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【pickupニュース】17年末の私募ファンド資産規模、前年比2桁増の12兆円超

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ARESが不動産私募ファンドに関する実態調査の結果を公開
一般社団法人不動産証券化協会(ARES)は8月31日、同協会の正会員および準会員を対象とする不動産私募ファンドの運用状況などを問うアンケート調査を実施、その結果をとりまとめて公開しました。

この調査は「不動産私募ファンド実態調査」として、2005年から毎年実施されているもので、今回が13回目となります。この第13回調査は、基準日を2017年12月末とし、2018年2月~3月にメールでの調査票送付・回収を通じて行い、66社からの有効回答を得たものとなっています。

・不動産私募ファンド市場規模
資産額:12兆3,014億円(前年末比+12.8%)
ファンド数:684(前年末比+4.7%)
物件数:2,468(前年末比+24.8%)

2017年12月末における、会員運用の不動産私募ファンド市場規模は、私募REITを含んだ結果で、資産額が12兆3,014億円と、前年末よりも12.8%増加、大きく拡大されていました。ファンド数も684に増加、物件数は2,468件で、前年末より24.8%の大幅増となっています。

・運用資産額内訳
私募REIT:2.4兆円(前年末比+20.8%)
私募REIT以外の私募ファンド:9.9兆円(前年末比+11.3%)

資産額の内訳をみると、「私募REIT」は2兆4,000億円で、前年末より20.8%増えています。第1号銘柄の運用が開始された2010年以降、年金など機関投資家による長期安定運用を目指した資金の投資先として注目されてきた私募REITは、2017年も増加傾向を継続しています。

「私募REIT以外の私募ファンド」は9兆9,000億円で、前年末に比較すると11.3%の増加、こちらも市場を拡大させていますが、運用起源が有期であることなどから、J-REITや私募REITへの物件供給源ともなってきています。それを示すように、2017年における私募REIT以外の私募ファンドによる物件売却先のうち、上場REITと私募REITへの売却は、合計で42.1%にのぼったことも報告されました。

一方で新しい組成も順調に進んできており、リーマン・ショック後では、中期ベースの運用資産額としておよそ横ばいの安定推移がみられる状況となっています。

ファンド運用戦略ではコアが7割超、物件用途としてはホテルの増加続く
・運用戦略の構成比
【資産額】
コア:71.6%
バリューアッド:10.3%
オポチュニスティック:5.9%
開発型:9.7%
その他:2.6%

【ファンド数】
コア:54.3%
バリューアッド:20.7%
オポチュニスティック:9.1%
開発型:10.0%
その他:5.9%

2017年12月末時点での私募ファンド運用戦略をみると、期待リターンの源泉を不動産賃貸から生じるインカムリターンとする「コア」が資産額ベースで71.6%と圧倒的多数を占めていました。直近3年間はいずれも7割超となっており、引き続き高い傾向となっています。

インカムリターンに加え、割安時に取得した物件の収益性を高めることで得られるキャピタルリターンも狙う「バリューアッド」は10.3%、市場動向予測に基づく不動産売買でのキャピタルリターンを主とする「オポチュニスティック」は5.9%にとどまりました。

ファンド数でみても、「コア」が54.3%と過半を占め、「バリューアッド」は20.7%、以下「オポチュニスティック」9.1%、「開発型」10.0%と続いています。

・保有物件用途
【ホテル】
2015年:4%
2016年:6%
2017年:7%

保有物件の用途としては、資産額ベースでホテルの比率が増加傾向にあり、直近3年間で着実にポイントを伸ばしてきています。2017年末の今回は7%を占めるまでになりました。

・有利子負債比率(LTV)
0%:14%(前年末比-2ポイント)
30%未満:9%(前年末比+3ポイント)
30~50%未満:21%(前年末比-1ポイント)
50~60%未満:15%(前年末比-4ポイント)
60~70%未満:19%(前年末比-2ポイント)
70~80%未満:12%(前年末比+3ポイント)
80%以上:10%(前年末比+2ポイント)

ファンド数ベースでみた有利子負債比率(LTV)は、前年末比では大きな変化がみられず、ほぼ同傾向となっていますが、中長期でその推移をみた場合、LTV50%未満のファンド割合が大幅に増加、2005年~2008年までは10~11%にとどまっていたところ、2017年末では全体の44%を占めるまでに増加していました。レバレッジの低下傾向が顕著に続いているといえるでしょう。

ピックアップニュースは以上になります。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今後も皆様のお役に立つ内容をお届けしてまいりますのでご期待ください!

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

一般社団法人不動産証券化協会 ニュースリリース(プレスリリース)
https://www.ares.or.jp/download/info/462.pdf?open=1

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