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賃貸物件の建物構造別で見る強みと弱み

[h2]賃貸物件の建物構造別で見る強みと弱み
 [h3]木造
 [h3]鉄筋コンクリート造(RC造)
 [h3]鉄骨造(S造)
 [h3]鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
 [h3]プレハブ工法
[h2]賃貸物件の建物構造で家賃相場も変わる
[h2]賃貸物件の建物構造を選ぶ際の注意点

所有している土地に賃貸物件を建てて収益を計ろうとしたとき、どのような建物を建てるかによって変わるのが経費や収益です。また、建物の構造によって、賃貸物件の強みと弱みも変わります。

今回は、賃貸物件の建物構造別にどのような強みと弱みがあるのかをわかりやすく解説します。

賃貸物件の建物構造別で見る強みと弱み


一言に賃貸物件といっても、その構造には、いくつかの種類があります。それでは、建物構造別にそれぞれの強みと弱みを見てみましょう。

木造


一般的なアパートで多く見られる木造には、どのような強みと弱みがあるのでしょうか。

・強み
木造建築物の最大の強みは、建築費の安さです。一般的な木造であれば、坪単価が77~97万円程度、鉄骨造は84~104万円程度といわれているので、かなり安く抑えられることがわかります。

建築コストを抑えることで家賃を低めに設定しても収益を出すことができるのが、一番大きな強みといえるでしょう。

他にも、木造の場合、室内に構造柱が必要ないため、生活空間を多くとることができます。また、日本の気候に適しているので、住んでいる人が快適に生活できます。

・弱み
木造建築物も建築技術の向上によって、従来持たれていたイメージが変わってきていますが、その材質上、どうしても火に弱いことは変わりありません。確かに、他の建物構造と比較すると木材は燃えやすい構造です。

しかし、近年は、耐火構造を有した木造建築物が多くなってきているのも事実です。そのため、現在は「木造でも燃えにくい」というイメージができつつあります。

また、木造建築物は、耐久性が低く老朽化が早いという弱みがあります。耐久性が低いと資産価値も下落するので、転売するときの売却価格にも影響します。

ちなみに、国税庁が定める木造建築物の耐用年数は22年です。

鉄筋コンクリート造(RC造)


コンクリートの芯に鉄筋を利用した建物を鉄筋コンクリート造(RC造)と呼びます。圧縮力が強いコンクリートと引張力が強い鉄筋を使用することで強度が高い特徴があります。

・強み
鉄筋コンクリート造の強みは、その強度にあります。

例えば、阪神大震災のときに木造建築物の8割が倒壊してしまいましたが、鉄筋コンクリート造の建築物は2割しか倒壊しませんでした。このことからわかるように、鉄筋コンクリート造最大の強みは耐震性の高さです。

また、断熱・気密・耐火性も高いので、安心して住めるだけでなく省エネ効果も期待できます。賃貸物件としても、法定耐用年数が47年と長いので、長期間収益が見込めます。

・弱み
鉄筋とコンクリートの両方を使用して建てるので、建築費用が高くなります。また、建築物の重量が重くなるので、土地によっては特別な基礎工事が必要となり、それだけ費用がかかります。

さらに、構造上、増改築が難しいのも特徴です。他にも、住む人から見ると、気密性の高さから結露やカビが発生しやすい、家賃が高いなどの弱みがあります。

鉄骨造(S造)


骨組みに鉄骨を使用している建造物を鉄骨造(S造)と呼びます。鉄骨造には2種あり、軽量鉄骨造は、低層の建物に適しています。また、高層建築物は、重量鉄骨造で建造します。それでは、鉄骨造の強みと弱みを説明していきましょう。

・強み
鉄骨造の強みは、法定耐用年数が34年と長いことで、減価償却期間を長くしたいと考えている場合に向いています。

また、鉄骨造の場合は、4~7階の建築物に適していることや強度、耐震性が高いことも強みです。借りる側から見ると耐震性とお洒落な外見、遮音性の高さに比較して、家賃も抑えられているのが魅力です。

