】
空室率TVI:12.81ポイント(前月比+0.11ポイント、前年同月比-0.28ポイント)
募集期間:2.61カ月(前月比横ばい)
更新確率:39.18%(前月比-0.95ポイント)
中途解約確率:40.91%(前月比+0.76ポイント)

【東京市部】
空室率TVI:15.10ポイント(前月比-0.63ポイント、前年同月比-2.35ポイント)
募集期間:3.36カ月(前月比-0.08カ月)
更新確率:37.53%(前月比-2.18ポイント)
中途解約確率:48.30%(前月比+0.96ポイント)

2019年4月期の東京都における賃貸住宅指標をみると、東京都全域の空室率TVIは、前月比で横ばい、前年同月比で0.47ポイントの低下となる13.06ポイントでした。ごく緩やかな低下から横ばいといった推移を続けています。募集期間は前月比でわずかに短くなり2.74カ月、更新確率が38.98%で、中途解約確率はやや上昇の42.16%となっていました。

東京23区では、空室率TVIが前月より0.11ポイント上昇、前年同月比では0.28ポイントの低下ですが、12.81になりました。直近では13をやや下回る水域で小幅な変動をみせています。募集期間は、前月と同じ2.61カ月です。更新確率は0.95ポイント低下して40を割り込み、39.18%、中途解約確率が0.76ポイントの上昇で40.91%になりました。

東京市部の空室率TVIは、前月比で0.63、前年同月比で2.35といずれからも低下し、15.10ポイントとなりました。募集期間も前月より0.08カ月短くなり、3.36カ月になっています。一方、更新確率は2.18ポイント低下して37.53%、中途解約確率が0.96ポイントの上昇で48.30%となりました。

なお、東京都の空室率TVIで、マンション系は前月比0.01ポイントの上昇、前年同月比が0.50ポイントの低下でした。またアパート系は前月比0.16ポイントの上昇、前年同月比2.62ポイントの低下で、データに占めるアパート率は20.87%となっています。

・神奈川県の賃貸住宅指標
空室率TVI:16.46ポイント(前月比-0.04ポイント、前年同月比+0.22ポイント)
募集期間:4.04カ月(前月比+0.04カ月)
更新確率:37.70%(前月比-0.65ポイント)
中途解約確率:47.76%(前月比+1.73ポイント)

・埼玉県の賃貸住宅指標
空室率TVI:16.49ポイント(前月比+0.15ポイント、前年同月比-0.22ポイント)
募集期間:3.16カ月(前月比-0.03カ月)
更新確率:46.41%(前月比+1.01ポイント)
中途解約確率:40.49%(前月比-0.31ポイント)

・千葉県の賃貸住宅指標
空室率TVI:16.80ポイント(前月比-0.19ポイント、前年同月比+0.60ポイント)
募集期間:3.23カ月(前月比横ばい)
更新確率:47.37%(前月比+2.07ポイント)
中途解約確率:35.50%(前月比-0.71ポイント)

神奈川県、埼玉県、千葉県の空室率TVIをみると、埼玉県が前月比で上昇、前年同月比で低下となったのに対し、残る2県は前月比が低下、前年同月比が上昇と逆の傾向になっています。ただしいずれも変動幅は小幅で、それぞれ16.46ポイント、16.49ポイント、16.80ポイントとなりました。

募集期間は神奈川県がやや伸びて4.04カ月、埼玉県はやや短くなって3.16カ月と順調に契約が進む傾向がみられ、千葉県は3.23カ月で前月並みの動向になっています。

更新確率は神奈川県で前月より0.65ポイント低下し、37.70%となりましたが、埼玉県、千葉県は前月比で上昇を記録、それぞれ46.61%、47.37%と首都圏内でもとくに高い水準になっていました。

中途解約確率も、神奈川県のみ前月比で上昇、47.76%となりました。埼玉県、千葉県は逆に前月比で低下し、40.49%、35.50%になっています。とくに千葉県の低さは際立っており、首都圏内で唯一40%を下回る状況でもありました。

