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相続税ってどうやって決まるの?相続税の基本と計算方法②

【h2】相続税の計算方法
 【h3】ー相続税の計算方法
 【h3】ー3,600万円以下であれば相続税はかからない
【h2】相続税の計算例
【h2】相続税の申告
【h2】まとめ

遺産を相続するときに気になるのが相続税です。国民の義務である相続税ですが、できるだけ少なく納めたいと考えている人が多いのではないでしょうか。

今回は、相続税の基本と計算方法を解説します。わかりやすく計算例も紹介するので、相続税が気になる人は、ぜひご覧ください。

相続税の計算方法


亡くなった人から相続や遺贈、相続時精算課税制度で得た財産にかかるのが相続税です。

相続税がかかる財産は、現金や預貯金、金融資産、有価証券、不動産、自動車、ゴルフ会員権、美術品などの他、著作権など金銭に見積もることができるもの、亡くなったことによって得る財産(みなし相続財産)で、被相続人が生前に所有していたすべての財産と考えるとわかりやすいでしょう。

では、相続税は、どのように計算されるのでしょうか。

ー相続税の計算方法


1.被相続人の財産をすべて把握する
亡くなった人のプラスの財産(現金や預貯金、不動産など)とマイナス財産(借入金や未払い金、葬儀費用など)を計算して、プラス財産からマイナス財産を除いたものが課税遺産総額となります。

2.法定相続人の確認
相続税は、あらかじめ決められている法定相続分に応じて計算されます。そのため、遺言書があるケースを除いて、法定相続人を確認する必要があります。

法定相続人は、常に相続をする配偶者以外に第一順位、第二順位、第三順位となり上位の相続人がいる場合は、それよりも下の順位の人には民法上、相続されません。

3.生前贈与加算の対象になるかを確認
被相続人が法定相続人や遺言書に記した相続人に「生前贈与」を行っていた場合は、それが「生前贈与加算」の対象になることがあります。

加算される場合は、先に計算しておいた相続額に組み込まれることになるため、相続税の額が大きくなるので注意しましょう。

なお、生前贈与加算の対象になるのは、被相続人が亡くなる3年以内に贈与されたものです。同じように、贈与合計の2,500万円までが非課税になる「相続時精算課税制度」もありますが、この制度で生前に贈与した分も相続財産として加算されます。

4.遺産総額から基礎控除額を引く
相続財産から一定額差し引かれる基礎控除分の金額を引きます。この基礎控除額を超えた財産がある場合のみ相続税を支払う義務が生じます。

5.各相続人に残される遺産総額を計算する
課税対象額を元に、民法で定められた分配方法によって、法定相続分を算出していきます。

6.各相続人にかかる相続税を計算する
各相続人が手に入れる遺産額がわかったら、相続税率の早見表を元に各相続人にかかる相続税を計算します。

7.基礎控除額以外の控除額を計算する
6で算出された税額から控除額を差し引いて残った金額が納付税額になりますが、被相続人の配偶者、父母、子ども以外の人が財産を取得した場合は、税額控除額を差し引く前の相続税額に20%相当額を加算した後に税額控除額を差し引くことになります。

基礎控除額以外の控除は、主に「贈与税額控除」や「相続時精算課税制度における贈与税額控除」「配偶者控除」「未成年者控除」「障がい者控除」「相次相続控除」「外国税額控除」があります。

ー3,600万円以下であれば相続税はかからない


相続税を計算する上で大切になってくるのが基礎控除です。

基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)によって計算されるので、残された財産が3,600万円以下であれば相続税はかからず、申告する必要もありません。

なお、相続放棄した人や養子がいる場合は被相続人に実子がいるのであれば1人、いなければ2人まで法定相続人の人数に含まれます。

相続税の計算例


それでは、例を挙げて相続税を計算してみましょう。

相続人が配偶者と子ども2人、相続財産1億2,000万円、葬儀費用2,000万円として、配偶者が1億円、子どもが1,000万円ずつ相続するとします。

この場合、配偶者の1億円から葬儀費用を引いて配偶者8,000万円、子どもそれぞれに1,000万円で合計1億円が課税合計価格になります。この1億円から基礎控除額(3,000万円+(600万円×3人))4,800万円を差し引いた残金5,200万円が課税遺産総額になります。

次に課税遺産総額を法定相続分で按配すると配偶者が1/2の2,600万円、子どもがそれぞれ1,300万円となるので、これに相続税率をかけて控除額を引きます。

相続税率と控除額は取得金額によって異なりますが、この場合の相続税率はそれぞれ15%、控除額は50万円です。それを踏まえて計算すると、配偶者が340万円、子どもそれぞれが145万円、合計630万円が相続税額となります。

最後に各相続人が納付すべき相続税額を計算します。先ほどは、法定相続分で相続税の総額を計算しましたが、ここでは、それぞれが取得した課税価格の合計額に占める割合で算出されます。

この例の場合は、配偶者が80%、子どもが10%ずつになります。したがって、配偶者は630万円×80%で504万円、子どもはそれぞれ630万円×10%で63万円が相続税額です。

しかし、配偶者には「配偶者特例」が適用されるので、税額は0円となり、子ども二人分の126万円が支払うべき相続税額となります。

相続税の申告


相続税の申告は、相続開始があったことを知った翌日から10カ月以内を期限として定められています。

また、申告書は同じ被相続人から財産を取得した人が共同で作成して提出することもできますが、個別に提出することも可能です。

なお、申告書の提出先は、相続人の住所地にある税務署ではなく、原則として被相続人が亡くなったときに住んでいた住所地を管轄する税務署となるので注意が必要です。

納税するときは、期限内に金銭で一括納付が原則ですが、特別な納税方法として延納と物納制度があります。しかし、その場合も申告書の提出期限までに申請書を提出して許可を得る必要があります。

まとめ


相続税の基本と計算方法を解説しましたが、相続税は、相続が発生する前にきちんと準備をしておくことで、トラブルなどを防ぐことができます。

また、「土地の評価額を下げる」「小規模宅地等の特例」「農地相続の納税猶予特例」「非上場株式の納税猶予特例」などの特例措置もあるので、どのようなパターンが当てはまるのかをしっかり把握しておくことが大切です。

相続に関して「よくわからない」「少し複雑な事情がある」などの場合は、専門家に相談することをおすすめします。

(画像は写真ACより)


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