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株式会社三友システムアプレイザル不動産金融研究所は5日、2017年度下期（2017年10月～2018年3月）の全国10地方裁判所における「競売物件分析」レポートを公開しました。東京・大阪・名古屋・福岡・横浜・さいたま・千葉・京都・神戸・仙台地裁を対象に、開札日が到来した物件の動向を分析しています。

・開札件数動向
10地裁合計件数：3,890件（前期比－5.0％）
前期より増加：4地裁（大阪・名古屋・さいたま・仙台）
種類別最多：土地付建物（54.4％）
東京地裁の種類別最多：マンション（52.2％）

2017年度下期における開札件数は、全国10地裁の合計で3,890件となり、前期に比べ5.0％の減少でした。これで11期連続のマイナスになっています。地裁別にみると期ごとの増減がありますが、全般的には減少傾向が続いていると報告されました。

今回、前期よりも開札件数が増加したのは、大阪・名古屋・さいたま・仙台の4地裁で、残り6地裁は減少しています。開札件数の先行指標になると考えられる配当要求終期公告件数の状況などをみても、当面開札件数が大きく伸びる可能性は低く、減少または横ばいの推移になる見通しとされました。

開札となった競売物件の種類別内訳では、10地裁合計で「土地付建物」が最多、54.4％を占めています。「土地付建物」のウエイトの高さは、全国的に共通したものとなっていますが、東京地裁のみ「マンション」がより高い割合を占め、52.2％の構成比になっていました。

・落札件数動向
10地裁合計件数：3,085件（前期比－5.7％）
落札件数率：92.0％（前期比－0.8ポイント）
　落札件数率最高：東京（97.1％）
　落札件数率最低：仙台（77.3％）
マンションの落札件数率：96.2％（前期比－1.4ポイント）

2017年度下期における競売物件の落札件数は、10地裁合計で3,085件と、前期比で5.7％の減少になりました。こちらも開札件数と同じく11期連続の減少です。落札件数率は92.0％で、前期に比べると0.8ポイント低下しました。地裁別で最も高い落札件数率を記録したのは東京地裁で97.1％、逆に最も低かったのは仙台地裁の77.3％でした。

物件の種類別でみると、マンションの落札件数率が高い傾向にあり、10地裁合計の平均で96.2％となっていました。ただし、こちらも前期比では1.4ポイントの低下を記録しています。

・落札価額動向
10地裁合計落札価額：604億円（前期比－12.4％）
落札最高額：16.3億円

今期における競売物件の落札価額は、10地裁合計で604億円となり、前期に比較すると12.4％の低下で、大幅なマイナスになっています。落札件数そのものが減少したほか、落札価額合計では期ごとの高額物件件数変動も激しく、今回は全体を大きく押し上げるようなケースもさほどなかったことが影響しているようです。なお、今期における落札最高額は16.3億円でした。

・応札者動向
10地裁応札者総数：30,321人（前期比－7.6％）
平均応札者数：9.8人（前期比－0.2人）
地裁別平均応札者数最多：大阪（11.1人）
種類別平均応札者数最多：マンション（10.9人）

応札者は10地裁合計で30,321人となり、前期比で7.6％の減少でした。応札対象件数が減少したことが主な要因であり、9期連続のマイナス傾向となっています。平均応札者数は9.8人で、前期の10.0人からわずかに減少したものの、ほぼ横ばいを維持しました。

地裁別でみると、大阪地裁の平均応札者数が最多で11.1人となっています。物件種類別では「マンション」が高水準で10.9人でしたが、前期は11.6人であったことを考えると、やや減っている傾向もみてとれます。

全体として都市部の落札件数率や平均応札者数は、周辺を含めた地裁全体に比べて高い傾向にあり、物件種別では、都府県庁所在地で「マンション」の開札・落札に占める率が高めとなっています。

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（画像は写真素材 足成より）


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