一方で東京市部と神奈川県の中途解約確率は、それぞれ48.30%、47.76%と高い水準にあり、推移をみても上昇傾向が続いています。このデータは、市場においてテナントの争奪戦が激しくなっていることを反映している可能性があると指摘されています。

増え続ける60歳以上単独世帯
・首都圏の2040年ファミリー世帯数(2015年比)
東京都:約151.5万世帯(-3%)
埼玉県:約77万世帯(-18%)
千葉県:約63.5万世帯(-18%)
神奈川県:約97.5万世帯(-18%)

2019年4月に国立社会保障・人口問題研究所が、2015年国勢調査のデータに基づいて推計し、発表した「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」から、タスが首都圏の家族形態別世帯数推移を予測した結果、とくに減少傾向で注目されるのが、夫婦と子どもから成るファミリー世帯の数でした。

首都圏の1都3県のうち、東京都を除く3県ではすでに世帯数の減少が始まっており、2040年にはそれぞれ2015年比で18%の減少になると見込まれています。一方、東京都は2025年まで微増で推移し、その後微減傾向に転じる見通しで、2040年は2015年より3%少ない、約151.5万世帯と推計されました。若年世帯を中心に、東京23区エリアへの都心回帰の動きも進むと考えられています。

・首都圏の2040年単独世帯数(2015年比)
東京都:約337.5万世帯(+7%)
埼玉県:約108.5万世帯(+20%)
千葉県:約96.5万世帯(+15%)
神奈川県:約158.5万世帯(+13%)

減少するファミリー世帯に対し、全地域で当面増加傾向となる見通しであるのが単独世帯です。埼玉県で2040年まで、残る1都2県で2035年まで増加傾向の推移になるとみられ、2040年の世帯数は2015年比で、東京都が7%増、埼玉県は20%の増加、千葉県が15%、神奈川県が13%の増加と推計されています。

・首都圏2040年の世帯数全体数(2015年比)
東京都:約616万世帯(+5%)
埼玉県:約250.5万世帯(+2%)
千葉県:約216.5万世帯(横ばい)
神奈川県:約341.5万世帯(横ばい)

全世帯数の数でみると、2040年は東京都が2015年より5%多い約616万世帯、埼玉県が2%多い約250.5万世帯と予測されたほか、千葉県と神奈川県はほぼ横ばいで、それぞれ約216.5万世帯、約341.5万世帯とみられました。

数値では安定した推移のように見受けられますが、持家の高齢者単独世帯や高齢者の夫婦のみ世帯、高齢者の一人親と子どもから成る世帯が増加を支える主体となることから、住宅需要の伸びは期待できない可能性が高いと分析されています。

・2040年の首都圏60歳以上単独世帯
【東京都】
割合:43%
持家:約100万世帯
民間借家:約44万世帯

【埼玉県】
割合:53%
持家:約43万世帯
民間借家:約14.5万世帯

【千葉県】
割合:53%
持家:約39万世帯
民間借家:約12.5万世帯

【神奈川県】
割合:51%
持家:約60万世帯
民間借家:約22.5万世帯

単独世帯において進行する高齢化は大きな問題で、単独世帯の数が横ばいもしくは減少に転じる2035年以降も、首都圏の1都3県すべてで60歳以上の単独世帯は増加する見込みになっています。2040年時点での60歳以上単独世帯割合は、最も低い東京都でも43%、残る3県は50%を超え、埼玉県と千葉県が53%、神奈川県で51%になるとみられました。

首都圏全体での2040年における60歳以上持家単独世帯は、約242万世帯で2015年比173%、60歳以上の民間借家世帯は約93.5万世帯で、2015年比155%にまで増加すると考えられています。

こうしたデータは、将来の賃貸住宅における管理・運営の難しさ、空き家・空室問題の深刻化をあらためて示すものとなっており、市場においても早急な高齢者対策が不可欠で、今後の動向として注視されるようになっています。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)
(分析:株式会社タス)


▼外部リンク

株式会社タスによるプレスリリース(アットプレス)
https://www.atpress.ne.jp/news/186759

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