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物件購入における損失を防ごう!「瑕疵担保責任」とはどんな意味?

普段なかなか目にすることがない「瑕疵」という言葉
不動産を購入する場合「瑕疵(かし)担保責任」という言葉を目にすることがあります。

「瑕疵」という言葉は、普段なかなか目にすることがないためにとても難しく感じられますが、不動産を購入するなら、万が一の場合に備える意味を含めて「瑕疵担保責任」という言葉の意味を抑えておきたいところです。

瑕疵担保責任とは?
「瑕疵担保責任」という言葉について理解する前に「瑕疵」という言葉について理解しておきましょう。

「瑕疵」について簡単に説明すると、本来持ち合わせている機能が備わっていないことを指し、欠陥があることを意味します。一般的に、瑕疵という言葉は不動産業界において用いられることが多く、建物に不具合がある状態を指します。

瑕疵という言葉の意味合いを理解した上で「瑕疵担保責任」という言葉について調べてみると、建物の不具合に対して責任を持つ、という意味合いを持ちます。

特に、瑕疵担保責任においては、外観からは見つけることができない欠陥に対して責任を負うケースがほとんどです。

物件を一目見ただけでは気がつかない欠陥としては、雨漏りが発生していることや、物件に傾きがあることなどがあげられます。これらの欠陥が発見された場合に、売主が買主に対して責任を負うことを「瑕疵担保責任」と呼んでいます。

瑕疵担保責任の期間はどれくらい?
それでは、売主が負う瑕疵担保責任の期間は、どのくらいなのでしょうか。

民法第570条および第566条を参照すると、売主が瑕疵担保責任を負う期間は、買主が瑕疵に気がついた時点から1年以内と定められています。

つまり、民法上においては、買主が「瑕疵に気がついた時点」から1年以内と定めているため、購入してから長い年数が経過した時点であっても、買主が瑕疵に気づけば、売主に対して瑕疵担保責任を追及できることになります。

しかし、その一方で、民法第167条においては、債権を10年間行使しなければその権利は消滅する、という内容が記載されています。そのため、民法を参考にした場合、10年間は瑕疵担保責任を負う必要があると言えるのです。

仮に古い物件であっても、売主が瑕疵担保責任を10年も負ってしまうことは、あまりにも厳しい条件と言えるのではないでしょうか。

そのような状況を防ぐため、中古物件の売主が個人である場合、瑕疵担保責任を負う期間を3か月程度に設定することがあります。なお、場合によっては、売主が買主から瑕疵担保責任を問われない「瑕疵担保責任免責」という条件をつけることもあるのです。

また、中古物件の売主が宅地建物取引業者であるならば、宅地建物取引業法に基づき、原則として買主に不利となる契約を結ぶことができませんが、瑕疵担保責任を負う期間を物件の引き渡し日より2年以上とすることは認められています。

つまり、宅地建物取引業者が中古物件を販売する場合、最低2年間は瑕疵担保責任を負うことになるのです。

新築物件の瑕疵担保期間はどれくらい?
ここまで、中古物件の瑕疵担保責任の期間についてみてきましたが、新築物件の瑕疵担保期間はどのようになっているのでしょうか。

新築住宅については「住宅品質確保促進法」という法律により、住宅建設を請け負った人は、10年間の瑕疵担保責任を負うことになっています。瑕疵担保責任を負う箇所は、住宅の構造において主要な部位となる柱や梁、基礎などにおける不具合や、雨漏りの発生原因となる箇所です。

新築住宅の瑕疵担保責任期間が長く設定されている理由は、住宅の購入が一生に一度となるほどの大きな買い物であり、住宅を購入してから数年程度で不具合が発生するようでは、新築物件を購入した意味合いがなくなってしまうためです。

新築の住宅で、長期間にわたって安心して暮らすことを考えれば、10年間の瑕疵担保責任は妥当な線と言えるのではないでしょうか。

ここまでみてきたとおり、不動産の購入においては、瑕疵担保責任は重要な意味合いを持つことが分かります。安心して不動産を取得するためにも、瑕疵担保責任の内容を事前に理解しておくことが大切です。

(画像は写真ACより)

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