・弱み
木造建築物と比較して、建築費が割高になるので、木造建築物と同じ収益を上げようとすると家賃を上げざるを得ません。

また、気密性が高いことは強みでもありますが、逆に弱みにもなります。気密性が高いことで結露ができ、カビが発生しやすくなります。

他にも、構造上、室内に柱ができてしまうことがあります。そうなると、室内空間が狭くなり、家具の配置が難しくなります。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)


鉄骨鉄筋コンクリート造とは、頑丈な鉄骨の柱周りに鉄筋を組んでコンクリートで施工する工法です。そのため、鉄筋コンクリート造よりも細い柱や梁でより強度の強い建造物が造れます。

名前も鉄骨造と鉄筋コンクリート造を合わせてSRC造といわれています。主に高層建造物に施行される工法です。では、鉄骨鉄筋コンクリート造の強みと弱みは何でしょうか。

・強み
建造物の中でもトップクラスの耐震性です。また、火災に強いのも特徴です。

さらに、強度が高いので、柱と柱の間を広く取ることにより部屋面積が広く使いやすくなります。柱が細い分、デザイン性でも優れているので、デザイナーズマンションなどを建てることができ、高めに家賃を設定しても集客が見込めます。

・弱み
鉄骨造と鉄筋コンクリート造の二つの構造を組み合わせるため、建築に時間やコストがかかります。そのため、家賃も他の構造物よりも高く設定する必要があるでしょう。

また、構造上、他の建築物よりも制約が多く、思うような生活空間を作り出せないこともあります。

プレハブ工法


プレハブ工法とは、部品などをあらかじめ工場で作り、現場では組み立てるだけで建物を建てるやり方です。そのため、多くの大手ハウスメーカーでも取り入れている手法です。

・強み
プレハブ工法は、木材や鉄筋、コンクリートと材質が違う建物を建てることができるので、予算や土地に合った建物を建てることができます。

また、コンピューターやロボットで制御された工場で作るので、品質が均一で性能が高い強みがあります。

他にも、工期の大幅な短縮や費用の削減、耐震、省エネ、防火に優れているなどが特徴です。

・弱み
良いことずくめに思えるプレハブ工法ですが、やはり弱みはあります。

プレハブ工法で最大の弱みが、規格化された部材です。部材が全て決まっているので、土地によっては建築できないこともあります。

また、ある程度の性能・品質を保っているため、相応の価格になってしまうのもプレハブ工法の弱みでしょう。

賃貸物件の建物構造で家賃相場も変わる


賃貸物件の建物構造によって家賃相場も変わります。それは、建築費の違いが大きいでしょう。

木造の建築物であれば、建築費が比較的安いので、家賃も抑えることができます。逆に鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の場合は、どうしてもコストがかかってしまうので、木造と同じ収益を上げようと考えた場合は、家賃を上げなければなりません。

また、住宅は、構造によって住みやすさも変わってきます。そのため、どの構造で賃貸物件を建てるかによって家賃相場も変わってくることを覚えておく必要があります。

賃貸物件の建物構造を選ぶ際の注意点


賃貸物件を建てようとしたときに、建物構造を選ぶことはとても大切なことです。

賃貸物件を建てるときは、希望する収益に対し建築予算や周辺の競合物件の建物構造、家賃相場、運営スタイルを加味して建物構造を選定する必要があります。

しかし、どの構造で建てるかを悩んだ場合は、「20%の法則」を考えることも良いでしょう。

20%の法則とは、一般的に鉄骨造の方が木造よりも20%ほど建築費が高くなることです。この法則を踏まえて、鉄骨造の方が木造よりも家賃を20%ほど上げることができるのであれば、高い収益を上げることが可能です。

しかし、賃貸物件の建物構造を選ぶ際は、周辺の家賃相場や建物構造、入居者のターゲット選定、将来売却する場合の相場などを調査してから経営しやすい建物構造を選ぶことが大切になります。

(画像は写真ACより)


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