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東京ガス株式会社は15日、社内組織として1986年に設立された「都市生活研究所」作成の資料として、平成という時代の暮らしを振り返る「都市生活レポート」を発表、データの公開を開始しました。第1回として「住まい」をメインテーマとしたレポートが提供されています。

・地価水準の推移（1982年地価を100）
【1989年】
東京圏：229.2
三大圏：約200
全国住宅地：約160

【1991年】
東京圏：約255
三大圏：約275
全国住宅地：約215

【2018年】
東京圏：約110
三大圏：約110
全国住宅地：約100

まず1982年時の地価を100として、平成における土地の価格変化をみると、平成元年の1989年には、東京圏で2.3倍、三大圏で約2倍、全国でも約1.6倍の高騰が生じていました。その後も地価の上昇はさらに続き、1991年にピークを迎えます。いずれも2倍を超える水準で、三大圏は1982年の約2.75倍にもなっていたことが分かります。

しかしバブルがはじけ、地価は大きく下落、2006年でおよそ100の水準に戻るまでマイナス基調を続けました。2008年頃には都市部を中心に一時上昇の山が生まれましたが、再び低迷、横ばい傾向が続くものとなりました。近年は地方の伸び悩みを抱えつつ、緩やかな回復と横ばいの傾向で推移しています。

・団らんの場における主な床材質
【1990年】
じゅうたん：43.8％
畳：32.4％
フローリング：21.5％
その他：2.2％

【2002年】
じゅうたん：22.5％
畳：16.4％
フローリング：58.5％
その他：2.7％

【2017年】
じゅうたん：15.8％
畳：8.6％
フローリング：73.2％
その他：2.5％

団らんの場における床の主な材質を調べた結果では、平成当初の1990年には「じゅうたん」が最多の43.8％、「畳」がそれに次ぐ32.4％で、和室スタイルがまだ主流にあったことがうかがわれます。「フローリング」という回答は、2割強にとどまっていました。

しかしじゅうたんや畳の割合は、この30年間で減り続け、2002年には「フローリング」が58.5％と過半を占めるものとなります。そして2014年に「畳」が1割を切り、直近の2017年調査では、「じゅうたん」が15.8％、「畳」8.6％に対し、「フローリング」が73.2％と圧倒的多数になっていました。

「自宅に和室が必ず欲しい」という人や、「就寝時は（ベッドでなく）布団で寝る」という人の割合も減り続けたと報告されており、住まいと暮らしにおける洋風化が急速に進んだことがみてとれます。

・浴槽サイズが小さいことへの不満
【1990年】
あてはまる：17.5％
ややあてはまる：22.1％
あまりあてはまらない：26.4％
あてはまらない：34.0％

【2017年】
あてはまる：6.7％
ややあてはまる：15.4％
あまりあてはまらない：32.2％
あてはまらない：45.6％

かつての団地における浴室は狭く、平成当初のマイホームでは、ゆったりとした浴槽（バスタブ）へのニーズが強くありました。そのため「浴槽サイズが小さくて不満」というアンケートの問いに、「あてはまる」とした人が1990年では17.5％、「ややあてはまる」も22.1％あり、約4割がより広い浴槽を求めています。

しかし、近年はユニットバスでそうした浴槽へのこだわりをもつ人は減少し、小さいことへの不満も年を追うごとに少数意見となっていきました。2017年には「あてはまる」が6.7％、「ややあてはまる」の15.7％を含めても、2割強にとどまっています。

2018年頃からは、「あてはまらない」とした人が45％前後、「あまりあてはまらない」が3割前後で推移しており、およそ満足している傾向が続いているといえるでしょう。タイルの在来工法で寒いのが当たり前だった一戸建ての浴室が、ヒートショック対策の施されたユニットバスへ移行していったことも、平成間におきた大きな変化だったとみられます。

ピックアップニュースは以上になります。
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（画像はプレスリリースより）


▼外部リンク

東京ガス株式会社によるプレスリリース（PR TIMES）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000021766.html