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国土交通省は17日、2020年5月分の「建設総合統計」をまとめ、資料の提供を開始しました。建築着工統計調査、建設工事受注動態統計調査から得られる工事費額を、着工ベースの金額としてとらえ、これを工事の進捗状況に合わせた月次の出来高に展開、月ごとの建設工事出来高として推計したもので、国内建設活動の動向を把握するため、同省によって作成されている加工統計になります。

・建設工事出来高概要
出来高総計：3兆7,008億円（前年同月比－2.1％）
民間総計：2兆3,127億円（前年同月比－7.1％）
公共総計：1兆3,881億円（前年同月比＋7.6％）

2020年5月における国内の建設工事出来高総計は3兆7,008億円で、前年同月に比べると2.1％の減少となっていました。例年、5月は該当年度内で最も出来高が少なく、底を記録する月となっていますが、今回はより低調化した傾向が強くみられています。

このうち、民間の施工主による工事出来高の総計は2兆3,127億円で、前年同月より7.1％の減少となっていました。減少幅が比較的大きく、この民間総計のマイナスが全体を押し下げる要因になりました。

これに対し、公共工事の出来高総計は1兆3,881億円で、前年同月より7.6％増加しました。こちらは活況で、民間総計における減少を一定程度補う、まとまった増加になっています。

・民間出来高総計の内訳
建築：1兆9,348億円（前年同月比－7.2％）
　うち居住用：1兆1,661億円（前年同月比－6.8％）
　うち非居住用：7,687億円（前年同月比－7.8％）
土木：3,779億円（前年同月比－6.6％）

民間の出来高総計について内訳をみると、いずれの項目も前年同月比で7％前後のマイナスになっていました。多くを占める「建築」は、2兆円を下回る1兆9,348億円で、前年同月より7.2％の減少となっています。「土木」も3,779億円にとどまり、前年同月比で6.6％の減少でした。

「建築」のうち「居住用」にかかるものは、前年同月比で6.8％の減少となる1兆1,661億円、「非居住用」が7.8％の減少にあたる7,687億円となっています。

・公共出来高総計の内訳
建築：3,273億円（前年同月比＋7.5％）
　うち居住用：436億円（前年同月比＋11.3％）
　うち非居住用：2,838億円（前年同月比＋7.0％）
土木：1兆608億円（前年同月比＋7.6％）

2020年5月における公共総計の内訳をみていくと、いずれの項目も前年同月を上回り、民間とは対照的な結果になっていました。「建築」は3,273億円で、前年同月より7.5％増加、全体に占める割合の高い「土木」も7.6％増加し、1兆608億円となっています。

「建築」のうち、「居住用」は436億円と規模は小さいものの、前年同月比で11.3％の2桁増を記録しました。「非居住用」も前年同月比で7.0％増加し、2,838億円になっています。

・地域別出来高
北海道：1,623億円（前年同月比＋0.8％）
東北：3,529億円（前年同月比－5.9％）
関東：1兆3,633億円（前年同月比－3.3％）
北陸：1,851億円（前年同月比＋2.8％）
中部：4,401億円（前年同月比－2.2％）
近畿：4,930億円（前年同月比－0.2％）
中国：2,018億円（前年同月比＋0.3％）
四国：1,016億円（前年同月比＋6.6％）
九州・沖縄：4,007億円（前年同月比－2.7％）

出来高を地域別で分析すると、北海道と中国は微増、北陸と四国が増加傾向にありました。近畿はほぼ前年並みの微減ですが、残る東北、関東、中部、九州・沖縄の4地域は、前年同月比で減少になっています。

最も伸びたのは四国地方の1,016億円で、前年同月より6.6％増加しました。逆に最も減少幅が大きかったのは東北地方で、前年同月より5.9％減少、3,529億円となりました。関東は、前年同月比で3.3％の減少となる1兆3,633億円です。

ピックアップニュースは以上になります。
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（画像は国土交通省「建設総合統計」公開資料より）


▼外部リンク

国土交通省　報道発表資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000926.html