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三幸エステート株式会社は17日、2019年1月号のレポートとして、主要都市の2018年12月度におけるオフィスマーケット動向をまとめた調査結果を公開しました。東京都心5区大規模ビルをはじめ、大阪市の大規模ビル、名古屋市、札幌市、仙台市、福岡市の市場動向をみることができます。

・調査用語定義
東京都心5区：千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大規模ビル：1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル
現空面積：現在テナント未入居で契約後すぐ入居可能な面積の合計
募集面積：各統計日時点で公開されているテナント募集面積の合計

この調査は1994年1月1日に開始された統計調査で、用いられている語の定義は上記のようになっています。

・東京都心5区大規模ビルの空室動向
空室率：0.69％（前月比＋0.02ポイント）
現空面積：39,500坪（前月比＋743坪）

東京都心5区大規模ビルの2018年12月における空室率は0.69％で、前月に比べると0.02ポイントの悪化になりました。空室率が上昇するのは23カ月ぶりのことです。今回わずかに上昇したものの、その値は大きく1％を下回る低水準で、需給の逼迫した状態は継続されているといえるでしょう。

ただし1％を下回った2018年6月以降、空室率の低下ペースは確実に鈍化しており、ほぼ満室といえるまでに低下余地が乏しくなった結果、下げ止まりに向かう様相ともなっています。現空面積は39,500坪で、前月より743坪の増加でした。

・東京都心5区大規模ビルの募集動向
募集賃料：坪あたり29,387円（前月比＋167円）
募集面積：289,691坪（前月比－15,961坪）

2018年12月における東京都心5区大規模ビルの平均募集賃料は、共益費込みで坪あたり29,387円となり、前月より167円アップしました。いったん高止まりかとみられた賃料推移ですが、3カ月連続の上昇になっています。ごく低い空室率で市場に品薄感が強まる中、募集賃料の引き上げに入る動きが拡大していることが確認されました。

賃料上昇の傾向は、年末時点での対前年同月比でみても、2016年には－0.1％でしたが、2017年で＋5.1％に、2018年は＋6.0％となり、上昇ペースが加速していることが判明しています。長期的にみると緩やかな賃料上昇傾向ですが、貸手優位の市況が強まってきているとも報告されました。

・東京23区新規供給面積の推移
2014年：約13万坪（うち都心5区／約10万坪）
2015年：約19万坪（同／約13万坪）
2016年：約20万坪（同／約19万坪）
2017年：約10万坪（同／約9万坪）
2018年：約26万坪（同／22万坪）
2019年：約19.5万坪（同／17万坪）
2020年：約30万坪（同／22万坪）
2021年：約8.5万坪（同／6万坪）

東京23区での新規供給面積を年ごとでみると、これまでの実績値では2018年が約26万坪で、直近5年の最大供給量となっていました。過去10年間に拡大してみても、2012年に次ぐ規模です。さらにこれを都心5区に限定すると、2018年は22万坪の新規供給があり、過去10年間で最大になっていました。

今後3年の見通しでは、2019年にやや減少するものの、2020年は2018年を上回る約30万坪の新規供給があり、都心5区も22万坪を占めるとみられています。一方、ここでピークを迎える大量供給時代は一気に収束し、2021年では23区が約8.5万坪、都心5区も6万坪という水準にまで大幅減少する予測ともなりました。

都心5区の新規供給は変動の激しいものになる予想ですが、実績値で過去10年平均は14万坪となっており、今後3年間の見込み値も平均すると年あたり15万坪になることから、中長期的スパンでは同水準の供給量になっていくと指摘されています。

なお、都心5区で2018年と同規模の大量供給が見込まれ、さらに都心5区外での新規供給も多くなる見通しの2020年は、都心5区に隣接する文京区や江東区、豊島区といったエリアで複数の大規模ビルが竣工予定になっています。

ピックアップニュースは以上になります。
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（画像は三幸エステート「オフィスマーケットレポート 2019年1月号 東京都心5区大規模ビル」公開資料より）


▼外部リンク

三幸エステート株式会社　「オフィスマーケットレポート 2019年1月号」データ提供ページ
https://www.sanko-e.co.jp/data/report/201901